大学入試センター試験 2020年(令和2年) 追試 数学ⅠA 第2問 [1] 解説

アイ

まず、△$\mathrm{ABP}$で、$\mathrm{AB}$を求める問題。
$\mathrm{AP}$,$\mathrm{BP}$,$\sin\angle \mathrm{PAB}$が分かっている。
求めたい$\mathrm{AB}$とあわせて3辺と1角を使うから、余弦定理だ。

余弦定理なので、$\sin\angle \mathrm{PAB}$から$\cos\angle \mathrm{PAB}$をつくろう。

$\sin^{2}\angle \mathrm{PAB}+\cos^{2}\angle \mathrm{PAB}=1$より
$\displaystyle \left(\frac{2\sqrt{2}}{3}\right)^{2}+\cos^{2}\angle \mathrm{PAB}=1$

途中式 $\displaystyle \cos^{2}\angle \mathrm{PAB}=1-\frac{8}{3^{2}}$
$\displaystyle \cos^{2}\angle \mathrm{PAB}$$\displaystyle =\frac{1}{3^{2}}$
$\displaystyle \cos \angle \mathrm{PAB} =\pm\frac{1}{3}$
だけど、$\angle \mathrm{PAB}$が鋭角か鈍角かが分からないから、$\cos\angle \mathrm{PAB}$は$\displaystyle \frac{1}{3}$と$-\displaystyle \frac{1}{3}$のどちらか分からない。
仕方がないから両方計算して、$\mathrm{AB} \lt \mathrm{AP}$になる方が答えだ。


$\displaystyle \cos\angle \mathrm{PAB}=\frac{1}{3}$のとき

$\angle \mathrm{PAB}=\alpha$とおくと、$\alpha$は鋭角なので、△$\mathrm{ABP}$は図Aのような形になる。

図A
大学入試センター試験2020年追試 数学ⅠA第2問[1] 解説図A

この三角形に余弦定理を使うと、
$\mathrm{PB}^{2}=\mathrm{AB}^{2}+\mathrm{AP}^{2}-2\mathrm{AB}\cdot \mathrm{AP}\cdot\cos\angle \mathrm{PAB}$
より
$(2\displaystyle \sqrt{17})^{2}=\mathrm{AB}^{2}+6^{2}-2\mathrm{AB}\cdot 6\cdot\frac{1}{3}$

途中式 $2^{2}\cdot 17=\mathrm{AB}^{2}+2^{2}\cdot 3^{2}-2^{2}\mathrm{AB}$
$\mathrm{AB}^{2}-2^{2}\mathrm{AB}+2^{2}(3^{2}-17)=0$
$\mathrm{AB}^{2}-4\mathrm{AB}-2^{2}\cdot 8=0$
$(\mathrm{AB}-8)(\mathrm{AB}+4)=0$
$0 \lt \mathrm{AB}$なので、
$\mathrm{AB}=8$
である。

これは、$\mathrm{AB} \gt \mathrm{AP}$となるので不適。


$\displaystyle \cos\angle \mathrm{PAB}=-\frac{1}{3}$のとき

$\angle \mathrm{PAB}=\beta$とおくと、$\beta$は鈍角なので、△$\mathrm{ABP}$は図Bのような形になる。

図B
大学入試センター試験2020年追試 数学ⅠA第2問[1] 解説図B

この三角形に余弦定理を使うと、
$\mathrm{PB}^{2}=\mathrm{AB}^{2}+\mathrm{AP}^{2}-2\mathrm{AB}\cdot \mathrm{AP}\cdot\cos\angle \mathrm{PAB}$
より
$\displaystyle (2\sqrt{17})^{2}=\mathrm{AB}^{2}+6^{2}-2\mathrm{AB}\cdot 6\cdot\left(-\frac{1}{3}\right)$式A

途中式 $2^{2}\cdot 17=\mathrm{AB}^{2}+2^{2}\cdot 3^{2}+2^{2}\mathrm{AB}$
$\mathrm{AB}^{2}+2^{2}\mathrm{AB}+2^{2}(3^{2}-17)=0$
$\mathrm{AB}^{2}+4\mathrm{AB}-2^{2}\cdot 8=0$
$(\mathrm{AB}+8)(\mathrm{AB}-4)=0$
$0 \lt \mathrm{AB}$なので、
$\mathrm{AB}=4$式B
となる。

これは$\mathrm{AB} \lt \mathrm{AP}$なので、答えだ。
このとき、$\beta$は鈍角なので、$\angle \mathrm{PAB}$は鈍角である。

解答ア:4, イ:2

アドバイス

上の解説では、$\cos\angle \mathrm{PAB}$が$\displaystyle \frac{1}{3}$と$-\displaystyle \frac{1}{3}$の両方のときを真っ正直に計算した。
けれど、三角形の図が思い浮かべられれば、次のような考え方もできる。

$\sin\angle \mathrm{PAB}\neq 1$なので、$\angle \mathrm{PAB}$は直角じゃない。
$\angle \mathrm{PAB}$が鋭角のときの $\angle \mathrm{PAB}$を$\alpha$ 点$\mathrm{A}$を$\mathrm{A}_{\alpha}$ $\angle \mathrm{PAB}$が鈍角のときの $\angle \mathrm{PAB}$を$\beta$ 点$\mathrm{A}$を$\mathrm{A}_{\beta}$ とする。

このとき、
$\sin\alpha=\sin\beta$なので、
$\alpha+\beta=180^{\circ}$
$6 \lt 2\sqrt{17}$ だから、△$\mathrm{A}_{\alpha}\mathrm{BP}$(赤い三角形)と△$\mathrm{A}_{\beta}\mathrm{BP}$(緑の三角形)は図Cのような関係になる。

図C
大学入試センター試験2020年追試 数学ⅠA第2問[1] 解説図C

今回、$\mathrm{AB}$が答えか不適かを見分ける条件は、$\mathrm{AB} \lt \mathrm{AP}$を満たすかどうかということ。
なので、図Cの$\mathrm{A}_{\alpha}\mathrm{B}$と$\mathrm{A}_{\beta}\mathrm{B}$の短い方が答えになるはず。
よって、答えは$\mathrm{A}_{\beta}\mathrm{B}$で、$\displaystyle \cos\angle \mathrm{PAB}=-\frac{1}{3}$のときだ。

以上より、$\angle \mathrm{PAB}$は鈍角で、$\mathrm{AB}$は式A~式Bの計算をすればよい。

説明は長くなったけれど、図のイメージさえ思いつけば考えるのは一瞬だ。

ウエ

次に、図Dのように点Cをとり、$\mathrm{AC}$を求める。

図D
大学入試センター試験2020年追試 数学ⅠA第2問[1] 解説図D

△$\mathrm{ACP}$に余弦定理を使うんだけど、式A~式Bの計算を少し変えて再利用する。

$\mathrm{PC}^{2}=\mathrm{AC}^{2}+\mathrm{AP}^{2}-2\mathrm{AC}\cdot \mathrm{AP}\cdot\cos\angle \mathrm{PAC}$
より
$\displaystyle (3\sqrt{17})^{2}=\mathrm{AC}^{2}+6^{2}-2\mathrm{AC}\cdot 6\cdot\left(-\frac{1}{3}\right)$

途中式 $3^{2}\cdot 17=\mathrm{AC}^{2}+2^{2}\cdot 3^{2}+2^{2}\mathrm{AC}$
$\mathrm{AC}^{2}+2^{2}\mathrm{AC}+3^{2}(2^{2}-17)=0$
$\mathrm{AC}^{2}+4\mathrm{AC}-3^{2}\cdot 13=0$
$(\mathrm{AC}+13)(\mathrm{AC}-9)=0$
$0 \lt \mathrm{AC}$なので、
$\mathrm{AC}=9$
である。

よって、$\mathrm{BC}$は
$\mathrm{BC}=\mathrm{AC}-\mathrm{AB}$
$\mathrm{BC}$$=9-4$
$\mathrm{BC}$$=5$
となる。

解答ウ:9, エ:5

別解

ゼンゼンお薦めじゃないんだけど、を求めるのは 次のような方法もある。
図Aの点$\mathrm{A}$を$\mathrm{A}'$に変えて 図Dと重ねると、図Eができる。

図E
大学入試センター試験2020年追試 数学ⅠA第2問[1] 解説図E

図Eの$\mathrm{A}'\mathrm{B}$は、図Aの$\mathrm{AB}$にあたるので、
$\mathrm{A}'\mathrm{B}=8$
である。

$\mathrm{A}'\mathrm{A}=\mathrm{A}'\mathrm{B}-\mathrm{AB}$
より
$\mathrm{A}'\mathrm{A}=8-4$
$\mathrm{A}'\mathrm{A}$$=4$
となる。
さらに、△$\mathrm{PA'A}$は二等辺三角形なので、点$\mathrm{P}$から$\mathrm{A}'\mathrm{A}$に下ろした垂線の足を$\mathrm{D}$とすると、
$\displaystyle \mathrm{AD}=\frac{\mathrm{A}'\mathrm{A}}{2}$
$\mathrm{AD}$$=2$
である。


これを使って、$\mathrm{DP}$を求める。

直角三角形$\mathrm{ADP}$において、三平方の定理より、
$\mathrm{AD}^{2}+\mathrm{DP}^{2}=\mathrm{AP}^{2}$
とかける。

これを計算して、
$2^{2}+\mathrm{DP}^{2}=6^{2}$
より
$\mathrm{DP}^{2}=6^{2}-2^{2}$
       $=(6+2)(6-2)$
       $=8\cdot 4$
$0 \lt \mathrm{DP}$なので、
$\mathrm{DP}=4\sqrt{2}$式C
である。


これで、直角三角形$\mathrm{CDP}$の2辺が分かった。
残る$\mathrm{CD}$は、もう一回 三平方の定理だ。

直角三角形$\mathrm{CDP}$において、三平方の定理より、
$\mathrm{CD}^{2}+\mathrm{PD}^{2}=\mathrm{CP}^{2}$
なので
$\mathrm{CD}^{2}=\mathrm{CP}^{2}-\mathrm{PD}^{2}$
より
$\mathrm{CD}^{2}=(3\sqrt{17})^{2}-(4\sqrt{2})^{2}$
とかける。

これを計算して、
$\mathrm{CD}^{2}=9\cdot 17-16\cdot 2$
       $=121$
$0 \lt \mathrm{CD}$なので
$\mathrm{CD}=11$
である。


よって、問われている$\mathrm{AC}$は、
$\mathrm{AC}=\mathrm{CD}-\mathrm{AD}$
より
$\mathrm{AC}=11-2$
$\mathrm{AC}$$=9$

$\mathrm{BC}$は
$\mathrm{BC}=\mathrm{AC}-\mathrm{AB}$
$\mathrm{BC}$$=9-4$
$\mathrm{BC}$$=5$
となる。

解答ウ:9, エ:5

オ~ク

図F
大学入試センター試験2020年追試 数学ⅠA第2問[1] 解説図F

さらに、図Fの青い三角形の外接円の半径を求める。

外接円の半径$R$が含まれている公式は
正弦定理
$\displaystyle \frac{a}{\sin A}=\frac{b}{\sin B}=\frac{c}{\sin C}=2R$
三角形の面積の公式
$S=\displaystyle \frac{abc}{4R}$式D
の2つある。
どちらを使っても解けるので、せっかくだから両方解説する。

正弦定理を使った解法

まず、図Fの青い三角形のひとつの角の$\sin$を求める。
求めやすいのは$\sin\angle \mathrm{BCP}$だ。

図Fの△$\mathrm{ACP}$に正弦定理を使うと
$\displaystyle \frac{\mathrm{C}\mathrm{P}}{\sin \angle \mathrm{PAC}}=\frac{\mathrm{A}\mathrm{P}}{\sin\angle \mathrm{A}\mathrm{C}\mathrm{P}}$
より
$\displaystyle \frac{3\sqrt{17}}{\frac{2\sqrt{2}}{3}}=\frac{6}{\sin\angle \mathrm{A}\mathrm{C}\mathrm{P}}$
とかける。

これを解いて、
$3\displaystyle \sqrt{17}\sin\angle \mathrm{ACP}=6\cdot\frac{2\sqrt{2}}{3}$
$\displaystyle \sin\angle \mathrm{ACP}=\frac{6\cdot 2\sqrt{2}}{3\cdot 3\sqrt{17}}$
$\displaystyle \sin\angle \mathrm{ACP}$$\displaystyle =\frac{2\cdot 2\sqrt{2}}{3\sqrt{17}}$
なので、
$\displaystyle \sin\angle \mathrm{BCP}=\frac{2\cdot 2\sqrt{2}}{3\sqrt{17}}$
である。

ここまでの別解

$\sin\angle \mathrm{BCP}$を求めるのはの別解を使う方法もある。

図G
大学入試センター試験2020年追試 数学ⅠA第2問[1] 解説図G

の別解の式Cで求めたように、
$\mathrm{DP}=4\sqrt{2}$
だった。
これを図Eに書き込むと、図Gができる。

図Gのオレンジの直角三角形に着目すると、
$\sin\angle \mathrm{BCP}=\sin\angle \mathrm{DCP}$
$\displaystyle \sin\angle \mathrm{BCP}$$\displaystyle =\frac{\mathrm{D}\mathrm{P}}{\mathrm{C}\mathrm{P}}$
とかけるから
$\displaystyle \sin\angle \mathrm{BCP}=\frac{4\sqrt{2}}{3\sqrt{17}}$
である。

以上で求めた$\sin\angle \mathrm{BCP}$を使って、図F・図Gの青い三角形で正弦定理だ。

青い三角形の外接円の半径を$R$とすると、
$2R=\displaystyle \frac{\mathrm{B}\mathrm{P}}{\sin\angle \mathrm{B}\mathrm{C}\mathrm{P}}$
より
$2R=\displaystyle \frac{2\sqrt{17}}{\frac{2\cdot 2\sqrt{2}}{3\sqrt{17}}}$
とかける。

これを解いて、
$R=\displaystyle \frac{3\sqrt{17}^{2}}{2\cdot 2\sqrt{2}}$
$R$$\displaystyle =\frac{3\cdot 17}{4\sqrt{2}}$
分母を有理化して
$R=\displaystyle \frac{51\sqrt{2}}{8}$
である。

解答オ:5, カ:1, キ:2, ク:8

三角形の面積の公式を使った解法

△$\mathrm{ABP}$の面積は、
△$\displaystyle \mathrm{ABP}=\frac{1}{2}\mathrm{AB}\cdot \mathrm{AP}\sin\angle \mathrm{PAB}$
より
△$\displaystyle \mathrm{ABP}=\frac{1}{2}\cdot 4\cdot 6\cdot\frac{2\sqrt{2}}{3}$
△$\mathrm{ABP}$$=4\cdot 2\sqrt{2}$式E
である。

△$\mathrm{ABP}$と△$\mathrm{BCP}$は、高さが等しく底辺の比が$4:5$なので、面積比も
△$\mathrm{ABP}:$△$\mathrm{BCP}=4:5$
より
△$\displaystyle \mathrm{BCP}=\frac{5}{4}$△$\mathrm{ABP}$
とかける。

これに式Eを代入すると、
△$\displaystyle \mathrm{BCP}=\frac{5}{4}\cdot 4\cdot 2\sqrt{2}$
△$\mathrm{BCP}$$=5\cdot 2\sqrt{2}$
であることが分かる。

よって、図Fの青い三角形に式Dを使うと、
$S=\displaystyle \frac{abc}{4R}$
より
$5\displaystyle \cdot 2\sqrt{2}=\frac{5\cdot 2\sqrt{17}\cdot 3\sqrt{17}}{4R}$
と表せる。

これを解いて、
$R=\displaystyle \frac{5\cdot 2\sqrt{17}\cdot 3\sqrt{17}}{4\cdot 5\cdot 2\sqrt{2}}$
$R$$\displaystyle =\frac{\sqrt{2}\cdot\sqrt{17}\cdot 3\sqrt{17}}{4\cdot 2}$
より
$R=\displaystyle \frac{51\sqrt{2}}{8}$
である。

解答オ:5, カ:1, キ:2, ク:8

ケコ

図H
大学入試センター試験2020年追試 数学ⅠA第2問[1] 解説図H

これまでの図に△$\mathrm{PBC}$の外接円と外心$\mathrm{O}$を書き込むと、図Hができる。

図Hで
$\mathrm{AC}\cdot \mathrm{AB}=9\cdot 4$
$\mathrm{AC}\cdot \mathrm{AB}$$=36$
$\mathrm{AP}^{2}=6^{2}$
       $=36$
より$\mathrm{AC}\cdot \mathrm{AB}=\mathrm{AP}^{2}$なので、方べきの定理の逆より、直線$\mathrm{AP}$は外接円$\mathrm{O}$に点$\mathrm{P}$で接する。

つまり、
△$\mathrm{AOP}$は$\angle \mathrm{APO} = 90^{\circ}$の直角三角形 $\mathrm{OP}$は外接円の半径$R$ となる。

よって、三平方の定理から
$\mathrm{AO}^{2}=\mathrm{AP}^{2}+\mathrm{OP}^{2}$
より
$\mathrm{AO}^{2}=6^{2}+R^{2}$
$\mathrm{AO}^{2}-R^{2}=6^{2}$
               $=36$
である。

解答ケ:3, コ:6


上の解説のように、$\mathrm{AP}$⊥$\mathrm{OP}$に気づけばケコは簡単に求められるけど、気づかなければ仕方がない。
面倒だけれど、別解のような作業になる。

まず、外心について復習しておこう。

復習

大学入試センター試験2020年追試 数学ⅠA第2問[1] 復習図

右図のように、三角形の外接円の中心(外心)を$\mathrm{O}$とするとき、
3本の赤い線は等しい 3つの辺の垂直二等分線(緑の線)は外心で交わる

復習より、図Iのように 点$\mathrm{O}$は$\mathrm{BC}$の垂直二等分線上にある。
$\mathrm{BC}$の中点を$\mathrm{H}$とする。

別解1

図I
大学入試センター試験2020年追試 数学ⅠA第2問[1] 解説図I

図Iの青い直角三角形に三平方の定理を使うと
$\mathrm{AO}^{2}=\mathrm{AH}^{2}+\mathrm{OH}^{2}$
より
$\mathrm{AO}^{2}=\left(4+\frac{5}{2}\right)^{2}+\mathrm{OH}^{2}$式F
とかける。

また、黄色い直角三角形に三平方の定理を使うと
$\mathrm{OB}^{2}=\mathrm{BH}^{2}+\mathrm{OH}^{2}$
より
$R^{2}=\left(\frac{5}{2}\right)^{2}+\mathrm{OH}^{2}$式G
とかける。

式Fから式Gを辺々引いて、

$\mathrm{AO}^{2}$$=$$\left(4+\frac{5}{2}\right)^{2}$$+\mathrm{OH}^{2}$
$-)$$R^{2}$$=$$\left(\frac{5}{2}\right)^{2}$$+\mathrm{OH}^{2}$
$\mathrm{AO}^{2}-R^{2}$$=$$\left(4+\frac{5}{2}\right)^{2}-\left(\frac{5}{2}\right)^{2}$

より
$\mathrm{AO}^{2}-R^{2}=\left(4+\frac{5}{2}+\frac{5}{2}\right)\left(4+\frac{5}{2}-\frac{5}{2}\right)$
               $=(4+5)\times 4$
               $=36$
となる。

解答ケ:3, コ:6

アドバイス

くれぐれも、式Gの段階で$R$に$\displaystyle \frac{51\sqrt{2}}{8}$を代入して$\mathrm{OH}$を求めようとしてはいけない。
文字に値を代入するのは、文字のままだと それ以上計算が出来ない状態になってから。

別解2

これも お勧めというわけじゃないんだけど、せっかくだから もうひとつ解法を紹介しておく。

図J
大学入試センター試験2020年追試 数学ⅠA第2問[1] 解説図J

図Jの黄色い三角形は直角三角形なので、
$\displaystyle \cos\angle \mathrm{OBH}=\frac{\mathrm{B}\mathrm{H}}{\mathrm{O}\mathrm{B}}$
より
$\displaystyle \cos\angle \mathrm{OBH}=\frac{\frac{5}{2}}{R}$
$\displaystyle \cos\angle \mathrm{OBH}$$\displaystyle =\frac{5}{2R}$
である。

$\angle \mathrm{OBH}+\angle \mathrm{OBA}=180^{\circ}$なので、
$\cos\angle \mathrm{OBA}=-\cos\angle \mathrm{OBH}$
$\displaystyle \cos\angle \mathrm{OBA}$$\displaystyle =-\frac{5}{2R}$
となる。

図Jの緑の三角形に余弦定理を使うと
$\mathrm{AO}^{2}=\mathrm{AB}^{2}+\mathrm{OB}^{2}-2\mathrm{AB}\cdot \mathrm{OB}\cos\angle \mathrm{OBA}$
とかける。

これにそれぞれの値を代入すると
$\displaystyle \mathrm{AO}^{2}=4^{2}+R^{2}-2\cdot 4R\left(-\frac{5}{2R}\right)$
より
$\mathrm{AO}^{2}-R^{2}=4^{2}+4\cdot 5$
               $=36$
となる。

解答ケ:3, コ:6