大学入学共通テスト 2024年(令和6年) 追試 数学ⅡB 第1問 [2] 解説

(1)

まず、第1問 [1] と同様に、問題文の指示に従って公式を導く。
ここで作るのは、tan の2倍角の公式だ。

tanθ=sinθcosθ
なので、
tan2x=sin2xcos2x
である。

これに 2倍角の公式
{sin2x=2sinxcosxcos2x=cos2xsin2x
を代入すると
tan2x=2sinxcosxcos2xsin2x
となる。

解答タ:8

この右辺の分母分子をcos2xで割ると
tan2x=2sinxcosx1(sinxcosx)2=2tanx1tan2x となって、tanの2倍角の公式ができる。

解答チ:b


また
tan(π2α)=1tanα
だから、tan(π22x)tan(π2x)
tan(π22x)tan(π2x)=1tan2x1tanx
とかける。

右辺を整理すると、これはさらに
tan(π22x)tan(π2x)=tanxtan2x
と変形できる。

これに式Aを代入すると、
tan(π22x)tan(π2x)=tanx2tanx1tan2x=1tan2x2 と表せる。

解答ツ:6

(2)

0<x<π4
のとき、
0<tanx<1
なので、
0<tan2x<1
とかける。

これを材料にして、①式の右辺をつくろう。

各辺に1をかけて
0>tan2x>1
各辺に1をたして、
1>1tan2x>0
各辺を2で割ると
12>1tan2x2>0
となって、①式の右辺ができた。

ここまでくると勝ったも同然だ。

これに①式を代入して
12>tan(π22x)tan(π2x)>0
この式の左右を入れかえると
0<tan(π22x)tan(π2x)<12
となって、②式の形になる。

解答テ:0, ト:5

(3)

0<x<π4 のとき、
tan(π22x)=tan89を満たすxは、
π22x=89
より
902x=89
2x=1
x=0.5
である。

度と弧度法(ラジアン)の変換を思い出すと、

復習

[ラジアン]=π180[度] [度]=180π[ラジアン]

だった。

復習より、x=0.5 は、弧度法では
x=0.5180π=π360 と表せる。

解答ナ:3, ニ:6, ヌ:0


このとき、
{tan(π22x)=tan89tan(π2x)=tan89.5
なので、②式は
0<tan89tan89.5<12
となる。

これに
tan89=57.29
を代入して
0<57.29tan89.5<12

この式の中辺と右辺の分母を払うと
57.29×2<tan89.5
より
114.58<tan89.5
であることが分かる。

よって、tan89.5の値として正しいのは、解答群のうち

である。

解答ネ:9