大学入試センター試験 2012年(平成24年) 本試 数学ⅠA 第1問 [2] 解説

(1)

以下、「かつ」を$\cap$,「または」を$\cup$とする。

$\overline{m \gt k\cup n \gt k}$
にド・モルガンの法則を使って、
$\overline{m \gt k}\cap\overline{n \gt k}$

より
$m\leqq k\cap n\leqq k$
である。

解答ク:2

(2)

(i)

$k$に$1$を代入すると、
$p:m \gt 1\cup n \gt 1$ $q:mn \gt 1$ となる。

アドバイス

こういう問題は、一般的には
$p\Rightarrow q$ ×
$p\Leftarrow q$ ○
なので、必要条件
って解くことが多いけど、○×の判定で混乱したり間違えたりすることが多い。なので、図やグラフで表せるときは、集合の大小で考える方がおすすめ。

大学入試センター試験2012年本試 数学ⅠA第1問[2] 解説図

例えば右図では、大きい集合の$p$が小さい集合の$q$を含んでいる。
このような場合、$p$は$q$であるための必要条件になる。
逆に、$q$は$p$であるための十分条件である。
「大きい集合は小さい集合の必要条件」。呪文のように憶えておこう。

詳しくはこのページ参照。

ということで、図にする。
今回は変数が$m$,$n$の2個なので、数Ⅱの範囲になるけれど、領域にしよう。

まず、$m$,$n$だとグラフにするときに混乱しがちなので、$m$を$x$,$n$を$y$に置き換えると、
$p:x \gt 1\cup y \gt 1$ $q:xy \gt 1$ とかける。

$q$はさらに
$xy \gt 1$
$y \gt \displaystyle \frac{1}{x}$
と変形できる。

これを領域にすると、図Aのようになる(境界線を含まない)。
$m$も$n$も正の数なので、第一象限($0 \lt x\cap 0 \lt y$の部分)以外は不要。

図A
大学入試センター試験2012年本試 数学ⅠA第1問[2] 解説図A

$m$も$n$も自然数なので、格子点($x$座標も$y$座標も整数である点)だけを考えると、図Bができる。

図B
大学入試センター試験2012年本試 数学ⅠA第1問[2] 解説図B

図Bより、$p$と$q$は同じ集合なので、必要十分条件である。

解答ケ:0


(ii)

$k$に$2$を代入すると、
$p:m \gt 2\cup n \gt 2$ $q:mn \gt 4$ $r:mn \gt 2$ とかける。

(i)のときと同じ作業をすると、
$p:x \gt 2\cup y \gt 2$ $q:y \gt \displaystyle \frac{4}{x}$ $r:y \gt \displaystyle \frac{2}{x}$ と変形できる。

これを領域にすると、図Cのようになる(境界線を含まない)。
(i)のときと同様、第一象限($0 \lt x\cap 0 \lt y$の部分)以外は不要。

図C
大学入試センター試験2012年本試 数学ⅠA第1問[2] 解説図C

$m$も$n$も自然数なので、格子点だけを考えると、図Dができる。

図D
大学入試センター試験2012年本試 数学ⅠA第1問[2] 解説図D

図Dより、
$p$は$r$に含まれている($r$が大きい集合)ので、$p$は$r$であるための十分条件である。
$p$は$q$を含んでいる($p$が大きい集合)ので、$p$は$q$であるための必要条件である。

解答コ:2 サ:1