大学入試センター試験 2011年(平成23年) 追試 数学ⅡB 第3問 解説

ア~エ

漸化式を
an+an+1=1n(n+2)式A
とする。

式Aのn2を代入して、
a2+a3=124
なので、
S3=a1+(a2+a3)=12+124=58 となる。

解答ア:5, イ:8

また、式Aのn1を代入して、
a1+a2=113=13 式Aのn3を代入して、
a3+a4=135
なので、
S4=(a1+a2)+(a3+a4)=13+135=635=25 である。

解答ウ:2, エ:5

オ~セ

問題文中の
S2m=k=1m(a2k1+a2k)式B
を計算するのだけど、まずΣの中の
a2k1+a2k
を作ろう。

式Aのn2k1を代入すると
a2k1+a2k=1(2k1)(2k+1)式C
となる。どこかで見た形だ。

復習

124,146,168,,12n(2n+2)
みたいな数列の和は、それぞれの項を部分分数に分けて、
12(1214),12(1416),12(1618),,12(12n12n+2)
より、

12(1214+1416+1618++12n12n+2)=12(1212n+2) のような計算をしていた。

この例では部分分数を12でくくっているけど、もとの数列の分母の2つの数の差が2だから。

125,158,
のような場合だと、分母の2つの数の差は
52=3
3になるので、部分分数に分けると
13(1215),13(1518),
となる。

ということで、復習の方法で式Cの右辺を部分分数に分けよう。
分母の2つの数、2k12k+1の差は2なので、
a2k1+a2k=12(12k112k+1)
とかける。
これを式Bに代入して、
S2m=k=1m12(12k112k+1)=12k=1m(12k112k+1) 式D
となる。

解答オ:2, カ:1, キ:1

Σの公式に分母にkが含まれるものはないので、式DはΣじゃ計算できない。
なので、上の復習の方法を使う。

式DのΣの部分を、Σを使わずに書くと、
k=1m(12k112k+1)=(1113)+(1315)+(1517)++(12m112m+1) なので、復習の方法通り、
k=1m(12k112k+1)=1113+1315+1517++12m112m+1=1112m+1=2m+12m+112m+1=2m2m+1 となる。

これを式Dに代入して、
S2m=122m2m+1=m2m+1 となる。

解答ク:2, ケ:1


次の
S2m+1=a1+k=1m(a2k+a2k+1)式E
でも同じことをしよう。

式Aのn2kを代入して、
a2k+a2k+1=12k(2k+2)
右辺を部分分数に分けて、
a2k+a2k+1=12(12k12k+2)=14(1k1k+1)

これを式Eに代入して、
S2m+1=a1+k=1m14(1k1k+1)=a1+14k=1m(1k1k+1) a1=12なので、
S2m+1=12+14k=1m(1k1k+1)
式F
となる。

解答コ:4, サ:1

式FのΣの部分は
k=1m(1k1k+1)=(1112)+(1213)+(1314)++(1m1m+1)=111m+1=m+1m+11m+1=mm+1

なので、これを式Fに代入して、
S2m+1=12+14mm+1

途中式 S2m+1=122(m+1)2(m+1)+14mm+1=2m+24(m+1)+m4(m+1)
S2m+1=3m+24(m+1)
となる。

解答シ:3, ス:4, セ:1

ソ~テ

これまでの結果から、
{S2m=m2m+1S2m+1=3m+24(m+1)
であることが分かった。

{S2m=a1+a2++a2mS2m+1=a1+a2++a2m+a2m+1

なので、
a2m+1=S2m+1S2m=3m+24(m+1)m2m+1 とかける。

右辺を通分して、
a2m+1=(3m+2)(2m+1)4m(m+1)4(m+1)(2m+1)

途中式 a2m+1=(6m2+7m+2)(4m2+4m)4(m+1)(2m+1)
a2m+1=2m2+3m+24(m+1)(2m+1)
となる。

同様に、
a2m=S2mS2m1式G
だけど、S2m1の式がない。なので、S2m+1の式のmm1を代入して作ろう。

S2(m1)+1=3(m1)+24{(m1)+1}
S2m1=3m14m
となるから、式Gより、
a2m=m2m+13m14m

途中式 a2m=4mm(3m1)(2m+1)4m(2m+1)=4m2(6m2+m1)4m(2m+1)
a2m=2m2m+14m(2m+1)
である。

解答ソ:-, タ:2, チ:2, ツ:1, テ:4

ト~ヌ

ここで、mは自然数なので、
2mは偶数 2m+13以上の奇数 である。
なので、{an}
nが偶数のとき、
an=a2m=2m2m+14m(2m+1)式H
n3以上の奇数のとき
an=a2m+1=2m2+3m+24(m+1)(2m+1)
式I
である。


式H,式Iの右辺はmで表されているから、nになおそう。

式Hの場合、
an=a2m
なので、
n=2m
より
m=n2
である。

これを式Hに代入して、
an=2(n2)2n2+14n2(2n2+1)

途中式 an=n22n2+12n(n+1)
an=n2n+24n(n+1)

式Iの場合、
{n=2m+1m=n12
なので、これを式Iに代入して、
an=2(n12)2+3n12+24(n12+1)(2n12+1)

途中式 an=(n1)22+3n12+22(n1+2)(n1+1)=(n1)22+3n12+22n(n+1) 分母分子を2倍して、
an=(n1)2+3(n1)+44n(n+1)=(n22n+1)+(3n3)+44n(n+1)
an=n2+n+24n(n+1)

となるから、
an={n2n+24n(n+1)(nが偶数のとき)n2+n+24n(n+1)(n3以上の奇数のとき)
である。


でも、この式は問題文中の(*)の式には入らない。
なので、(*)の式に合うように、もう少し変形しないといけない。

nが偶数のとき、
an=n2n+24n(n+1)

途中式 an=24n(n+1)+n2n4n(n+1)=12n(n+1)+n(n+1)4n(n+1)
an=12n(n+1)+14

n3以上の奇数のとき、
an=n2+n+24n(n+1)

途中式 an=24n(n+1)+n2+n4n(n+1)=12n(n+1)+n(n+1)4n(n+1)
an=12n(n+1)+14

と変形すると、
an={12n(n+1)+14(nが偶数のとき)12n(n+1)+14(n3以上の奇数のとき)
と表せる。

かなり近くなったけど、赤い部分が違う。
nが偶数のときに1 nが奇数のときに1 なので、この部分を
(1)n+1
とすると、anの式は偶数のときにも奇数のときにも
an=12n(n+1)+(1)n+14
と書ける。
これで(*)の式の形になった。

解答ト:2, ナ:1, ニ:1, ヌ:4


(*)は、偶数のときと、3以上の奇数のときの一般項。
これにn=1を代入すると、
a1=121(1+1)+(1)1+14=14+14=12 なので、(*)はn=1のときにも成り立つ。
よって、(*)はすべての自然数nに対して成り立つ。