大学入試センター試験 2017年(平成29年) 追試 数学ⅠA 第3問 [1] 解説

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大学入試センター試験2017年追試 数学ⅠA第3問[1] 解説図

確率の問題は、可能ならば表を書いて、見て考えるのがおすすめ。
だけど、この問題の場合は16列$\times$16行の表になってしまうので、書くのもマスを数えるのも大変だし、センター試験本番では用紙も限られているからちょっと難しいかも。
なので、ここでは計算で解く方法を解説した。

(1)

1回目の試行で数字1が出る確率は
$\displaystyle \frac{1}{4}$
取り出したカードはもとに戻すので、2回目も1が出る確率は
$\displaystyle \frac{1}{4}$
両方起こらないと、2回続けて1が取り出されることにはならないので、かけ算をして、
$\displaystyle \frac{1}{4}\cdot\frac{1}{4}=\frac{1}{16}$
が求める確率である。

解答ア:1, イ:1, ウ:6


同様に、1回目の試行で奇数が出る確率は
$\displaystyle \frac{2}{4}$
2回目も奇数が出る確率は
$\displaystyle \frac{2}{4}$
これをかけて、
$\displaystyle \frac{2}{4}\cdot\frac{2}{4}=\frac{1}{4}$
となる。

解答エ:1, オ:4

(2)

問題文中に「少なくとも」とあるので、全体から反則の場合(排反事象)を引こう。
反則は、
全部数字1以外が出る 数字1が1回出る である。

全部数字1以外が出る確率は
$\left(\frac{3}{4}\right)^{4}$

数字1が1回出る確率は
$\displaystyle \frac{1}{4}\cdot\left(\frac{3}{4}\right)^{3}\cdot {}_{4}\mathrm{C}_{1}$
または
$\displaystyle \frac{1}{4}\cdot\left(\frac{3}{4}\right)^{3}\cdot\frac{4!}{3!}$

確率なので、全体は$1$

以上より、求める確率は
$1-\left\{\left(\frac{3}{4}\right)^{4}+\frac{1}{4}\cdot\left(\frac{3}{4}\right)^{3}\cdot 4\right\}$

途中式 $=1-\displaystyle \frac{3^{4}+3^{3}\cdot 4}{4^{4}}$
$=1-\displaystyle \frac{3^{3}(3+4)}{4^{4}}$
$=1-\displaystyle \frac{3^{3}\cdot 7}{4^{4}}$
$=1-\displaystyle \frac{189}{256}$
$=\displaystyle \frac{67}{256}$
である。

解答カ:6, キ:7, ク:2, ケ:5, コ:6

(3) サシス

こういう問題は、ひとつの例の確率を考えて、それに並べ替える場合の数をかける。

ひとつの例として
1234
の順に出る確率を考えると、
1回目に数字1が出る確率は
$\displaystyle \frac{1}{4}$
2回目に数字2が出る確率も
$\displaystyle \frac{1}{4}$
以下、3回目に数字3が出る確率も、4回目に数字4が出る確率も
$\displaystyle \frac{1}{4}$
なので、この例が起こる確率は
$\left(\frac{1}{4}\right)^{4}$
である。

けれど、問題で問われているのは、4回の試行で1から4までのすべての数字が現れる確率なので、
1234
の順に出なくてもいい。
この4つの数字を並べ替える場合の数は
$4!$
である。

以上より、求める確率は
$\displaystyle \left(\frac{1}{4}\right)^{4}\cdot 4!=\frac{4\cdot 3\cdot 2\cdot 1}{4^{4}}$
$\displaystyle \left(\frac{1}{4}\right)^{4}\cdot 4!$$\displaystyle =\frac{3}{4^{2}\cdot 2}$
$\displaystyle \left(\frac{1}{4}\right)^{4}\cdot 4!$$\displaystyle =\frac{3}{32}$
である。

解答サ:3, シ:3, ス:2

(3) セソタ

ここで、条件付き確率の復習をしておくと、

復習

事象$A$が起こる確率を$P(A)$、事象$A$と事象$B$の両方が起こる確率を$P(A\cap B)$とするとき、
$A$が起こったときに$B$が起こる条件付き確率$P_{A}(B)$は、
$P_{A}(B)=\displaystyle \frac{P(A\cap B)}{P(A)}$
だった。

この問題の場合、
$P(A)$は4回繰り返してもどれかの数字が現れない確率確率A $P(A\cap B)$は、5回目にはじめて4つの数字すべてが出る確率確率B なので、
$\displaystyle \frac{\text{セ}}{\text{ソタ}}=\frac{\text{確率B}}{\text{確率A}}$式A
だ。

確率Aはサシスの余事象だから、
$1-\displaystyle \frac{3}{32}=\frac{29}{32}$式B
である。


一方、確率Bはちょっと考えないといけない。

5回目にはじめて4つの数字すべてが出るのは、
4回目の段階で、数字が3種類出ている事象B1 5回目に、残りの数字が出る事象B2 場合。
このそれぞれの確率を求めて、かけ算をしよう。

まず、事象B1の確率を求める。

数字が3種類出るから、ひとつの数字は2回出ないといけない。
2回出る数字の選び方は
${}_{4}\mathrm{C}_{1}$式C
通り。

残り2回は、別の数字が1回ずつ出ないといけない。
4つの数字のうち1つは「2回出る数字」に使ってしまったので、選び方は、
${}_{3}\mathrm{C}_{2}$式D
通り。

2回出る数字を□、1回ずつ出る数字を○と△で表すと、□□○△の順に出る確率は、
$\displaystyle \left(\frac{1}{4}\right)^{2}\cdot\frac{1}{4}\cdot\frac{1}{4}$式E

でも、出る順番は、□□○△の順でなくても、○□△□の順でも、別の順でもいい。
□□○△の並べ方は
${}_{4}\mathrm{C}_{2}\cdot {}_{2}\mathrm{C}_{1}$
または
$\displaystyle \frac{4!}{2!}$式F

以上より、事象B1の確率は、式C,式D,式E,式Fをかけて、
${}_{4}\mathrm{C}_{1}\displaystyle \cdot {}_{3}\mathrm{C}_{2}\cdot\left(\frac{1}{4}\right)^{2}\cdot\frac{1}{4}\cdot\frac{1}{4}\cdot\frac{4!}{2!}$
$=\displaystyle \frac{4\cdot 3\times 4\cdot 3\cdot 2\cdot 1}{4^{4}\times 2\cdot 1}$
$=\displaystyle \frac{3^{2}}{4^{2}}$式G
である。

一方、事象B2の確率は
$\displaystyle \frac{1}{4}$式H
なので、式Aの分子の確率Bは
$\displaystyle \frac{3^{2}}{4^{2}}\cdot\frac{1}{4}=\frac{3^{2}}{4^{3}}$式I
となる。


式Bと式Iを式Aに代入して、
$\displaystyle \frac{\text{セ}}{\text{ソタ}}=\frac{\frac{3^{2}}{4^{3}}}{\frac{29}{32}}$

途中式 $\displaystyle \frac{\text{せ}}{\text{ソタ}}$$\displaystyle =\frac{\frac{3^{2}}{4^{3}}\times 4^{3}}{\frac{29}{32}\times 4^{3}}$
$\displaystyle \frac{\text{せ}}{\text{ソタ}}$$\displaystyle =\frac{3^{2}}{29\times 2}$
$\displaystyle \frac{\text{せ}}{\text{ソタ}}$$\displaystyle =\frac{9}{58}$
である。

解答セ:9, ソ:5, タ:8