大学入学共通テスト 2024年(令和6年) 追試 数学ⅠA 第3問 解説

(1)

問題文中の図1の左2列を取り出して、図Aをつくった。

この解説に載せた図すべてについて、
タイルを貼ることができる場所を緑で示した。 名前がついていない配置には、必要に応じて S,T,$\cdots$ の名前をつけてある。

図A
大学入学共通テスト2024年追試 数学ⅠA第3問 解説図A

図A中の2本の矢印は同じ確率で起こるので、配置A,配置Tになる確率は ともに
$\dfrac{1}{2}$
である。

解答ア:1, イ:2

(2)

図B
大学入学共通テスト2024年追試 数学ⅠA第3問 解説図B

問題文中の図1の左3列に (1)で求めた確率を書き込むと、図Bができる。
図中の同じ色の矢印は同じ確率なので、すべての矢印は$\dfrac{1}{2}$の確率になる。

配置Bになるのは、
2枚目のタイルを貼った時点で配置Aである かつ
A→B の矢印が起こる
場合だ。

このとき、
(1)より、配置Aになる確率は$\dfrac{1}{2}$ A→B の矢印が起こる確率は$\dfrac{1}{2}$ だから、配置Bになる確率は
$\dfrac{1}{2}\times\dfrac{1}{2}=\dfrac{1}{4}$
である。

解答ウ:1, エ:2, オ:1, カ:4


配置Cになるのは、

2枚目のタイルを貼った時点で配置Aである かつ
A→C の矢印が起こる

または

2枚目のタイルを貼った時点で配置Tである かつ
T→C の矢印が起こる

場合だ。

よって、配置Cになる確率は
$\dfrac{1}{2}\times\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{2}\times\dfrac{1}{2}=\dfrac{1}{2}$
である。

解答キ:1, ク:2


また、配置Dになる確率は、配置Bのときと同様に
$\dfrac{1}{2}\times\dfrac{1}{2}=\dfrac{1}{4}$
である。

(3)

問題文中の図1の右3列に (1)(2)で求めた確率と 3枚目から4枚目の間の矢印を書きたすと、図Cができる。

図C
大学入学共通テスト2024年追試 数学ⅠA第3問 解説図C

図中の同じ色の矢印は同じ確率なので、実線の矢印はすべて$\dfrac{1}{2}$,点線の矢印はすべて$\dfrac{1}{3}$ の確率になる。

(i)

図Cより、配置Eになることができるのは
配置B,配置C
である。

解答ケ:3

別解

問題文中の図のEとB,C,Dを見比べると、DはEの配置からはみ出している部分がある。
なので、Dは不適。
正解は B、C だ。

解答ケ:3

よって、配置Eになるのは、

3枚目のタイルを貼った時点で配置Bである かつ
B→E の矢印が起こる

または

3枚目のタイルを貼った時点で配置Cである かつ
C→E の矢印が起こる

場合だ。

したがって、配置Eになる確率は
$\dfrac{1}{4}\times\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{2}\times\dfrac{1}{3}=\dfrac{7}{24}$
である。

解答コ:7, サ:2, シ:4


また、図Cより、配置Fになることができるのは
配置C
のときだけ。

解答ス:1

別解

問題文中の図のFとB,C,Dを見比べると、B、DはFの配置からはみ出している部分がある。
なので、B、Dは不適。
正解は C だ。

解答ス:1

よって、配置Fになる確率は
$\dfrac{1}{2}\times\dfrac{1}{3}=\dfrac{1}{6}$
である。

解答セ:1, ソ:6


さらに、配置Uになる確率は、配置Eと同じ
$\dfrac{7}{24}$
となる。

(ii)

ここで条件付き確率の復習をしておくと、

復習

事象$A$が起こる確率を$P(A)$、事象$A$と$B$の両方が起こる確率を$P(A\cap B)$とするとき、
$A$が起こったときに$B$が起こる条件付き確率$P_{A}(B)$は、
$P_{A}(B)=\dfrac{P(A\cap B)}{P(A)}$
である。

この問題では、
配置Eになる場合が、復習の事象$A$ 配置Aになる場合が、復習の事象$B$ だ。

よって、

サシより、
$P(A)=\dfrac{7}{24}$
である。

事象$A$と$B$の両方起こる場合は、
配置Aのあと配置Eになる 場合だから、
配置Bになる前は必ず配置Aなので、
配置B→配置E
配置A→配置C→配置E
の2パターンある。

なので、その確率$P(A\cap B)$は
$$ \begin{align} P(A\cap B)&=\dfrac{1}{4}\times\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{2}\times\dfrac{1}{2}\times\dfrac{1}{3}\\ &=\dfrac{5}{24} \end{align} $$ である。

したがって、求める条件付き確率$P_{A}(B)$は、
$$ \begin{align} P_{A}(B)&=\dfrac{\dfrac{5}{24}}{\dfrac{7}{24}}\\ &=\dfrac{5}{7} \end{align} $$ となる。

解答タ:5, チ7

(4)

4枚目~6枚目のタイルの配置に これまで分かった確率を書き込んで、図Dをつくった。
問題文中の図2は、図Dの配置Yにあたる。
問題を解くのに必要ない配置や矢印は省略してある。
また、図Cと同様に、実線の矢印はすべて$\dfrac{1}{2}$,点線の矢印はすべて$\dfrac{1}{3}$ の確率である。

図D
大学入学共通テスト2024年追試 数学ⅠA第3問 解説図D

図Dより、配置Vになる確率と 配置Xになる確率は等しくて、どちらも
$$ \begin{align} \dfrac{7}{24}\times\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{6}\times\dfrac{1}{2}&=\dfrac{7}{24\cdot 3}+\dfrac{6}{24\cdot 3}\\ &=\dfrac{13}{24\cdot 3} \end{align} $$ である。

よって、(配置Vまたは配置X)経由で配置Yになる確率は
$\dfrac{13}{24\cdot 3}\times\dfrac{1}{3}\times 2=\dfrac{13}{12\cdot 3^{2}}$式A
となる。

配置Wになる確率は、
$\dfrac{7}{24}\times\dfrac{1}{3}\times 2=\dfrac{7}{12\cdot 3}$
なので、配置W経由で配置Yになる確率は
$\dfrac{7}{12\cdot 3}\times\dfrac{1}{3}=\dfrac{7}{12\cdot 3^{2}}$式B
である。

したがって、配置Yが起こる確率は、式A$+$式B より、
$$ \begin{align} \dfrac{13}{12\cdot 3^{2}}+\dfrac{7}{12\cdot 3^{2}}&=\dfrac{20}{12\cdot 3^{2}}\\ &=\dfrac{5}{3\cdot 3^{2}}\\ &=\dfrac{5}{27} \end{align} $$ となる。

解答ツ:5, テ:2, ト:7