大学入学共通テスト 2021年(令和3年) 本試 数学ⅠA 第3問 解説
はじめに
事象の名前がいろいろ出てくるから、最初に整理しておく。
を表す。
(1)
(i)
はじめは、普通の反復試行の確率だ。
当たり率
つまり箱Aで事象
①
または
①
とかける。
これを計算して、
①
である。
解答ア:3, イ:8
また、当たり率
つまり箱Bで事象
②
または
②
とかける。
これを計算して、
②
である。
解答ウ:4, エ:9
(ii)
まず、条件付き確率の復習をしておこう。
復習
復習
である。
ということで、
を求めよう。
まず、
箱は無作為に選ぶので、どちらの箱も同じ確率で選ばれる。
なので、事象
の確率で起こる。
よって、
となる。
同様に、
である。
次は、事象
箱Aで
なので、
とかける。
これに式A,式Bを代入すると、
途中式
となる。
復習より、
とかける。
これに式A,式Cを代入して、
途中式
である。
解答オ:2, カ:7, キ:5, ク:9
同様に、
とかける。
これに式B,式Cを代入して、
途中式
となる。
解答ケ:3, コ:2, サ:5, シ:9
ケコサシの別解
復習より、
上にも書いたけど、事象
箱Aで事象
なので、
である。
これにオカキクを代入して、
より
となる。
解答ケ:3, コ:2, サ:5, シ:9
(2)
見比べやすいように、
式Dより、
式Eより、
アイより、
①
ウエより、
②
見比べると、
よって、
となる。
以上より、
解答ス:3
(3)
(1)(ii)と同様に考えよう。
(1)(i)より、
箱Aで
①
②
また、当たり率
③
途中式
である。
どの箱も、選ばれる確率は
なので、
とかける。
よって、事象
より
となるけど、
である。
以上より、求める条件付き確率
に式F,式Gを代入して、
途中式
となる。
解答セ:2, ソ:1, タ:6, チ:7, ツ:1, テ:5
別解
ちょっとフライング気味だけど、事実(*)を使うと次のようになる。
事実(*)より、
と考えられる。
また、
である。
このふたつの式から、
と表せる。
あとは計算だ。
①
③
なので、式Hは、
とかける。
分母分子に
解答セ:2, ソ:1, タ:6, チ:7, ツ:1, テ:5
(4)
最後は、
Aである確率
ただし、大小関係だけ分かればいいので、それぞれの確率を正直に求める必要はない。
箱Dで
となる。
この性質を使って、
これまでの計算から、
①
②
③
であるのは分かっている。
また、④は 当たり率
④
である。
①~④は分母がばらばらの分数なので、そのままでは比較ができない。
比較するためには、
小数にする
分母をそろえる(通分する)
分子をそろえる
の3つの方法が考えられるけど、分母や分子をそろえるのは数が大きくなって結構大変だ。
大小関係だけ分かればいいので、ここでは少数にして比較する。
①
②
③
④
なので、
②
であることが分かる。
よって、可能性が高い順に箱を並べると、
B,C,D,A
となる。
解答ト:8