大学入試センター試験 2017年(平成29年) 追試 数学ⅠA 第2問 [3] 解説

問題文中の、A組の得点とwの差の2乗の和の式を展開すると、
=(x1w)2+(x2w)2++(xmw)2
   ={x122x1w+(w)2}+{x222x2w+(w)2}+
              +{xm22xmw+(w)2}
   =(x12+x22++xm2)
           2w(x1+x2++xm)
              +{(w)2+(w)2++(w)2}
   =(x12+x22++xm2)
         2w(x1+x2++xm)+m(w)2式A
とかける。

また、問題文中のSA2の式を変形すると、
SA2=1m(x12+x22++xm2)(x)2
1m(x12+x22++xm2)=SA2+(x)2
x12+x22++xm2=m{SA2+(x)2}式B
となる。

さらに、A組の平均点xは、
x=1m(x1+x2++xm)
である。これを変形すると、
x1+x2++xm=mx式C
となる。


式Aの赤い部分は式Bと、青い部分は式Cと等しいから、それぞれ代入して、
=(x1w)2+(x2w)2++(xmw)2
   =m{SA2+(x)2}2wmx+m(w)2
これを変形すると、
=m{SA2+(x)22wx+(w)2}
   =m{SA2+(xw)2}
   =mSA2+m(xw)2
となるので、正解は③である。

解答チ:3

以上より、A組の得点とwの差の2乗の和は
mSA2+m(xw)2式D
とかける。

このことから、B組の得点とwの差の2乗の和は、式Dの
組の分散SASB 組の平均点xy 組の人数mn おきかえた、
nSB2+n(yw)2式E
であると考えられる。

分散は偏差の2乗の平均なので、得点とwの差の2乗の平均。
また、
A組の得点とwの差の2乗の和は式D B組の得点とwの差の2乗の和は式E だから、式Dと式Eをたして、人数(m+n)で割れば、分散S2になる。
よって、
S2=式D+式Em+n式F
とかける。


式がややこしくて面倒なので、式Fの分子の、式D+式E の部分だけ計算すると、
分子=mSA2+m(xw)2+nSB2+n(yw)2
      =mSA2+m{(x)22xw+(w)2}
               +nSB2+n{(y)22yw+(w)2}
      =mSA2+m(x)22mxw+m(w)2
               +nSB2+n(y)22nyw+n(w)2
      =mSA2+nSB2+m(x)2+n(y)2
               +m(w)2+n(w)22mxw2nyw
      =mSA2+nSB2+m(x)2+n(y)2+(m+n)(w)2
               2w(mx+ny)式G

ここで、式Gの赤い部分について考えてみると、
mxはA組の人数×平均点だから、A組の合計点 nyはB組の人数×平均点だから、B組の合計点 なので、mx+nyは両方の組の合計点である。
よって、
mx+ny=(m+n)w
とかける。

これを式Gに代入して、
分子=mSA2+nSB2+m(x)2+n(y)2
               +(m+n)(w)22w(m+n)w
      =mSA2+nSB2+m(x)2+n(y)2
               +(m+n)(w)22(m+n)(w)2
      =mSA2+nSB2+m(x)2+n(y)2(m+n)(w)2
なので、式Fとあわせて、
S2=mSA2+nSB2+m(x)2+n(y)2(m+n)(w)2m+n
となる。
よって、正解は④である。

解答ツ:4