大学入試センター試験 2017年(平成29年) 追試 数学ⅠA 第5問 解説
ア~キ
図Aにおいて、$\mathrm{BA}$は$\angle \mathrm{CBD}$の二等分線なので、
$\mathrm{AC}:\mathrm{AD}=\mathrm{BC}:\mathrm{BD}$
なので、
$2:\mathrm{AD}=3:\mathrm{BD}$
とかける。これを変形して、
$3\mathrm{AD}=2\mathrm{BD}$
両辺を$3\mathrm{BD}$で割って、
$\displaystyle \frac{3\mathrm{A}\mathrm{D}}{3\mathrm{B}\mathrm{D}}=\frac{2\mathrm{B}\mathrm{D}}{3\mathrm{B}\mathrm{D}}$
$\displaystyle \frac{\mathrm{A}\mathrm{D}}{\mathrm{B}\mathrm{D}}=\frac{2}{3}$式A
である。
解答ア:2, イ:3
図Aにおいて、○のついた角は等しいので、
△$\mathrm{DAB}$∽△$\mathrm{DBC}$
であり、相似比は
$\mathrm{AB}:\mathrm{BC}=2:3$
である。
よって、
$\mathrm{BD}:\mathrm{CD}=2:3$
$\displaystyle \frac{\mathrm{B}\mathrm{D}}{\mathrm{C}\mathrm{D}}=\frac{2}{3}$式B
である。
解答ウ:2, エ:3
問題文中の式
$\displaystyle \frac{\mathrm{A}\mathrm{D}}{\mathrm{C}\mathrm{D}}=\frac{\mathrm{A}\mathrm{D}}{\mathrm{B}\mathrm{D}}\cdot\frac{\mathrm{B}\mathrm{D}}{\mathrm{C}\mathrm{D}}$
に式A,式Bを代入して、
$\displaystyle \frac{\mathrm{A}\mathrm{D}}{\mathrm{C}\mathrm{D}}=\frac{2}{3}\cdot\frac{2}{3}$
$\displaystyle \frac{\mathrm{A}\mathrm{D}}{\mathrm{C}\mathrm{D}}$$\displaystyle =\frac{4}{9}$
より、
$9\mathrm{AD}=4\mathrm{CD}$式C
であることが分かる。
ここで、$\mathrm{AC}=2$なので、
$\mathrm{AD}=\mathrm{CD}-2$式D
とかけるから、これを式Cに代入して、
$9(\mathrm{CD}-2)=4\mathrm{CD}$
$9\mathrm{CD}-18=4\mathrm{CD}$
$5\mathrm{CD}=18$
$\displaystyle \mathrm{CD}=\frac{18}{5}$
である。
解答オ:1, カ:8, キ:5
アドバイス
式Dのかわりに
$\mathrm{CD}=\mathrm{AD}+2$
として、式Cに代入して$\mathrm{AD}$を求める方法も考えられるけど、問われているのが$\mathrm{CD}$なので、あんまりおすすめじゃない。
一生懸命に方程式を解いているうちに、求めなきゃいけないのは$\mathrm{CD}$ってことを忘れてしまうことが多いのだ。
今回は$\mathrm{AD}$だと問題文中のマスに合わないので気づくけど、それでもびっくりしたり計算間違いじゃないかって思ったり、入試本番で動揺することにつながりがち。
なので、可能な限り、問われている値を求める式を作ろう。
ク~シ
図Bにおいて、直線$\mathrm{EB}$は円$\mathrm{O}$の接線なので、接弦定理より
$\angle \mathrm{DBE}=\angle \mathrm{DCB}$
である。
また、図中の○のついた角は等しいので、
$\displaystyle \angle \mathrm{DBE}=\frac{1}{2}\angle \mathrm{ABE}$
である。
解答ク:1, ケ:2
このことから、$\mathrm{BD}$は$\angle \mathrm{ABE}$の二等分線なので、
$\mathrm{DA}:\mathrm{DE}=\mathrm{BA}:\mathrm{BE}$式E
であることが分かる。
$\mathrm{DA}=\mathrm{CD}-2$
オカキより$\displaystyle \mathrm{CD}=\frac{18}{5}$
なので、
$\displaystyle \mathrm{DA}=\frac{18}{5}-2$
$\displaystyle \mathrm{DA}$$\displaystyle =\frac{8}{5}$式F
である。
また、$\mathrm{BA}=2$なので、式Eは
$\displaystyle \frac{8}{5}:\mathrm{DE}=2:\mathrm{BE}$
とかける。
これを変形して、
$\displaystyle 2\mathrm{DE}=\frac{8}{5}\mathrm{BE}$
$\displaystyle \mathrm{DE}=\frac{4}{5}\mathrm{BE}$
両辺を$\mathrm{BE}$で割って、
$\displaystyle \frac{\mathrm{D}\mathrm{E}}{\mathrm{B}\mathrm{E}}=\frac{4}{5}$
である。
解答コ:4, サ:5
△$\mathrm{ABC}$について、$\angle \mathrm{A}$の外角は$\angle \mathrm{B}+\angle \mathrm{C}$なので、○$\times 2$。
クケの式から、$\angle \mathrm{ABE}$も○$\times 2$。
よって、△$\mathrm{EAB}$は二等辺三角形である。
以上より、
$\mathrm{BE}=\mathrm{AE}$
である。
解答シ:2
ス~ソ
ややこしくなってきたので、ちょっと整理しよう。
コサより、
$\mathrm{DE}:\mathrm{BE}=4:5$
シより、
$\mathrm{BE}=\mathrm{AE}$
式Fより、
$\displaystyle \mathrm{DA}=\frac{8}{5}$
であることが分かっている。
これを図に記入すると、図Cのようになる。
図Cより、
$\mathrm{AD}:\mathrm{DE}=1:4$
$\mathrm{DE}=4\mathrm{AD}$
$\displaystyle \mathrm{DE}$$\displaystyle =4\cdot\frac{8}{5}$
$\displaystyle \mathrm{DE}$$\displaystyle =\frac{32}{5}$
である。
解答ス:3, セ:2, ソ:5
タ~ツ
最後に$\mathrm{FM}$と$\mathrm{EF}$の比率を求める。
比率なので、まず相似が考えられるけど、$\mathrm{FM}$や$\mathrm{EF}$が辺である相似な図形は見当たらない。
なので、次に考えられるのはチェバの定理とメネラウスの定理だ。
図Dの赤い三角形と緑の線について、メネラウスの定理より、
$\displaystyle \frac{\mathrm{D}\mathrm{E}}{\mathrm{C}\mathrm{D}}\cdot\frac{\mathrm{F}\mathrm{M}}{\mathrm{E}\mathrm{F}}\cdot\frac{\mathrm{B}\mathrm{C}}{\mathrm{M}\mathrm{B}}=1$
とかける。
これに、それぞれの値を代入して、
$\displaystyle \frac{\frac{32}{5}}{2+\frac{8}{5}}\cdot\frac{\mathrm{F}\mathrm{M}}{\mathrm{E}\mathrm{F}}\cdot\frac{3}{\frac{3}{2}}=1$
$\displaystyle \frac{32}{18}\cdot\frac{\mathrm{F}\mathrm{M}}{\mathrm{E}\mathrm{F}}\cdot\frac{2}{1}=1$
$\displaystyle \frac{\mathrm{F}\mathrm{M}}{\mathrm{E}\mathrm{F}}=\frac{18}{32}\cdot\frac{1}{2}$
$\displaystyle \frac{\mathrm{F}\mathrm{M}}{\mathrm{E}\mathrm{F}}$$\displaystyle =\frac{9}{32}$
となる。
解答タ:9, チ:3, ツ:2