大学入試センター試験 2017年(平成29年) 追試 数学ⅠA 第3問 [1] 解説

アドバイス

大学入試センター試験2017年追試 数学ⅠA第3問[1] 解説図

確率の問題は、可能ならば表を書いて、見て考えるのがおすすめ。
だけど、この問題の場合は16列×16行の表になってしまうので、書くのもマスを数えるのも大変だし、センター試験本番では用紙も限られているからちょっと難しいかも。
なので、ここでは計算で解く方法を解説した。

(1)

1回目の試行で数字1が出る確率は
14
取り出したカードはもとに戻すので、2回目も1が出る確率は
14
両方起こらないと、2回続けて1が取り出されることにはならないので、かけ算をして、
1414=116
が求める確率である。

解答ア:1, イ:1, ウ:6


同様に、1回目の試行で奇数が出る確率は
24
2回目も奇数が出る確率は
24
これをかけて、
2424=14
となる。

解答エ:1, オ:4

(2)

問題文中に「少なくとも」とあるので、全体から反則の場合(排反事象)を引こう。
反則は、
全部数字1以外が出る 数字1が1回出る だ。

全部数字1以外が出る確率は
(34)4

数字1が1回出る確率は
14(34)34C1
または
14(34)34!3!

確率なので、全体は1

以上より、求める確率は
1{(34)4+14(34)34}

途中式 =134+33444=133(3+4)44=133744=1189256
=67256
である。

解答カ:6, キ:7, ク:2, ケ:5, コ:6

(3) サシス

こういう問題は、ひとつの例の確率を考えて、それに並べ替える場合の数をかける。

ひとつの例として
1234
の順に出る確率を考えると、
1回目に数字1が出る確率は
14
2回目に数字2が出る確率も
14
以下、3回目に数字3が出る確率も、4回目に数字4が出る確率も
14
なので、この例が起こる確率は
(14)4
である。

けれど、問題で問われているのは、4回の試行で1から4までのすべての数字が現れる確率なので、
1234
の順に出なくてもいい。
この4つの数字を並べ替える場合の数は
4!
である。

以上より、求める確率は
(14)44!=432144=3422=332 である。

解答サ:3, シ:3, ス:2

(3) セソタ

ここで、条件付き確率の復習をしておくと、

復習

事象Aが起こる確率をP(A)、事象Aと事象Bの両方が起こる確率をP(AB)とするとき、
Aが起こったときにBが起こる条件付き確率PA(B)は、
PA(B)=P(AB)P(A)
だった。

この問題の場合、
P(A)は4回繰り返してもどれかの数字が現れない確率確率A P(AB)は、5回目にはじめて4つの数字すべてが出る確率確率B なので、
ソタ=確率B確率A式A
だ。

確率Aはシスの余事象だから、
1332=2932式B
である。


一方、確率Bはちょっと考えないといけない。

5回目にはじめて4つの数字すべてが出るのは、
4回目の段階で、数字が3種類出ている事象B1 5回目に、残りの数字が出る事象B2 場合。
このそれぞれの確率を求めて、かけ算をしよう。

まず、事象B1の確率を求める。

数字が3種類出るから、ひとつの数字は2回出ないといけない。
2回出る数字の選び方は
4C1式C
通り。

残り2回は、別の数字が1回ずつ出ないといけない。
4つの数字のうち1つは「2回出る数字」に使ってしまったので、選び方は、
3C2式D
通り。

2回出る数字を□、1回ずつ出る数字を○と△で表すと、□□○△の順に出る確率は、
(14)21414式E

でも、出る順番は、□□○△の順でなくても、○□△□の順でも、別の順でもいい。
□□○△の並べ方は
4C22C1
または
4!2!式F

以上より、事象B1の確率は、式C,式D,式E,式Fをかけて、
4C13C2(14)214144!2!=43×432144×21=3242 である。

一方、事象B2の確率は
14式H
なので、式Aの分子の確率Bは
324214=3243式I
となる。


式Bと式Iを式Aに代入して、
ソタ=32432932

これを計算すると
ソタ=3243×432932×43=3229×2=958 となる。

解答セ:9, ソ:5, タ:8