大学入試センター試験 2012年(平成24年) 追試 数学ⅡB 第4問 解説

(1)

図A
大学入試センター試験2012年追試 数学ⅡB第4問 解説図A

この問題では、基準になるベクトルがOP=pOQ=qなので、原点は点O
MLは始点が原点じゃないベクトルなので、終点へのベクトル始点へのベクトルより、
ML=OLOM=23OPaOQ=23paq である。

解答ア:2, イ:3, ウ:a

別解

MLは始点も終点も基準になるベクトルの上にあるので、単純に点M→点O→点Lと移動すると考えて作ると、
ML=MO+OL=OM+OL=aOQ+23OP=aq+23p=23paq である。

解答ア:2, イ:3, ウ:a


上のMLの式の両辺の絶対値をとって2乗すると、
|ML|2=|23paq|2
|a|2=aaなので、
|ML|2=(23paq)(23paq)=2233|p|2223apq+a2|q|2 ここで、|p|=1|q|=2POQ=90よりpq=0だから、
|ML|2=223312+a222=2233(12+32a2)=2233(1+9a2) 0<|ML|より、
|ML|=231+9a2式B
である。

解答エ:2, オ:3, カ:9

(2)

MN=ONOM={(1b)OP+bOQ}aOQ=(1b)p+bqaq=(1b)p+(ba)q である。

解答キ:b, ク:b, ケ:a

MLMNなので、
MLMN=0式D
である。

解答コ:0


次はbだけど、問題文に
MLMN=であるから」
とあるので、きっと内積から計算するのだろうと想像がつく。

式A,式CからMLMNの内積を求めると、
MLMN=(23paq){(1b)p+(ba)q}=23(1b)|p|2+{23(ba)a(1b)}pqa(ba)|q|2 ここで、|p|=1|q|=2pq=0だから、
MLMN=23(1b)12a(ba)22=23(1b)4a(ba)

これに式Dを代入して、
23(1b)4a(ba)=0

途中式 (1b)6a(ba)=0
1b6ab+6a2=0
b+6ab=1+6a2
(1+6a)b=1+6a2
b=1+6a21+6a式E
である。

解答サ:6, シ:1, ス:6


次は|MN|だけど、|ML|を求めたときと同じことをしよう。
式Cの両辺の絶対値をとって2乗すると、
|MN|2=|(1b)p+(ba)q|2
|a|2=aaなので、
|MN|2={(1b)p+(ba)q}{(1b)p+(ba)q}=(1b)2|p|2+2(1b)(ba)pq+(ba)2|q|2 ここで、|p|=1|q|=2pq=0だから、
|MN|2=(1b)2+4(ba)2
これに式Eを代入して、
|MN|2=(11+6a21+6a)2+4(1+6a21+6aa)2

途中式 |MN|2=(1+6a1+6a1+6a21+6a)2+4(1+6a21+6aa(1+6a)1+6a)2=(1+6a16a21+6a)2+4(1+6a2a6a21+6a)2=(6a6a21+6a)2+4(1a1+6a)2=(6a(1a)1+6a)2+4(1a1+6a)2=(6a)2(1a1+6a)2+4(1a1+6a)2=(1a1+6a)2{(6a)2+4}=(1a1+6a)222{(3a)2+1}
|MN|2=22(1a1+6a)2(9a2+1)
0<|MN|より、
|MN|=21a1+6a9a2+1=2(1a)1+6a1+9a2 となる。

解答セ:2, ソ:1, タ:9

(3)

LMNQOPなので、
ML:MN=OQ:OP
問題より、OP=1OQ=2なので、
ML:MN=2:1
ML=2MN
となるから、
|ML|=2|MN|
である。

解答チ:2

これに式B,式Fを代入して、
231+9a2=22(1a)1+6a1+9a2
ここで、1+9a20なので、両辺を1+9a2で割って、
23=22(1a)1+6a
13=2(1a)1+6a

AB=CDのとき、AD=BCなので、
1+6a=32(1a)
1+6a=66a
12a=5
a=512
となる。

解答ツ:5, テ:1, ト:2

これを式Eに代入して、
b=1+6(512)21+6512=1+522121+6512 分母分子に212をかけて、
b=212+52212+265

途中式 b=24+2524+60=4984
b=712
である。

解答ナ:7, ニ:1, ヌ:2


ここまでの内容を図Bにまとめた。
図Bでは、分かりやすいようにRLNの内分点としてあるが、s<0または1<sのときは外分点になる。

図B
大学入試センター試験2012年追試 数学ⅡB第4問 解説図B

RLNs:1sに内分または外分するので、
OR=(1s)OL+sON=(1s)23OP+s5OP+7OQ7+5=(1s)812p+s5p+7q12

途中式 OR=112{8(1s)p+5sp+7sq}=112{(88s+5s)p+7sq}=112{(83s)p+7sq}=(812312s)p+712sq
OR=(23s4)p+712sq式G
となる。

解答ネ:2, ノ:3, ハ:4


ここからは、よく見る交点の位置ベクトルの問題。
ひとつのベクトルを2通りに表して、連立方程式に持ち込むアレだ。

ROQ上にあるとき、tを実数として、
OR=tOQ=tq とかける。

これが式Gと等しくなるので、
(23s4)p+712sq=tq
と表せるから、
{23s4=0712s=t
である。

今はtは必要ないので、上の式だけ解くと、
23=s4
3s=8
s=83
となる。

解答ヒ:8, フ:3