大学入学共通テスト 2024年(令和6年) 追試 数学ⅠA 第2問 [2] 解説

(1)

「元の評点」が
1,2,2,3,3,3,3,4,4,5
のとき、「調整後の評点」は赤い部分だ。

なので、「調整後の評点」の

平均値 y=3

解答シ:3

分散 t2=18{(23)22+(33)24+(43)22}
=48=0.5

解答ス:0, セ:5

である。

(2)

n5 のとき、
x1,x2,,xn1,xn
の、
除外した評点(緑の部分)の和を A 「調整後の評点」(赤い部分)の和を B とすると、

「元の評点」の和は A+B なので、
「元の評点」の平均値 x=A+Bn式A

緑の部分の平均値 z=A2
なので、
A=2z式B

赤い部分の平均値 y=Bn2
なので、
B=(n2)y式C

表せる。

よって、式Aに式B,式Cを代入すると
x=2z+(n2)yn=2nz+n2ny となる。

解答ソ:5, タ:6


これを
xy
に代入すると、不等式
2nz+n2nyy
ができる。

これを整理すると

途中式 2nzyn2ny
2nz(1n2n)y
2nz(nnn2n)y
2nz2ny
zy
とかける。

したがって、xy が成り立つための必要十分条件は
zy
である。

解答チ:2

(3)

(i)

ここで、分散の復習をしておこう。

復習

データ {x1,x2,,xn} の分散 s2 は、
データの平均値を x データの各値の2乗の平均値を x2 とすると、
s2=1n{(x1x)2+(x2x)2++(xnx)2}=x2(x)2 である。

スセでは、復習の式Dを使って分散を求めた。
では、式Eを使う。
このふたつの式は問題によって使い分けるので、両方憶えておこう。

評点が
,a,,am,b,,b(8m)8,
の場合、

「調整後の評点」の平均値 y
y=18{ma+(8m)b}
である。

よって、「調整後の評点」の分散 t2 は、復習の式Eを使って、
t2=18{ma2+(8m)b2}[18{ma+(8m)b}]2

途中式 t2=182[8{ma2+(8m)b2}{ma+(8m)b}2]=182{8ma2+8(8m)b2m2a22m(8m)ab(8m)2b2}=182[(8mm2)a22m(8m)ab+(8m){8(8m)}b2]=182{m(8m)a22m(8m)ab+m(8m)b2}=m(8m)82(a22ab+b2)
t2=m(8m)(ab)264式F
となる。

解答ツ:4

(ii)

最後は、「調整後の評点」の分散 t2 が最大の選手を答える問題だ。
の選手それぞれについて、式Fを使って t2 を求めよう。

の選手の「調整後の評点」は、
1,4,4,4,4,5,5,5,5,5
の赤い部分だから、

44 54 だ。

なので、式Fより、分散は
t2=4(84)(45)264=1664 である。

の選手の「調整後の評点」は、
1,3,3,4,4,4,4,4,4,5
の赤い部分だから、

32 46 だ。

なので、式Fより、分散は
t2=2(82)(34)264=1264 である。

の選手の「調整後の評点」は、
1,2,2,2,2,4,4,4,4,4
の赤い部分だから、

24 44 だ。

なので、式Fより、分散は
t2=4(84)(24)264=6464 である。

の選手の「調整後の評点」は、
1,1,1,1,1,1,1,3,3,4
の赤い部分だから、

16 32 だ。

なので、式Fより、分散は
t2=6(86)(13)264=4864 である。


以上より、分散 t2 が最も大きい選手は

であることが分かる。

解答テ:2