大学入学共通テスト 2021年(令和3年) 本試 数学ⅡB 第5問 解説
(1)
正五角形のひとつの内角は
知っていればいいんだけど、知らない人もいるだろうし、多角形の内角の復習から始めよう。
復習
中学校で習った多角形の性質に、
どんな多角形でも、外角の和は
これを使うと、正五角形のひとつの外角は
なので、ひとつの内角は
となる。
このほかにもいくつかの解法がある。
3つ紹介したので、必要に応じて確認してほしい。
別解1
公式
内角の和
だった。
これを使うと、五角形の内角の和は
なので、ひとつの内角はこれを
となる。
別解2
外角の和の性質も 内角の和の公式も知らないときは、次のように考える。
正五角形の頂点を結んで、右図のように3つの三角形に分ける。
緑の角,赤い角,青い角ともに和は
である。
ひとつの内角はこれを
となる。
別解3
次のような考え方もある。
正五角形の各頂点から中心を結んで、右図のように5つの合同な三角形をつくる。
5つの赤い角は等しいので、赤い角ひとつは
である。
赤い角ひとつと緑の角ふたつで
だから、正五角形のひとつの内角は
となる。
正五角形のひとつの内角が分かったところで、問題を解く。
図Aの青い三角形は頂角
である。
よって、
となる。
解答ア:3, イ:6
また、図Aの青い三角形と緑の三角形は、ふたつの辺と間の角が等しいから合同だ。
なので、
青い角
だから、赤い角は
である。
よって、
となる。
以上より、錯角が等しいから
なので、
であることが分かる。
さらに、
で、
よって、
と表せる。
解答ウ:a
式Aを変形して、
なので、式A'は
とかける。
図Bで
赤い矢印
より
と表せる。
詳しく
ベクトルとは、移動のようなものだ。
例えば図Bの青い矢印は、かなり遠回りだけれど
なので、青いベクトルの和と赤いベクトルは等しいといえる。
式Aをつくったときと同様に考ると
とかける。
式A''で
今回もそれに合わせると、
途中式
となる。
解答エ:a オ:1
式A''
なので、
とかける。
これを解いて、
途中式
解の公式より
である。
(2) カ~サ
図Cで、オレンジの面上にある赤いベクトルは、青いベクトルの和と等しい。
よって、
とかける。
(1)で考えたように
なので、式Cは
と変形できる。
また、
なので、
とかける。
いま
なので、式Dは
となるから、
途中式
である。
解答カ:3, キ:5, ク:2
式Eをさらに変形すると、
より
となる。
いま、正十二面体の1辺の長さは
だから、式E'は
とかける。
これを計算して、
途中式
である。
解答ケ:1, コ:5, サ:4
(2) シ,ス
図Dで、緑の面上にある赤いベクトルは、青いベクトルの和と等しい。
よって、
とかける。
さっきと同じように考えると
なので、式Fは
と変形できる。
また、
すべて大きさが
なので、
であり、ケ~サより、
である。
ここで、
を考える。
式F'より、
これを計算して
式Gを代入して、
途中式
である。
解答シ:9
また、
に式C'を代入すると
これを計算すると
となるけど、この式の緑の部分は式Hで計算済み。
赤い部分を考えよう。
は、式F'より
とかける。
これを計算して
式Gと
これと式Hを式Iに代入して、
途中式
である。
解答ス:0
(2) セ
図Fで、赤いベクトルは、青いベクトルの和と等しい。
よって、
と表せる。
いま、
なので、
となるから、式Jは
とかける。
つまり、
の形で表せるので、点
また、
なので、四角形
さらに、スより
なので、
である。
以上より、紫の四角形は
正方形
であることが分かる。
解答セ:0