大学入試センター試験 2020年(令和2年) 追試 数学ⅠA 第2問 [2] 解説
(1)
まず、本文中の図1を見る。
図1より、進学率が
よって、散布図のうち、進学率が
残る 散布図⓪と③を見比べると、⓪は③と比べて点の分布が上に寄っている。
上下方向の分布の違いなので、就職率を確認しよう。
問題文中の就職率の図は箱ひげ図なので、箱ひげ図の復習から。
復習
ついでに、四分位数の復習もしておこう。
復習
第1四分位数
データの下位半分の中央値。データの大きさが奇数のときは、全体の中央値を除いて偶数にし、その下位半分の中央値をとる。
第2四分位数
中央値に等しい。データの大きさが偶数のときには、中央2数の平均値。
第3四分位数
データの上位半分の中央値。データの大きさが奇数のときは、全体の中央値を除いて偶数にし、その上位半分の中央値をとる。
四分位範囲
第3四分位数
(箱ひげ図の箱の部分の幅にあたる)
問題文中の図2を見ると、就職率の第1四分位数は
いま、データの大きさは都道府県数の
なので、⓪と③のうち、下から
両方の散布図とも、点の数は
なので、単に点を数えると、
⓪では、下から
以上より、正しい散布図は
③
である。
解答サ:3
(2)
選択肢をひとつずつ確認しよう。
1998年度,2003年度の進学率の箱ひげ図を見ると、左側のひげの方が右側よりも長い。
なので、誤り。
多分これが正しいけれど、念のために残りの選択肢も確認しておこう。
2003年度→2008年度は、就職率の四分位範囲(箱の幅)は増加している。
なので、誤り。
1978年度,2003年度,2008年度,2013年度は、明らかに進学率の四分位範囲の方が大きい。
なので、誤り。
1973年度の就職率の最小値は、
なので、誤り。
以上より、正しい選択肢は
①
である。
解答シ:1
(3)
問題文中の図4から、就職率についての最大最小値と各四分位数にあたる点を調べる。
データの大きさは
第1四分位数は、下から
それぞれの点を探すと、図Aのようになる。
図Aより、選択肢⑤の四分位範囲は
第3四分位数
なので不適。
図Aより、残る選択肢のうちで
解答ス:1
さらに、進学率の中央値は、点のうち左から(右からでもいいけど)
左から
進学率の目盛を見ると、この値は
選択肢のうち、これに当てはまるのは
③
の
解答セ:3
(4)
問題文中の図5を見ると、はっきりしないけれど、点は何となく図Bの青い線に沿って分布しているように見える。
青い部分は右下がりなので、負の相関が考えられる。
実際、問題文に「相関係数は
図Bの黒い点は、特に青い線によく沿っている。
よって、黒い点のおかげで負の相関が強くなっていると考えられる。
なので、この黒い点を除外すると、相関は弱くなる。
つまり、相関係数は
以上より、5つの点を除外したときの相関係数
であると推測できる。
解答ソ:2
(5)
平均値の2乗というと、まず思い出すのは、問題文中にも載っている分散の公式だ。
復習
データ
この式Aを使おう。
ここでは、データ
とかける。
これに、問題中の表1にある
となる。
式A'の赤い部分が、求めるツだ。
ところが、
仕方がないから、
分散の正の平方根が標準偏差なので、求めるのは
改めて問題中の表1を見ると、まだ使ってない値は
これを使って、
上のような値から思い出すのは、共分散から相関係数を求める式だ。
復習
相関係数
である。
ただし、
式Bを、この問題に合わせて書きなおすと
とかける。
これに、表1にあるそれぞれの値を代入して、
より
なので、これを四捨五入して、
となる。
解答タ:6, チ:4
ここまで来ると勝ったも同然。
式Cを式A'に代入だ。
より
なので、
であることが分かる。
これに最も近いのは、選択肢
②
の
解答ツ:2