大学入試センター試験 2015年(平成27年) 追試 数学ⅠA 第5問 解説
(1)
$n^{2}+n-6=(n-2)(n+3)$
より、
解答ア:2, イ:3
$n^{2}+n-6$が$13$の倍数のときは、$m$を整数として、
$n-2=13m$式A
または
$n+3=13m$式B
である。
式Aのとき、
$n=13m+2$
より、$n$を$13$で割ると$2$余る。
式Bのとき、
$n=13m-3$
$n$$=13(m-1)+10$
より、$n$を$13$で割ると$10$余る。
解答ウ:2, エ:1, オ:0
$n^{2}+n-6$が$17$の倍数のときは、$m$を整数として、
$n-2=17m$式C
または
$n+3=17m$式D
である。
式Cのとき、
$n=17m+2$
より、$n$を$17$で割ると$2$余る。
式Dのとき、
$n=17m-3$
$n$$=17(m-1)+14$
より、$n$を$17$で割ると$14$余る。
解答カ:2, キ:1, ク:4
以上から分かることは、
$n-2$が$p$の倍数のとき、$n$を$p$で割ると$2$余る。
$n+3$が$p$の倍数のとき、$n$を$p$で割ると$p-3$余る。
よって、
$p-3=2$
$p=5$
のとき、$n-2$も$n+3$も$p$の倍数となる。
解答ケ:5
(2)
一次不定方程式はお約束の解き方があるので憶えておこう。
$13x-17y=1$式E
を解く。
$x$と$y$の係数の$13$と$17$でユークリッドの互除法を行うと、
$17\div13=1\ldots4$式F1
$13\div4=3\ldots1$式F2
これを「=余り」の形に変形して、
$17-13\cdot1=4$式F1'
$13-4\cdot3=1$式F2'
式F2'に式F1'を代入して、
$13-(17-13\cdot 1)\cdot 3=1$
$13-17\cdot 3+13\cdot 3=1$
$13\cdot4-17\cdot3=1$式G
ができる。
式Eから式Gを辺々引くと、
$13x$ | $-17y$ | $=$ | $1$ | |
$-)$ | $13\cdot4$ | $-17\cdot3$ | $=$ | $1$ |
$13(x-4)$ | $-17(y-3)$ | $=$ | $0$ |
となるから、
$13(x-4)=17(y-3)$
とかける。
ここで、$13$と$17$は互いに素なので、この式が成り立つためには、$m$を整数として
$\left\{\begin{array}{l}x-4=17m\\y-3=13m\end{array}\right.$
より
$\left\{\begin{array}{l}x=17m+4\\y=13m+3\end{array}\right.$式H
でなければならない。
問題文より$x$は自然数。
よって、式Hより、
$0 \lt 17m + 4$
$ \displaystyle -\frac{4}{17} \lt m$
となるので、$m$の範囲は
$0 \leqq m$
だ。
$m$がこの範囲のとき、$x$が最小となる解の組を探す。
式Hより、
$x=17m+4$
なので、$x$が最小になるのは$m$が最小のとき。
よって、式Hに$m=0$を代入して、
$x=17 \cdot 0+4$
$x$$=4$
$y=13 \cdot 0+3$
$y$$=3$
が求める解である。
解答コ:4, サ:3
(3)
条件にあう自然数$n$は、$x,y$を整数として、
$\left\{\begin{array}{l}
n=13x+2\\
n=17y+14
\end{array}\right.$式I
とかける。
ここから$n$を消去して、
$13x+2=17y+14$
$13x-17y=12$式J
とする。
ここでは、先に$x$の範囲を求めておこう。
$1\leqq n\leqq 221$
なので、
$1\leqq 13x+2\leqq 221$
$-1\leqq 13x\leqq 219$
$-\displaystyle \frac{1}{13}\leqq x\leqq\frac{219}{13}$
$x$は整数なので、
$0\leqq x\leqq 16$式K
となる。
さて、式Jの不定方程式を解こう。
式Gの両辺を$12$倍して、
$13\cdot 48-17\cdot 36=12$
これを式Jから辺々引くと
$13x$ | $-17y$ | $=$ | $12$ | |
$-)$ | $13\cdot48$ | $-17\cdot36$ | $=$ | $12$ |
$13(x-48)$ | $-17(y-36)$ | $=$ | $0$ |
となるから、
$13(x-48)=17(y-36)$
とかける。
ここで、$13$と$17$は互いに素なので、この式が成り立つためには、$m$を整数として
$x-48=17m$
$x=17m+48$式L
でなければならない。
式Kより、$0\leqq x\leqq 16$なので、
$0\leqq 17m+48\leqq 16$
$-48\leqq 17m\leqq-32$
$-\displaystyle \frac{48}{17}\leqq m\leqq-\frac{32}{17}$
$m$は整数なので、
$m=-2$
答えまであと少しだ。
$m=-2$のとき、式Lより
$x=17 \cdot (-2)+48$
$x$$=14$
このとき、式Iより
$n=13\cdot14+2$
$x$$=184$
である。
解答シ:1, ス:8, セ:4