大学入試センター試験 2015年(平成27年) 本試 数学ⅡB 第4問 解説

(1)

問題文を図にすると、図Aのようになる。

図A
大学入試センター試験2015年本試 数学ⅡB第4問 解説図A

まず、OPを求めよう。
点Pは辺ABを2:1に内分する点なので、
OP=a+2b2+1=a+2b3式A

解答ア:1, イ:3, ウ:2

OQは、
OB=b, OC=a+b
OQ=(1t)OB+tOCに代入して、
OQ=(1t)b+t(a+b)
OQ=ta+b式B

解答エ:-


次は内積である。

ab=|a||b|cosAOB
ab=1112
ab=12式C

解答オ:1, カ:2

さらに、OPOQなので、
OPOQ=0式D

解答キ:0

以上からtを求める。

式Dに式A・式Bを代入して、
a+2b3(ta+b)=0
(a+2b)(ta+b)=0
taa+(2t+1)ab+2bb=0
ここで、αα=|α|2なので、
t|a|2+(2t+1)ab+2|b|2=0

問題文より|a|=|b|=1、式Cよりab=12なので、
t+2t+12+2=0
両辺2倍して
2t2t+1+4=0
4t=5
t=54式E
となる。

解答ク:5, ケ:4


次は|OP|, |OQ|だ。

式Aより、
|OP|=|a+2b3|
両辺を2乗すると、|α|2=ααなので
|OP|2=a+2b3a+2b3
|OP|2=19(|a|2+4ab+4|b|2)
問題文より|a|=|b|=1、式Cよりab=12なので、
|OP|2=19(12+412+412)
|OP|2=79

0<|OP|なので、
|OP|=73式F
である。

解答コ:7, サ:3

式Eを式Bに代入して
OQ=54a+b
|OQ|=|54a+b|

両辺を2乗すると、
|OQ|2=(54a+b)(54a+b)
|OQ|2=(54)2|a|2254ab+|b|2

問題文より|a|=|b|=1、式Cよりab=12なので、
|OQ|2=(54)21225412+12
通分して、
|OQ|2=5254+4242
|OQ|2=2142
0<|OQ|なので、
|OQ|=214式G
である。

解答シ:2, ス:1, セ:4


これでようやく三角形の面積の計算ができる。
OPOQなので、12(底辺×高さ)より、
S1=12|OP||OQ|

式F・式Gより|OP|=73, |OQ|=214なので
S1=1273214
S1=1273734
S1=7324
である。

解答ソ:7, タ:3, チ:2, ツ:4

(2)

図B
大学入試センター試験2015年本試 数学ⅡB第4問 解説図B

図Bに必要な情報を整理してみた。これを見ながら問題を解いてゆこう。

OT=rORを使うために、まずORを求めよう。
OR=3OB+OC1+3
OB=b, OC=a+bなので、
OR=3ba+b4
OR=a+4b4
OR=14a+b

ここで、OT=rORなので、
OT=r(14a+b)
OT=14ra+rb式H

次はOT=(1s)OP+sOQの部分だ。

式A・式B'より
OP=a+2b3, OQ=54a+bなので、
OT=(1s)a+2b3+s(54a+b)
OT=(1s)a3+2(1s)b35s4a+sb
通分して、
OT=4(1s)a35sa34+2(1s)b+3sb3
OT=(44s15s)a34+(22s+3s)b3
OT=419s34a+s+23b式I

式H=式I, a0, b0, abなので、
{14r=419s34r=s+23
である。あとは連立方程式を解く。

下の式を上の式に代入して、
14s+23=419s34
両辺34倍して、
(s+2)=419s
18s=6
s=13

これを下の式に代入して、
r=13+23
分母分子に3をかけて、
r=1+69
r=79式J

アドバイス

今回は質問されているからr, s両方計算したけれど、OTを求めるだけならr, sの片方が分かればよい。

解答テ:7, ト:9, ナ:1, ニ:3

以上より、OTは式Jを式Hに代入して、
OT=1479a+79b
OT=736a+79b

解答ヌ:-, ネ:7, ノ:3, ハ:6, ヒ:7, フ:9


さて、ここで問題文の
OT=rOR=(1s)OP+sOQ
の意味を考えてみよう。
OT=rORより、OTORr=79倍、つまり
|OT|:|OR|=79:1=7:9
であることが分かる。

さらに
OT=(1s)OP+sOQs=13より、点Tは線分PQを13:113に内分した点、つまり
PT:QT=13:113=1:2
よって、
PT:PQ=1:3
であることが分かる。

図C
大学入試センター試験2015年本試 数学ⅡB第4問 解説図C

図Cに必要な情報だけまとめてみた。

問われているのはS1:S2なので、緑の三角形とピンクの三角形の面積比だ。
ここで、
△OPT:△OPR=7:9
なので、
△OPT:ピンクの三角形=7:2
だから、△OPTの面積をSとすると、ピンクの三角形の面積は27Sとなる。

また、
△OPT:緑の三角形=1:3
なので、△OPTの面積をSとすると、緑の三角形の面積は3Sである。

以上より、
緑の三角形とピンクの三角形の面積比S1:S2は、
S1:S2=3S:27S
S1:S2=21:2
であることが分かる。

解答ヘ:2, ホ:1