大学入学共通テスト 2021年(令和3年) 本試 数学ⅠA 第2問 [2] 解説
(1)
まず、箱ひげ図の復習をしておこう。
復習
四分位範囲
復習の内容を思い出したところで、選択肢をひとつずつ確認する。
2000年度までの第1次産業の四分位範囲は、図A中に黄色で表した部分。
図Aを見ると、下にゆくほど黄色の部分は幅が狭くなっている。
なので、正しい。
第1次産業のひげは、図A中に緑で表した部分。
左右のひげの長さを見比べると、例えば2000年度は、明らかに右のひげの方が長い。
なので、正しくない。
答えをひとつ見つけた。
1990年度以降の第2次産業の中央値は、図A中にオレンジで表した部分。
図Aを見ると、オレンジの線は下にゆくほど左に移動している。
なので、正しい。
第2次産業の第1四分位数は、図A中に紫で表した部分。
図Aを見ると、紫の線は1990年度が一番右にある。
下にゆくほどコンスタントに左に移動しているわけではないので、誤り。
ふたつ目の答えを見つけた。
答えは全部見つけたけれど、せっかくだから残りの選択肢も検討しておく。
第3次産業の第3四分位数は、図A中に青で表した部分。
図Aを見ると、青い線は下にゆくほど右に移動している。
なので、正しい。
第三次産業の最小値は、図A中に赤で表した部分。
図Aを見ると、赤い線は下にゆくほど右に移動している。
なので、正しい。
以上より、正しくない選択肢は
①③
である。
解答タチ:13(順不同)
(2)
ここで、四分位数について復習しておこう。
復習
値を左から小さい順に並べる。
中央値は、ちょうど真ん中にある数。値の数が偶数のときは、真ん中にある2個の値の平均値。
値の数が奇数のときは、中央値を除いて偶数にして、
左半分の中央値が、第1四分位数。
右半分の中央値が、第3四分位数。
都道府県の
よって、
第1四分位数は、左(小さい方)から12番目の都道府県の値
第3四分位数は、右(大きい方)から12番目の都道府県の値
である。
それから、確認しておくけれど、問題文中の図1の値は割合なので、整数とは限らない。てか、きっと整数じゃない。
なので、目盛線と重なっているように見える
1975年度の第3次産業の最大値
1985年度の第3次産業の最小値
などは、恐らく目盛線の左右どちらかにちょっとだけズレている。
以上のことを頭に置いて、問題を解こう。
また、解説の中では、
○以上△以下の階級
を
○~△の階級
と書くことにする。
選択肢のヒストグラムを見ると、第3次産業の最大値が
⓪,②,④では、
箱ひげ図を見ると、第3次産業の最大値が
1990年度,1995年度,2000年度
1980年度,1985年度と、1975年度もそうかも
だ。
なので、
①,③は、
1975年度,1980年度,1985年度のうちの2つ
⓪,②,④は、
1990年度,1995年度,2000年度
であることが分かる。
この2つのグループに分けて考える。
まず、①,③から。
1975年度,1980年度,1985年度の箱ひげ図と ①,③のヒストグラムをひとつの図にして、図Bをつくった。
ただし、ヒストグラムはデータの範囲だけ示してある。
図Bより、1975年度は、第1次産業の最大値が当てはまらないので ①でも③でもない。
なので、①,③の一方が1980年度、もう一方が1985年度になる。
だけど、第3次産業の最小値から、1980年度は①にはならない。
以上より、1985年度のヒストグラムは
①
である。
解答ツ:1
さらに、⓪,②,④だ。
①,③のときと同じように図Cをつくった。
図Cより、⓪は1990年度のヒストグラムだ。
なので、②,④の一方が1995年度、もう一方が2000年度になる。
図Cを見ても分かるように、この2つは第1次産業,第3次産業ともに 最大値も最小値も同じ階級に入っているから、見分けるためには面倒だけれど四分位数を使わないといけない。
箱ひげ図を見ると、第3次産業の第3四分位数(図Cの赤い線)は
1995年度では
復習より、第3四分位数は、大きい方から12番目の都道府県の値だ。
なので、②と④のヒストグラムを見て、大きい方から12番目が
以上より、1995年度のヒストグラムは
④
である。
解答テ:4
(3)
さらに、相関の強さと散布図について復習しておこう。
復習
点が直線状に分布
ただし、下の図のように、点が縦軸や横軸に平行な直線上に並んでいる場合は 相関係数は計算できなくて、相関が強いとは言わない。
問題文中の図2,図3を見ると、復習より
第1次産業と第2次産業では、1975年度の方が相関が強い
第2次産業と第3次産業では、2015年度の方が相関が強い
第3次産業と第1次産業では、1975年度の方が相関が強い
ことが分かる。
よって、正しい組合せは、選択肢の
⑤
である。
解答ト:5
(4)
問題文中の図4を図Dに示した。
ただし、レイアウトの都合上、縦方向に半分に縮小してある。
また、解説を簡潔にするために、横軸を
問題文を読むだけだと分かりにくいので、ちょっと作業してみよう。
図Dの赤い点の都道府県は、
この
男性の割合
なので、赤い点の都道府県の女性の
くらいになる。
求める散布図は、横軸が図Dと同じで、縦軸が女性の就業者割合だから、赤い都道府県の女性の点は
付近になることが分かる。
同様に緑の点を考えると、図Dでは
あたりなので、女性の点は
より
付近になる。
また、青い点は
より
付近になる。
この作業をしていると気づくけど、
男性の割合
なので、
男性の
男性の
また、女性の点の
よって、図Eのように、女性の点は男性の点と
の線(図Eの赤い線)に関して対称の位置にある。
以上より、求める女性の散布図は、問題文中の図4を上下反転した
②
である。
解答ナ:2