大学入試センター試験 2014年(平成26年) 本試 数学ⅠA 第3問 解説

ア~サ

142
正弦・余弦・正接

まず△ABCの図を描くのだけれど、その前にcosABC=14の意味を考えておこう。
cosは、直角三角形で底辺斜辺だった。なので、cosθ=14なら、図Aのような直角三角形が考えられる。
これをこの問題にあてはめて考えると、△ABCは図Aの直角三角形を2個くっつけた、図Bの三角形であることが分かる。

図A
大学入試センター試験2014年本試 数学ⅠA第3問 解説図A  
図B
大学入試センター試験2014年本試 数学ⅠA第3問 解説図B

図ができたところで、問題にかかろう。

図Bより、AC=4

解答ア:4

160
余弦定理

三角形ABCにおいて、余弦定理より、
BC2=AB2+AC22ABACcosBAC
22=42+42242cosBAC
cosBAC=42+4222242
cosBAC=4+4124
cosBAC=78

解答イ:7, ウ:8

142
三角比の相互関係(1)

sin2θ+cos2θ=1なので、
sin2BAC+(78)2=1
sin2BAC=827282
sin2BAC=(87)(8+7)82
sin2BAC=1582
0<sinBACなので、
sinBAC=158

解答エ:1, オ:5, カ:8

160
正弦定理

次は外接円の半径Rだ。
三角形ABCに正弦定理を使って、
asinBAC=2R
2R=2158
分母分子を8倍して、
2R=2815
R=815
R=81515

解答キ:8, ク:1, ケ:5, コ:1, サ:5

(1)

点がかなり増えたので、いったん図を整理した。(図C)

図C
大学入試センター試験2014年本試 数学ⅠA第3問 解説図C

この部分は、解法が十分説明になるので、どんどん解いてゆく。

282
三角形の角の二等分線と比

AEABCの二等分線だから、
AE:CE=BA:BC
AE:CE=4:2
AE:CE=2:1
なので、
AE=422+1
AE=83

解答シ:8, ス:3

△ABEで余弦定理を使うと、
BE2=AB2+AE22ABAEcosBAE
BE2=42+(83)2248378
通分して、
BE2=423232+8232247333
共通因数を出して
BE2=2432(232+873)
BE2=24325
BE2=41032

0<BEなので、
BE=2103

解答セ:2, ソ:1, タ:0, チ:3

ADBAEの二等分線だから、
BD:ED=AB:AE
BD:ED=4:83
BD:ED=3:2
なので、
BD=210333+2
BD=2105

解答ツ:2, テ:1, ト:0, ナ:5

(2)

ここまでで図を整理すると、図Dになる。

図D
大学入試センター試験2014年本試 数学ⅠA第3問 解説図D

三角形の面積比(相似)

問題の△EBC(赤い三角形)と△EAF(青い三角形)は相似で、相似比は
BE:AE=2103:83
BE:AE=10:4
面積比は相似比の2乗なので、
EBC:EAF=102:42
EBC:EAF=5:8
となるから、
8EBC=5EAF
EBC=58EAF

解答ニ:5, ヌ:8

(3)

図E
大学入試センター試験2014年本試 数学ⅠA第3問 解説図E

図Eの3本の赤い線の長さを比べるのだけれど、それぞれが2辺となっている三角形を考える。


まず、FAとFCについて考えよう。
三角形は△FAC(緑の斜線の三角形)を使うしかないから、∠FACと∠FCAの大小が分かればよい。

BFは∠ABEの二等分線なので、
∠FBA=∠FBC
同じ弧の円周角は等しいので、
∠FBA=∠FCA
∠FBC=∠FAC
以上より、図Eの●をつけた角はすべて等しい。
よって、
∠FAC=∠FCA
となるので、
FA=FC


次に、FAとFDについて考える。
三角形は△FAD(青い斜線の三角形)を使うしかないから、∠FADと∠FDAの大小が分かればよい。

AHは∠BACの二等分線なので、
∠BAH=∠CAH
∠CAH=○とすると、
FAD=○+●

△ABHに注目すると、
BAH+ABH=90
なので、
○+●+●=90

△DBHに注目すると、
BDH+DBH=90
DBH=●なので、
BDH=○+●

対頂角は等しいので、
FDA=○+●

よって、
∠FAD=∠FDA
となるので、
FA=FD


以上より、
FA=FC=FD
であることが分かる。

解答ネ:4