大学入試センター試験 2014年(平成26年) 追試 数学ⅡB 第4問 解説

(1)

図A
大学入試センター試験2014年追試 数学ⅡB第4問 解説図A

ab=BAなので、
|ab|=|BA|=1
より、
|ab|2=1

解答ア:1

|ab|2=1
の左辺は、|A|2=AAより、
(ab)(ab)=1
|a|22ab+|b|2=1
|a|=|b|=52なので、
(52)22ab+(52)2=1
2ab=2(52)21
2ab=521
2ab=32
ab=34

解答イ:3, ウ:4

図B
大学入試センター試験2014年追試 数学ⅡB第4問 解説図B

図Aの△OABの部分だけ取り出して図Bをつくってみた。
OからABにおろした垂線の足をHとすると、AOHBOHなので、
AH=BH=12
また、問題文から
AO=BO=52
よって、三平方の定理より、
OH=1
である。

|a+b|=2OH
なので、
|a+b|=2式A

解答エ:2

AD|a+b|と平行で大きさが半分なので、
AD=12(a+b)

解答オ:1, カ:2


PQ, PRは、OP, OQ, ORを求めて、終点へのベクトルから始点へのベクトルを引くのが一般的。
だけど、図も簡単だし、ここでは求めるベクトルの始点から終点まで、ベクトルをつないで移動する方法で出そう。

PQ=PA+AQ
ここで、
{PA=(1t)aAQ=tADAD=12(a+b)
なので、
PQ=(1t)a+t2(a+b)
PQ=(1t2)a+t2b
PQ=2t2a+t2b
となる。

解答キ:2, ク:2

PR=PO+OB+BR
ここで、
{PO=taBR=(1t)ADAD=12(a+b)
なので、
PR=ta+b+1t2(a+b)
PR=(t+1t2)a+(1+1t2)b
PR=13t2a+3t2b
である。

解答ケ:3, コ:3

(2)

図C
大学入試センター試験2014年追試 数学ⅡB第4問 解説図C

図Cで、△PTQの面積は、PTを底辺、高さを緑の線の長さと考えると、
12×PT×
△PTRの面積は、PTを底辺、高さを空色の線と考えると、
12×PT×空色
なので、△PQRの面積Sは、
S=12×PT×(緑+空色)
緑の線の長さ+空色の線の長さ=1なので、
S=12×PT式B
である。

解答サ:1, シ:2

図Cのように、点H,Iをおくと、
AI:IH:HB=1t:t:1
よって、
AI:IB=1t:1+t
なので、
QT:TR=1t:1+t
である。

解答ス:2

このことから、
PT=(1+t)PQ+(1t)PR(1t)+(1+t)
となる。
この式は、さらに
PT=(1+t)PQ+(1t)PR2
PT=1+t2PQ+1t2PR
と変形できる。

解答セ:6, ソ:5

これに①②を代入して、
PT=1+t2(2t2a+t2b)
                  +1t2(13t2a+3t2b)
PT=14[(1+t){(2t)a+tb}
                  +(1t){(13t)a+(3t)b}]
PT=14{(2t23t+3)a+(2t23t+3)b}
PT=14(2t23t+3)(a+b)式C
PT=(12t234t+34)(a+b)
である。

解答タ:1, チ:2, ツ:3, テ:4

式Cより、PTの長さ|PT|は、
|PT|=|14(2t23t+3)(a+b)|
式Aより、|a+b|=2なので、
|PT|=12|2t23t+3|式D
となる。
以上より、0<t<1の範囲での|2t23t+3|の最小値を求めれば、|PT|の最小値が分かる。

0<2t23t+3だから、
|2t23t+3|2t23t+3は同じ式だ。
なので、0<t<1における2t23t+3の最小値を求めよう。

y=2t23t+3とおいて平方完成すると、
y=2(t34)2+158
となるので、
|2t23t+3|
t=34のとき最小値158

解答ト:3, ナ:4

これを式Dに代入して、
|PT|の最小値1516
これを式Bに代入して、
Sの最小値1532
となる。

解答ニ:1, ヌ:5, ネ:3, ノ:2