大学入試センター試験 2011年(平成23年) 追試 数学ⅡB 第2問 解説
(1) ア~ウ
直線
とすると、
つまり
のとき、
言いかえると、
なので、直線
定点A
を通る。
解答ア:-, イ:2, ウ:0
復習
「
1.
(1) 曲線Cのグラフ
次に曲線
この問題はグラフがなくても解けるけど、曲線
なので、先にグラフを描いておこう。
アドバイス
イメージをつかんでミスを防ぐためにも、グラフが簡単に描けるときには描いておくことを薦める。
曲線
の右辺は簡単に因数分解できて、
なので、
の3点で交わることが分かる。
さらに、
より、
なので、点
アドバイス
もちろん
と変形して、
または
から、点
また、式Bは三次関数で、
復習
三次関数のグラフは、
のような形に、
のような形になる。
以上から曲線
アドバイス
グラフによって楽な描き方は変わる。今回は因数分解したけど、他の方法が早い場合もある。なので、ひとつのやり方にこだわるんじゃなくて、いろんな方法をマスターして欲しい。
図やグラフや表をかいて目で見て考えられるようになると、問題がとても解きやすくなる。グラフがさっと描けることは、本当に重要なことなのだ。
慣れると、解説の方法で図Aのグラフを描くのに30秒くらいしかかからない。
(1) エ~ソ
曲線
点
より、
この傾きの直線が点
解答エ:3, オ:2, カ:0, キ:2
接線が点Aを通るとき、グラフは図Cのようになる。
接線が点Aを通るので、式Cに
両辺を
組み立て除法をして、
|
より、式Dは
と変形できる。
この式の
の部分は、
なので、式Dの方程式の解は
だけである。
よって、接線が点Aを通るのは
のときに限る。
解答ク:2
このとき、接線(図Cの緑の直線)の式は、式Cに
解答ケ:-, コ:8, サ:1, シ:6
ここまでで分かったことを図Cに書き込むと、図Dができる。
ちょっと確認すると、曲線Cと緑の直線は、
この時点で、問題文中のソは
というわけで、連立方程式だ。
曲線Cの式と式Eより、連立方程式
ができる。
上の式から下の式を辺々引いて、
となる。
さっき確認したように、曲線Cと緑の直線は
と因数分解できるはずだ。
なので、式Gを展開すると、式Fになる。
全部展開するのは面倒なので、定数項だけ考えると、
である。
解答ス:-, セ:4, ソ:2
(1) タ~ナ
これまでの話を整理すると、
なので、直線
言いかえると、直線
まず、左回り(反時計回り)から。
図Eを見てほしい。
さっき求めた式Eのグラフ(緑の直線)を、左回りに回転してみる。
傾きは
このとき、例えば青い直線みたいなのができるけど、いずれも曲線Cと2つ以上の共有点をもつから、不適。
もっと回転して、垂直な線(紫の線)になった場合、曲線Cとの共有点はひとつだけど、
の形の式で表せないから、直線
緑の線も、曲線Cと共有点を2つもつから、不適。
よって、傾き
となる範囲は、すべて不適。
一方、図Fのように、緑の直線を右回り(時計回り)させる場合は、曲線Cとの共有点はひとつだけだからOK。
このとき、傾き
となる。
解答タ:-, チ:8
このときの実数解
交点は、図Fのオレンジの部分(両端を含まない)以外にはあり得ないので、
である。
解答ツ:-, テ:4, ト:-, ナ:2
(2)
三次関数がらみの図形の面積なので、積分しよう。
だけど、
のグラフの、どっちが上にあるか分からない。
もしかすると、
なので、まず2つのグラフの交点を求めよう。
式Hから式Iを辺々引いて、
共通因数
なので、
つまり、2つの式は同じグラフになる。
今は囲まれた図形の面積が
の場合。
因数分解して、
より
の場合。
つまり、2つのグラフは、
で共有点をもつ。
このことから、
の範囲で、2つのグラフの上下は入れ替わらないから、一度に積分できることが分かる。
で、どっちのグラフが上にあるか考える。
2つのグラフは
の範囲で上下が入れ替わらないので、式Hと式Iの
式Hに
式Iに
なので、
つまり
のとき、式Hが上
つまり
のとき、式Iが上
である。
ということで、積分だ。
のとき
式Hが上で、図形の面積が
より
である。
これを計算して、
途中式
となる。
これは、場合分けの
のとき
なので、式Kより
となる。
これは、場合分けの
以上より、図形の面積が
のときである。
解答ニ:6, ヌ:7