大学入学共通テスト 2021年(令和3年) 本試 数学ⅡB 第1問 [1] 解説
(1)
まず、三角関数の合成について考えておこう。
アドバイス
問題Aの関数のような式のとき、右のような図を描いて、機械的に
ってすることが多い。
けれど、今回は(2)で
ただし、この方法は時間がかかるので、考え方だけ知っておけばよい。
共通テスト本番では上のように機械的に解く方がおすすめだ。
問題Aの関数と加法定理の公式を並べてみる。
式A | |||||
式B |
ふたつの式を見比べると、緑の部分は等しい。
なので、もし 赤とオレンジの部分も等しくて
式C | ||
なら、式A
とかける。
だけど、式Cだと、
となり、
あり得ない値は困るので、何とかしよう。
式Dが
すると、
より
なので、
式C' | ||
なら、あり得る値であることが分かる。
このとき、式Bは
とかけるけど、式Aと見比べると、赤い部分もオレンジの部分も式Aの半分で等しくない。
ふたつの式が等しくないと困るので、何とかしよう。
赤い部分もオレンジの部分も半分になったのなら、
式B'の両辺に
式B''
となって、これなら式Aと同じ式だ。
以上より、式C'のとき、つまり
のとき、式A
と変形できる。
解答ア:3, イ:2
この関数の最大を求める。
とおくと、問題の関数は
とかける。
問題文にある
より
となるから、
このとき、
のとき。
これを
のとき。
解答ウ:6
最大値は、
である。
解答エ:2
(2) (i)
となる。
定義域は
なので、図Bの緑の部分だ。
このとき、
のとき。
解答オ:2
最大値は
である。
解答カ:1
(2) (ii)
(1)と同様に考える。
問題Bの関数の項の順序を入れ変えて、加法定理の公式と並べてみる。
式F | |||||
式G |
ふたつの式を見比べると、緑の部分は等しい。
なので、もし 赤とオレンジの部分も等しくて
式H | ||
なら、ふたつの式は完全に等しくなって、
とかける。
だけど、式Hだと、
となって、
あり得ない値は困るので、何とかしよう。
式Iが
すると、
より
なので、
式H' | ||
なら、あり得る値であることが分かる。
このとき、式Gは
式G'
となるけど、式Fと見比べると、赤い部分もオレンジの部分も式Fの
ふたつの式が等しくないと困るので、何とかしよう。
赤い部分もオレンジの部分も
式G'の両辺に
より
となって、これなら式Fと同じ式だ。
式F
と変形できる。
解答キ:9
このとき、式H'より、
である。
解答ク:1, ケ:3
この
の範囲に入る角だ。
さらに、式Jの最大を求める。
とおくと、式Jは
とかける。
より
となる。
さっき考えたように、
なので、
つまり、
詳しく
さっき考えたように、
なので、
である。
なので、式Lの左辺の
の範囲にあるから、第四象限の角だ。
また、式Lの右辺の
よって、
このとき、
のとき。
これを
のとき。
解答コ:1
最大値は、式J'に
である。
解答サ:9
(2) (iii)
(ii)と違うのは
問題Bの関数を
と変形し、さらに
とおいて
とするところまでは全く同じだ。
式H'(キクケ)より
なので、
であることが分かる。
よって、式Lの
詳しく
なので、
である。
なので、式Lの左辺の
の範囲にあるから、第三象限の角だ。
また、式Lの右辺の
よって、
このとき、
のとき。
のとき。
よって、問題Bの関数が最大になるのは
のときで、最大値は、問題Bの関数に
解答シ:2, ス:1