大学入試センター試験 2020年(令和2年) 追試 数学ⅠA 第1問 [1] 解説

解説

(19+513)(19513)
を展開すると
192(513)2=3612513=361325=36 となる。

解答ア:3, イ:6

よって、
0<(19+513)(19513)式A
であることが分かる。

式Aの青い部分は正。
青い部分と赤い部分をかけて正なので、赤い部分も正だ。
なので、
0<19513
である。


ここで

α=19+513
β=19513

とおく。

このとき、

α2+β2=19+5132+195132

途中式 $α2+β2=19+513+19513=19+19
$α2+β2=38式B

αβ=19+51319513

途中式

αβ=(19+513)(19513)

アイより
(19+513)(19513)=36
なので、この式は
αβ=36

αβ=6式C

となる。

解答ウ:3, エ:8, オ:6


式B,式Cを使って、(α+β)2(αβ)2を求める。

(α+β)2=α2+2αβ+β2
に式B,式Cを代入すると、
(α+β)2=38+26=50

(αβ)2=α22αβ+β2
に式B,式Cを代入すると、
(αβ)2=3826=26

とかける。

解答カ:5, キ:0, ク:2, ケ:6


さらに、式D,式Eを使って、αβを求める。

式Dの両辺の平方根をとると
α+β=±50=±52 だけど、0<α+βなので、
α+β=52式D'

式Eの両辺の平方根をとると
αβ=±26
だけど、β<αより0<αβなので、
αβ=26式E'

である。


式D'と式E'を辺々たすと、

α +β = 52
+) α β = 26
2α = 52+26

となるので、
α=52+262
であることが分かる。

また、式D'から式E'を辺々引くと、

α +β = 52
) α β = 26
2β = 5226

となるので、
β=52262
であることが分かる。

解答コ:5, サ:2, シ:2, ス:6, セ:2

別解

シスの部分は、
α=19+513
の2重根号をはずして求めることもできる。

2重根号の計算の復習をすると、

復習

0<b<aのとき、
(a+b)±2ab=a±b

だった。


α=19+513
を復習の形にしよう。
つまり、
13の係数の52にする。

まず、邪魔な5を根号の中に入れる。
α=19+513=19+5213

さらに、この式の右辺に22をかけると。
α=219+52132=219+252132=38+252132 となる。

この分子の2重根号を、復習の考え方を使って計算する。
38+25213=a+b
とおくと、復習より

a+b=38式H1
ab=5213式H2

とかける。


b<aの範囲で考えると、式H2を満たす自然数abの組は、
(a,b)=(5213,1)(513,5)(52,13)
の3通り。

このうち、式H1にあてはまるのは
(a,b)=(52,13)
だ。

以上より、式Gは
α=25+132

途中式 α=5+132
分母を有理化して、
α=52+262
となる。

解答コ:5, サ:2, シ:2, ス:6, セ:2

アドバイス

式Fの段階で、2重根号の中を展開して
α=19+325
としてしまうと、かけて325になるabを見つけるはめになって大変だ。
「とりあえず展開」は絶対にやめよう

アドバイス

上の解説では、式Fの右辺に22をかけた。
必然的に分母は2になるから、あとで有理化しないといけない。

それを見越して、式Fの右辺に最初から22をかけるという方法もある。
この場合、式F以降は次のような計算になる。


式Fの右辺に22をかけて、
α=219+52132=2219+252132=238+252132 以下省略

ポイントは、式Iから式I'の変形で、222と考えて、2をひとつだけ根号の中に入れること。
2全部を入れてしまうと、式I'は
α=2219+2252132=76+2252132 より、復習の式に当てはめると

a+b=76
ab=25213式J

となって、式Jを満たす(a,b)の組が増えてしまい 計算が面倒になってしまう。