大学入試センター試験 2015年(平成27年) 本試 数学ⅡB 第1問 [2] 解説

問題を解く準備

説明のために、最初に名前をつけておく。

$x\sqrt{y^{3}}=a$式A
$\sqrt[3]{x}y=b$式B

(1)

連立方程式を解くとは、文字の種類を減らすこと。式A・式Bをそれぞれ変形して、$x,\ y$を消そう。

9
指数法則

式Aを両辺2乗して、
$x^{2}y^{3}=a^{2}$式A'

式Bを両辺3乗して、
$xy^{3}=b^{3}$式B'

$\displaystyle \frac{\text{式A}'}{\text{式B}'}$より、
$\displaystyle \frac{x^{2}y^{3}}{xy^{3}}=\frac{a^{2}}{b^{3}}$
238
指数法則
左辺を約分して、
$x=\displaystyle \frac{a^{2}}{b^{3}}$式C
$x$$=a^{2}b^{-3}$
である。

解答ス:2, セ:-, ソ:3

$y$は、求めた$x$を式B'に代入してもよいけど、次のように別に求めてもたいした手間ではない。

$\displaystyle \frac{\text{式B}'}{\text{式A}}$より、
$\displaystyle \frac{xy^{3}}{x\sqrt{y^{3}}}=\frac{b^{3}}{a}$
左辺を約分して、
$\displaystyle \sqrt{y^{3}}=\frac{b^{3}}{a}$
両辺2乗して、
$y^{3}=\displaystyle \frac{b^{6}}{a^{2}}$
$y=\displaystyle \frac{b^{2}}{a^{\frac{2}{3}}}$
$y$$=a^{-\frac{2}{3}}b^{2}$式D
となる。

解答タ:2, チ:-, ツ:2, テ:3

(2)

問題文のセソトナタニの行を見ると、$b$が消えている。なので、$b=2\sqrt[3]{a^{4}}$を代入して$b$を消そう。

式Cに$b=2\sqrt[3]{a^{4}}$を代入して、
$x=\displaystyle \frac{a^{2}}{\left(2\sqrt[3]{a^{4}}\right)^{3}}$
$x\displaystyle $$\displaystyle =\frac{a^{2}}{2^{3}a^{4}}$
$x\displaystyle $$\displaystyle =\frac{1}{2^{3}a^{2}}$式E
$x$$=2^{-3}a^{-2}$
である。

解答ト:-, ナ:2

式Dに$b=2\sqrt[3]{a^{4}}$を代入して、
$y=a^{-\frac{2}{3}}\left(2\sqrt[3]{a^{4}}\right)^{2}$
$y$$=a^{-\frac{2}{3}}\cdot 2^{2}a^{\frac{8}{3}}$
$y$$=2^{2}a^{\left(-\frac{2}{3}+\frac{8}{3}\right)}$
$y$$=2^{2}a^{2}$式F
となる。

解答ニ:2

54
相加平均≧相乗平均を
利用した最大・最小

問題文より$0 \lt a$なので、式Eは、
$x=\displaystyle \frac{1}{2^{3}a^{2}} \gt 0$
式Fは、
$y=2^{2}a^{2} \gt 0$
だから、
$\left\{\begin{array}{l}
0 \lt x\\
0 \lt y
\end{array}\right.$
となる。なので、相加平均と相乗平均の関係が使える。

復習

相加平均と相乗平均の関係の式は、
$x+y\geqq 2\sqrt{xy}$
ただし、$\left\{\begin{array}{l}
0 \lt x\\
0 \lt y
\end{array}\right.$
だった。

これに式E・Fを代入して、
$x+y\geqq 2\sqrt{\frac{2^{2}a^{2}}{2^{3}a^{2}}}$
$x+y\displaystyle $$\displaystyle \geqq\frac{2}{\sqrt{2}}$
$x+y$$\geqq\sqrt{2}$
よって、$x+y$は最小値$\sqrt{2}$。

解答ヌ:2

復習

相加平均と相乗平均の関係で、最小値になるのは等号成立のとき。

つまり、$x=y$のとき。
なので、$x=y$となるときを求めよう。

$x=y$に式E・Fを代入して、
$\displaystyle \frac{1}{2^{3}a^{2}}=2^{2}a^{2}$
両辺に$a^{2}$をかけて$2^{2}$で割ると、
$\displaystyle \frac{1}{2^{5}}=a^{4}$
$0 \lt a$より、
$a=\displaystyle \frac{1}{\sqrt[4]{2^{5}}}$
$a\displaystyle $$\displaystyle =\frac{1}{2^{\frac{5}{4}}}$
$a$$=2^{-\frac{5}{4}}$
になる。

解答ネ:-, ノ:5, ハ:4