大学入試センター試験 2015年(平成27年) 本試 数学ⅠA 第2問 [2] 解説

解説

図A
大学入試センター試験2015年本試 数学ⅠA第2問[2] 解説図A

初めのうちは、単に計算をするだけの問題が続く。

160
余弦定理

図Aで、余弦定理より、
$\mathrm{AC}^{2}=3^{2}+5^{2}-2\cdot 3\cdot 5\cos 120^{\circ}$
$\mathrm{AC}^{2}$$=3^{2}+5^{2}-2\cdot 3\cdot 5\cdot\left(-\frac{1}{2}\right)$
$\mathrm{AC}^{2}$$=49$
$0 \lt \mathrm{AC}$より
$\mathrm{AC}=7$

解答オ:7

149
三角比の拡張

$\sin\angle \mathrm{ABC}=\sin 120$°$=\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2}$

解答カ:3, キ:2

160
正弦定理

正弦定理より、
$\displaystyle \frac{\mathrm{A}\mathrm{B}}{\sin\angle \mathrm{B}\mathrm{C}\mathrm{A}}=\frac{\mathrm{A}\mathrm{C}}{\sin\angle \mathrm{A}\mathrm{B}\mathrm{C}}$
なので、
$\displaystyle \frac{3}{\sin\angle \mathrm{B}\mathrm{C}\mathrm{A}}=\frac{7}{\frac{\sqrt{3}}{2}}$
$\displaystyle \sin\angle \mathrm{BCA}=\frac{3\sqrt{3}}{14}$

解答ク:3, ケ:3, コ:1, サ:4


図B
大学入試センター試験2015年本試 数学ⅠA第2問[2] 解説図B

図Bで、点Pが線分BD上を動くとき、△$\mathrm{APC}$の外接円(青い円)の半径の範囲を求める問題である。
まず外接円の半径$R$を求めよう。

正弦定理より、
$2R=\displaystyle \frac{\mathrm{A}\mathrm{P}}{\sin \mathrm{C}}$
$R=\displaystyle \frac{\mathrm{A}\mathrm{P}}{2\sin \mathrm{C}}$式A
なので、$\displaystyle \frac{\mathrm{A}\mathrm{P}}{2\sin \mathrm{C}}$の最大値・最小値を求めればよい。

$\mathrm{AP}$の値は変わるけど、図Bから、最大値は$3\sqrt{3}$なのは明らか。
なので、$R$の最大値$R_{max}$は、式Aより
$R_{max}=\displaystyle \frac{3\sqrt{3}}{2\sin \mathrm{C}}$

28
繁分数式の計算

分数の割り算は、逆数のかけ算なので、
$R_{max}=\displaystyle \frac{3\sqrt{3}}{2}\cdot\frac{14}{3\sqrt{3}}$
$R_{max}$$=7$

解答セ:7

説明の都合上最大値を先に求めた。
次は最小値だ。
APが最小になるときのPをP'とすると、図Cのように、P'は点AからCDにおろした垂線の足である。

図C
大学入試センター試験2015年本試 数学ⅠA第2問[2] 解説図C

ここから解法はいくつか考えられるけど、そのうちの次のふたつを解説する。 解法1おすすめ
△$\mathrm{APC}$において、$\displaystyle \sin\angle \mathrm{C}=\frac{\mathrm{A}\mathrm{P}'}{\mathrm{A}\mathrm{C}}$であることを利用する。
解法2
△$\mathrm{ABP}$が$\angle \mathrm{B}=60$°の直角三角形であることを利用する。

解法1

復習

図D
大学入試センター試験2015年本試 数学ⅠA第2問[2] 解説図D

三角比の単元で一番最初に教わったことを思い出す。
図Dで、
$\displaystyle \sin \mathrm{A}=\frac{a}{b}$
だった。

142
正弦・余弦・正接

図Cで同じように考えて、
$\displaystyle \sin \mathrm{C}=\frac{\mathrm{A}\mathrm{P}'}{\mathrm{A}\mathrm{C}}$
$\displaystyle \sin \mathrm{C}$$\displaystyle =\frac{\mathrm{A}\mathrm{P}'}{7}$

これを式Aに代入する。分数の割り算は逆数のかけ算なので、$R$の最小値$R_{min}$は、

$R_{min}=\displaystyle \frac{\mathrm{A}\mathrm{P}'}{2}\cdot\frac{7}{\mathrm{A}\mathrm{P}'}$
$R_{min}$$=\displaystyle \frac{7}{2}$
となる。

解答シ:7, ス:2

ほかではあまり使わない考え方だけど、センター試験ではよく使うので知っておいてほしい。

解法2

143
直角三角形と三角比

△$\mathrm{ABP}'$に注目する。$\angle \mathrm{B}=60$°, $\angle \mathrm{P}'=\angle \mathrm{R}$なので、
$\mathrm{P}'\mathrm{B}:\mathrm{BA}:\mathrm{AP}'=1:2:\sqrt{3}$
よって、
$\mathrm{AP}':\mathrm{AB}=\sqrt{3}:2$
$\displaystyle \mathrm{AP}'=\frac{3\sqrt{3}}{2}$

これを式Aに代入する。分数の割り算は逆数のかけ算なので、$R$の最小値$R_{min}$は、

$R_{min}=\displaystyle \frac{1}{2}\cdot\frac{3\sqrt{3}}{2}\cdot\frac{14}{3\sqrt{3}}$
$R_{min}=\displaystyle \frac{7}{2}$
である。

解答シ:7, ス:2