大学入試センター試験 2020年(令和2年) 追試 数学ⅡB 第1問 [1] 解説

(1)

初めのうちは説明は不要だと思う。
どんどん解いてゆこう。


y=22x+2x+448
を変形すると
y=(2x)2+242x48
とかける。

いま、
2x=t式A
とおくので、上の式は
y=t2+16t48式B
と表せる。

これを平方完成すると
y=(t216t+8282)48=(t8)2+16 となる。

解答ア:-, イ:8, ウ:1, エ:6

よって、縦軸をy,横軸をtとすると、この関数のグラフは図Aのような放物線だ。

図A
大学入試センター試験2020年追試 数学ⅡB第1問[1] 解説図A

x=1のとき、t
t=21=2

これを式B'に代入すると、y
y=(28)2+16=20 となる。

解答オ:-, カ:2, キ:0


1xのとき、21より大きいので
212x
とかけるから、
2t式C
と表せる。

これを定義域として図Aに書き込むと、図Bができる。
定義域は、図中の緑の部分だ。

図B
大学入試センター試験2020年追試 数学ⅡB第1問[1] 解説図B

図Bを見ると、緑の範囲に放物線の頂点が含まれている。
なので、yの最大値は、頂点の
t=8のとき16
である。

この
t=8
を、xの値にもどす。

式Aにt=8を代入して、
2x=8
より、t=8のときのxの値は
x=3
となる。

以上より、yの最大値は、
x=3のとき16
である。

解答ク:3, ケ:1, コ:6

(2)

1<kとし、xの定義域を1xkとする。
このとき、
212x2k
より
21t2k
となるから、図Aに定義域を書き込むと図Cのようになる。
定義域の左端は2だけど、右端の2kはどんな数かはまだ分からない。

図C
大学入試センター試験2020年追試 数学ⅡB第1問[1] 解説図C

今問われているのは、yの最小値が20であるkの範囲だ。

図Cより、t=2は定義域に必ず含まれる。
つまり、図中の青い点(2,20)は定義域に含まれる。
よって、グラフ中にy20となる点が必ず存在する。

あとは、定義域にy20よりも小さくなる部分、つまり図中のオレンジの部分と赤い部分が含まれないようにすればよい。

1<kなので、オレンジの部分が定義域に含まれないのは明らか。 赤い部分が定義域に含まれないためには、定義域の右端が赤丸よりも右でなければよい。
つまり、図C中のaを用いて、
2ka式D
であればよい。

というわけで、aの値を求めよう。


aは、y=20のときのt座標。
放物線の式にy=20を代入して二次方程式を解いてもいいんだけど、ここではグラフから考える。

放物線は軸に関して対称なので、a2の中点が8だ。
なので、
a+22=8
より
a=14
である。

これを式Dに代入すると、kの範囲は
2k14式E
とかける。

この式を変形して、問題文中の
1<klog2サシ
の形にする。
1<kの部分は問題文の指示通りなので、
klog2サシ
の部分だけ考えよう。

式D'の両辺の、底が2の対数をとると、
log22klog214
とかける。

これを変形して、求めるkの範囲は
klog22log214
より、1<kとあわせて、
1<klog214式E'
である。

解答サ:1, シ:4


次に、式E'の範囲に含まれる最大の整数を求めよという。
いろいろ考えるより、手を動かしてやってみた方が早い。
そのとき、式E'を使うよりも、対数にする前の式Eを使う方が楽だ。

k=3のとき、2k=8なので、式Eの範囲に含まれる。 k=4のとき、2k=16なので、式Eの範囲からはずれる。 から、求める最大の整数は
3
だ。

解答ス:3

(3)

図D
大学入試センター試験2020年追試 数学ⅡB第1問[1] 解説図D

y=0になるのは、図Dのオレンジと赤の2つの点。
このt座標を求めるには、放物線の式(式B)にy=0を代入した
t2+16t48=0式F
を解けばよい。

式Fを解くと、
t216t+48=0
(t4)(t12)=0
より
t=4,12式F'
となる。

これをxで表す。
t=2xなので、式F'は
2x=4,12
と表せる。


底の21より大きいので、小さい方のx
2x=4
より
x=2
だ。

解答セ:2


大きい方は
2x=12
の両辺の対数をとって、
log22x=log212
より
xlog22=log24+log23
x=2+log23式G
とかける。

式Gの赤い部分の底を10に変換すると
log23=log103log102
とかける。

問題文より
log102=0.3010 log103=0.4771 なので、
log23=0.47710.3010
となるから、式Gは
x=2+0.47710.3010
と表せる。

これを計算して、
x3.58
より、正しい選択肢は

だ。

解答ソ:6