大学入試センター試験 2020年(令和2年) 追試 数学ⅠA 第1問 [2] 解説
問題を解く準備
こういう問題は、決して頭の中だけで考えてはいけない。
必ず図や表にして、目で見ながら考えるようにしよう。
なので、最初にすることは、条件の集合を目に見える形にすることだ。
条件$p$を数直線で表すと、図Aができる。
また、条件$q$は
$|x-a| \gt 3$
より
$x-a \lt -3$,$3 \lt x-a$
なので
$x \lt a-3$,$a+3 \lt x$
とかけるから、数直線で表すと図Bができる。
この二つの図を見ながら、問題を解こう。
(1)
ここで、命題の真偽についての復習をしておく。
復習1
命題「仮定であれば結論である」について、
仮定 が 結論 に含まれていれば真
仮定 が 結論 からはみ出していれば偽
である。
つまり、仮定の集合を赤、結論の集合を青とすると、命題が真になるのは図Cのような場合。
また、命題が偽になるのは図Dのような場合だ。
反例は、仮定に含まれるけれど結論には含まれない部分にあたる。
なので、図Dの、赤い斜線はあるけど青い斜線がない部分が反例だ。
復習1より、命題「$p\Rightarrow q$」が真であるのは、
$p$の集合が$q$の集合に含まれるとき
つまり
図Aの緑の範囲がすべて図Bの紫の範囲に含まれるとき
である。
このとき、数直線は図Eまたは図Fのようになる。
図Eになるのは、
$a+3 \lt -1$
より
$a \lt -4$
図Fになるのは、
$3 \lt a-3$
より、
$6 \lt a$
のとき。
解答ソ:-, タ:4, チ:6
(2)
$a=6$のとき、数直線は図Gのような状態になる。
復習1より、命題「$p\Rightarrow q$」の反例は、
$p$の集合に含まれていて、$q$の集合に含まれない部分
つまり
緑に含まれていて、紫に含まれない部分
にあたる。
よって、反例は
$x=3$
のみである。
解答ツ:3
(3)
次は、必要条件・十分条件の問題だ。
このタイプの問題は
$p\Rightarrow q$ ×
$p\Leftarrow q$ ○
なので、必要条件
っていう感じで解くことが多いけど、○×の判定で混乱したり間違えたりすることが多い。
なので、真偽と同じように、図を描いて集合の大小で考えよう。
復習2
図Hで、
$p$は$q$の必要条件
$q$は$p$の十分条件
である。
つまり、片方の集合がもう片方に含まれるとき、
大きい集合は小さい集合の必要条件
小さい集合は大きい集合の十分条件
である。
「大は小の必要条件・小は大の十分条件。」
呪文のように憶えておこう。
図Iのようにふたつの集合が等しい場合は、必要十分条件となる。
図Jのように、片方がもう片方を含むような関係でない場合には、必要条件でも十分条件でもない。
$a=1$のとき、$p$と$q$の集合は図Kのようになる。
$\overline{p}$かつ$\overline{q}$は、数直線の$p$でも$q$でもない部分。
なので、図Kの赤い範囲にあたる。
図Kの赤い範囲と 条件$r$をひとつの数直線に描くと、図Lができる。
図Lを見ると、青い範囲は赤い範囲に含まれている。
ベン図にすると図Mのような状態である。
よって、復習2より、条件「$\overline{p}$かつ$\overline{q}$」は、条件$r$であるための
必要条件
である。
解答テ:0