大学入試センター試験 2012年(平成24年) 追試 数学ⅠA 第4問 解説
アドバイス
この問題では、
解法1
表を書いて解く。おすすめだけど、あまり一般的ではないかも。
解法2
計算で解く。一般的な解法だけど、ちょっと面倒。
の2通りの解法が考えられる。
流れが全然違うので、別に解説する。ただし、(3)についてはどちらの解法でも共通の解き方になるので、ページの最後で解説した。
解法1:ア~キ
まず表を書く。
A | B | C | D | E | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 1 | 2 | 3 | 1 | 2 | 3 | 1 | 2 | 3 | 1 | 2 | 3 | ||
A | 1 | - | ||||||||||||||
2 | - | |||||||||||||||
3 | - | |||||||||||||||
B | 1 | - | ||||||||||||||
2 | - | |||||||||||||||
3 | - | |||||||||||||||
C | 1 | - | ||||||||||||||
2 | - | |||||||||||||||
3 | - | |||||||||||||||
D | 1 | - | ||||||||||||||
2 | - | |||||||||||||||
3 | - | |||||||||||||||
E | 1 | - | ||||||||||||||
2 | - | |||||||||||||||
3 | - |
2枚のカードの出る順は関係ないので、表の左下半分は考えなくてもいい。
見やすいように、オレンジのマスは3$\times$3マスを1ブロックとして、ブロックごとに色を変えてある。
表Aより、マスの数は、数Bの範囲だけど等差数列の和の公式を使って、
$14+13+12+\cdots+3+2+1$
$=\displaystyle \frac{1}{2}\cdot 14(14+1)$
$=7\cdot 15$
$=105$
より、105通り。
解答ア:1, イ:0, ウ:5
別解
和の公式を使わずに、単純にマスを数えると、
オレンジ色のマスが
$9$マス$\times 10$ブロック
青いマスが
$3$マス$\times 5$ブロック
合わせて
$9\cdot 10+3\cdot 5=105$
である。
解答ア:1, イ:0, ウ:5
カードに書かれている文字が同じなのは、表Aの青い部分。
なので、場合の数は
$3\times 5=15$
より、15通り。
解答エ:1, オ:5
カードに書かれている文字が異なるのは、表Aのオレンジの部分。
アイウより、全部のマスは105個。
エオより、青いマスは15個。
よって、文字が異なる場合の数は
$105-15=90$
より、90通り。
解答カ:9, キ:0
別解
余事象を使わずにオレンジのマスを数えると、9マスのブロックが10個あるので、
$9\times 10=90$
より、90通り。
解答カ:9, キ:0
解法1:(1)
表Aに得点を書き込んで、表Bを作った。
A | B | C | D | E | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 1 | 2 | 3 | 1 | 2 | 3 | 1 | 2 | 3 | 1 | 2 | 3 | ||
A | 1 | - | 2 | 3 | 2 | 3 | 4 | 2 | 3 | 4 | 2 | 3 | 4 | 2 | 3 | 4 |
2 | - | 3 | 3 | 4 | 5 | 3 | 4 | 5 | 3 | 4 | 5 | 3 | 4 | 5 | ||
3 | - | 4 | 5 | 6 | 4 | 5 | 6 | 4 | 5 | 6 | 4 | 5 | 6 | |||
B | 1 | - | 2 | 3 | 2 | 3 | 4 | 2 | 3 | 4 | 2 | 3 | 4 | |||
2 | - | 3 | 3 | 4 | 5 | 3 | 4 | 5 | 3 | 4 | 5 | |||||
3 | - | 4 | 5 | 6 | 4 | 5 | 6 | 4 | 5 | 6 | ||||||
C | 1 | - | 2 | 3 | 2 | 3 | 4 | 2 | 3 | 4 | ||||||
2 | - | 3 | 3 | 4 | 5 | 3 | 4 | 5 | ||||||||
3 | - | 4 | 5 | 6 | 4 | 5 | 6 | |||||||||
D | 1 | - | 2 | 3 | 2 | 3 | 4 | |||||||||
2 | - | 3 | 3 | 4 | 5 | |||||||||||
3 | - | 4 | 5 | 6 | ||||||||||||
E | 1 | - | 2 | 3 | ||||||||||||
2 | - | 3 | ||||||||||||||
3 | - |
表Bには得点を全部書き込んでいるけれど、オレンジも青もブロック単位で同じパターンが繰り返されているだけだから、センター試験本番だと1ブロック分だけ書き込めばよい。
得点が6点になる確率は、表Bより
6点のマスは、オレンジのブロックあたり1個。
オレンジのブロックは10個。
アイウより、マスは全部で105個。
なので、
$\displaystyle \frac{1\cdot 10}{105}=\frac{2}{21}$
である。
解答ク:2, ケ:2, コ:1
得点が5点になる確率は、表Bより
5点のマスは、オレンジのブロックあたり2個。
オレンジのブロックは10個。
アイウより、マスは全部で105個。
なので、
$\displaystyle \frac{2\cdot 10}{105}=\frac{4}{21}$
である。
解答サ:4, シ:2, ス:1
得点が4点になる確率は、表Bより
4点のマスは、オレンジのブロックあたり3個。
オレンジのブロックは10個。
アイウより、マスは全部で105個。
なので、
$\displaystyle \frac{3\cdot 10}{105}=\frac{6}{21}$式A
$\displaystyle \frac{3\cdot 10}{105}$$\displaystyle =\frac{2}{7}$
である。
解答セ:2, ソ:7
解法1:(2)
得点が3点になる確率は、表Bより
オレンジのブロックに
ブロックあたり2個。
ブロックは10個。
青いブロックに
ブロックあたり2個。
ブロックは5個。
アイウより、マスは全部で105個。
なので、
$\displaystyle \frac{2\cdot 10+2\cdot 5}{105}=\frac{2\cdot 2+2}{21}$
$\displaystyle \frac{2\cdot 10+2\cdot 5}{105}$$\displaystyle =\frac{2\cdot 3}{21}$式B
$\displaystyle \frac{2\cdot 10+2\cdot 5}{105}$$\displaystyle =\frac{2}{7}$
である。
解答タ:2, チ:7
得点が2点になる確率は、表Bより
オレンジのブロックに
ブロックあたり1個。
ブロックは10個。
青いブロックに
ブロックあたり1個。
ブロックは5個。
アイウより、マスは全部で105個。
なので、
$\displaystyle \frac{1\cdot 10+1\cdot 5}{105}=\frac{2+1}{21}$
$\displaystyle \frac{2\cdot 10+2\cdot 5}{105}$$\displaystyle =\frac{3}{21}$
$\displaystyle \frac{2\cdot 10+2\cdot 5}{105}$$\displaystyle =\frac{1}{7}$
である。
解答ツ:1, テ:7
別解
この部分は、余事象を使っても解ける。
得点は2,3,4,5,6のいずれかにしかならない。
クケコより、6点である確率は$\displaystyle \frac{2}{21}$ サシスより、5点である確率は$\displaystyle \frac{4}{21}$ 式Aより、4点である確率は$\displaystyle \frac{6}{21}$ 式Bより、3点である確率は$\displaystyle \frac{6}{21}$
以上より、得点が2点になる確率は、
$1-\displaystyle \frac{2+4+6+6}{21}=\displaystyle \frac{21-18}{21}$
$1-\displaystyle \frac{2+4+6+6}{21}$$=\displaystyle \frac{3}{21}$
$1-\displaystyle \frac{2+4+6+6}{21}$$=\displaystyle \frac{1}{7}$
である。
解答ツ:1, テ:7
解法2:ア~キ
15枚のカードから2枚取り出すので、
${}_{15}\mathrm{C}_{2}=\displaystyle \frac{15\cdot 14}{2\cdot 1}$
${}_{15}\mathrm{C}_{2}$$=15\cdot 7=105$式C
より、105通り。
解答ア:1, イ:0, ウ:5
カードに書かれている文字が同じ場合、
文字が同じになるのは、A-A,B-B,C-C,D-D,E-Eの5パターン。
A-Aが出るのは、A1,A2,A3の3枚のカードから2枚出ればよいので、${}_{3}\mathrm{C}_{2}$通り。
同様に、B-BもC-CもD-DもE-Eも${}_{3}\mathrm{C}_{2}$通りなので、文字が同じになる場合の数は
${}_{3}\mathrm{C}_{2}\times 5={}_{3}\mathrm{C}_{1}\times 5$
${}_{3}\mathrm{C}_{2}\times 5$$=15$
となり、15通り。
解答エ:1, オ:5
「カードに書かれている文字が異なる場合」の余事象は、「文字が同じ場合」。
なので、全体から文字が同じ場合を引き算しよう。
アイウより、すべての場合の数は105通り。
エオより、文字が同じ場合は15通り。
よって、文字が異なる場合の数は
$105-15=90$
より、90通り。
解答カ:9, キ:0
別解
余事象を使わずに解くと以下のようになる。
例として、A-Bが出る場合を考えよう。
Aのカードの選び方は、A1,A2,A3の3通り。
Bのカードの選び方も、B1,B2,B3の3通り。
よって、A-Bが出る場合の数は$3\times 3$通り。
今はA-Bが出る場合を考えたけれど、B-Cが出てもA-Eが出てもよい。
出てもよい文字の組み合わせは、A,B,C,D,Eの5文字から2文字選べばよいので、${}_{5}\mathrm{C}_{2}$通り。
B-Cが出る場合の数も、A-Eが出る場合の数も、A-Bが出る場合の数と変わらないので、異なる文字のカードが出る場合の数は
${}_{5}\mathrm{C}_{2}\displaystyle \times 3\times 3=\frac{5\cdot 4\cdot 3\cdot 3}{2\cdot 1}$
${}_{5}\mathrm{C}_{2}\times 3\times 3$$=5\cdot 2\cdot 3\cdot 3$
${}_{5}\mathrm{C}_{2}\times 3\times 3$$=90$
なので、90通り。
解答カ:9, キ:0
解法2:(1)
得点が6点になるのは、
2枚のカードの文字が異なる
数字がともに3である
場合のみ。
カードの文字の選び方は、5つの文字から2つ選べばよいので、${}_{5}\mathrm{C}_{2}$通り。 数字の選び方は、3-3の1通り。 すべての場合の数は、式Cより$15\cdot 7$通り。
以上より、得点が6点になる確率は、
$\displaystyle \frac{{}_{5}\mathrm{C}_{2}\times 1}{15\cdot 7}=\frac{\frac{5\cdot 4}{2\cdot 1}}{15\cdot 7}$式D
$\displaystyle \frac{{}_{5}\mathrm{C}_{2}\times 1}{15\cdot 7}$$\displaystyle =\frac{5\cdot 2}{15\cdot 7}$
$\displaystyle \frac{{}_{5}\mathrm{C}_{2}\times 1}{15\cdot 7}$$\displaystyle =\frac{2}{3\cdot 7}$
$\displaystyle \frac{{}_{5}\mathrm{C}_{2}\times 1}{15\cdot 7}$$\displaystyle =\frac{2}{21}$
である。
解答ク:2, ケ:2, コ:1
得点が5点になるのは、
2枚のカードの文字が異なる
数字が3-2または2-3である
場合のみ。
アドバイス
ここで、3-2と2-3は同じじゃんとか思うかもしれないけれど、違うんだ。
2枚のカードの文字がAとBだったとき、
3-2は、A3-B2が出るって意味
2-3は、A2-B3が出るって意味
で、別の場合になる。
カードの文字の選び方は、5つの文字から2つ選べばよいので、${}_{5}\mathrm{C}_{2}$通り。
数字の選び方は2通り。
すべての場合の数は、式Cより$15\cdot 7$通り。
以上より、得点が5点になる確率は、
$\displaystyle \frac{{}_{5}\mathrm{C}_{2}\times 2}{15\cdot 7}$
これは式Dの2倍なので、
$=\displaystyle \frac{2}{3\cdot 7}\times 2$
$=\displaystyle \frac{4}{21}$
である。
解答サ:4, シ:2, ス:1
得点が4点になるのは、
2枚のカードの文字が異なる
数字が3-1または2-2または1-3である
場合のみ。
カードの文字の選び方は、5つの文字から2つ選べばよいので、${}_{5}\mathrm{C}_{2}$通り。 数字の選び方は3通り。 すべての場合の数は、式Cより$15\cdot 7$通り。
以上より、得点が4点になる確率は、
$\displaystyle \frac{{}_{5}\mathrm{C}_{2}\times 3}{15\cdot 7}$
これは式Dの3倍なので、
$=\displaystyle \frac{2}{3\cdot 7}\times 3$式E
$=\displaystyle \frac{2}{7}$
である。
解答セ:2, ソ:7
解法2:(2)
得点が3点になるのは、
パターン1
2枚のカードの文字が異なる
数字が2-1または1-2である
パターン2
2枚のカードの文字が同じ
大きい方の数字が3
の2パターンある。
パターン1のとき、
カードの文字の選び方は、5つの文字から2つ選べばよいので、${}_{5}\mathrm{C}_{2}$通り。
数字の選び方は2通り。
すべての場合の数は、式Cより$15\cdot 7$通り。
以上より、パターン1の確率は、
$\displaystyle \frac{{}_{5}\mathrm{C}_{2}\times 2}{15\cdot 7}$
これは式Dの2倍なので、
$=\displaystyle \frac{4}{3\cdot 7}$A
である。
パターン2のとき、
カードの文字の選び方は、5つの文字から1つ選ぶので、${}_{5}\mathrm{C}_{1}$通り。
数字の選び方は3-1と3-2の2通り。
すべての場合の数は、式Cより$15\cdot 7$通り。
以上より、パターン2の確率は、
$\displaystyle \frac{{}_{5}\mathrm{C}_{1}\times 2}{15\cdot 7}=\frac{5\cdot 2}{15\cdot 7}$式F
$\displaystyle \frac{{}_{5}\mathrm{C}_{1}\times 2}{15\cdot 7}$$\displaystyle =\frac{2}{3\cdot 7}$B
である。
以上より、得点が3点になる確率は、AとBをたして、
$\displaystyle \frac{4}{3\cdot 7}+\frac{2}{3\cdot 7}=\frac{6}{3\cdot 7}$式G
$\displaystyle \frac{4}{3\cdot 7}+\frac{2}{3\cdot 7}$$\displaystyle =\frac{2}{7}$
である。
解答タ:2, チ:7
得点は2,3,4,5,6のいずれかにしかならない。
クケコより、6点である確率は$\displaystyle \frac{2}{21}$ サシスより、5点である確率は$\displaystyle \frac{4}{21}$ 式Eより、4点である確率は$\displaystyle \frac{6}{21}$ 式Gより、3点である確率は$\displaystyle \frac{6}{21}$
以上より、得点が2点になる確率は、
$1-\displaystyle \frac{2+4+6+6}{21}$
$=\displaystyle \frac{21-18}{21}$
$=\displaystyle \frac{3}{21}$
$=\displaystyle \frac{1}{7}$
である。
解答ツ:1, テ:7
別解
おすすめではないけれど、余事象を使わずに解くと以下のようになる。
得点が2点になるのは、
パターン1
2枚のカードの文字が異なる
数字がともに1である
パターン2
2枚のカードの文字が同じ
大きい方の数字が2
の2パターンある。
パターン1のとき、
カードの文字の選び方は、5つの文字から2つ選べばよいので、${}_{5}\mathrm{C}_{2}$通り。
数字の選び方は、1-1の1通り。
すべての場合の数は、式Cより$15\cdot 7$通り。
以上より、パターン1の確率は、
$\displaystyle \frac{{}_{5}\mathrm{C}_{2}\times 1}{15\cdot 7}$
これは式Dと同じなので、
$=\displaystyle \frac{2}{3\cdot 7}$C
である。
パターン2のとき、
カードの文字の選び方は、5つの文字から1つ選ぶので、${}_{5}\mathrm{C}_{1}$通り。
数字の選び方は、2-1の1通り。
すべての場合の数は、式Cより$15\cdot 7$通り。
以上より、パターン2の確率は、
$\displaystyle \frac{{}_{5}\mathrm{C}_{1}\times 1}{15\cdot 7}$
これは式Fの$\displaystyle \frac{1}{2}$なので、
$=\displaystyle \frac{1}{3\cdot 7}$D
である。
以上より、得点が2点になる確率は、CとDをたして、
$\displaystyle \frac{2}{3\cdot 7}+\frac{1}{3\cdot 7}=\frac{3}{3\cdot 7}$
$\displaystyle \frac{2}{3\cdot 7}+\frac{1}{3\cdot 7}$$\displaystyle =\frac{1}{7}$
である。
解答ツ:1, テ:7
解法1・2共通:(3)
これまでの結果から確率分布表をかくと、
得点 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|
確率 | $\displaystyle \frac{3}{3\cdot 7}$ | $\displaystyle \frac{6}{3\cdot 7}$ | $\displaystyle \frac{6}{3\cdot 7}$ | $\displaystyle \frac{4}{3\cdot 7}$ | $\displaystyle \frac{2}{3\cdot 7}$ | $1$ |
となる。
表Cより、求める期待値は
$2\displaystyle \times\frac{3}{3\cdot 7}+3\times\frac{6}{3\cdot 7}+4\times\frac{6}{3\cdot 7}$
$+5\times\frac{4}{3\cdot 7}+6\times\frac{2}{3\cdot 7}$
$=\displaystyle \frac{2\cdot 3+3\cdot 6+4\cdot 6+5\cdot 4+6\cdot 2}{3\cdot 7}$
$=\displaystyle \frac{6+18+24+20+12}{3\cdot 7}$
$=\displaystyle \frac{80}{3\cdot 7}$
ありゃ。約分できない。
なので、期待値は
$\displaystyle \frac{80}{21}$
である。
解答ト:8, ナ:0, ニ:2, ヌ:1