大学入試センター試験 2014年(平成26年) 追試 数学ⅠA 第4問 解説
(1)
Aの玉が出る確率は、$\displaystyle \frac{3}{6}$ Bの玉が出る確率は、$\displaystyle \frac{2}{6}$ Cの玉が出る確率は、$\displaystyle \frac{1}{6}$ 出した玉はそのつど袋に戻すので、この確率は変わらない。
(i)
AABCの順に玉が出ればいいので、
$\displaystyle \frac{3}{6}\cdot\frac{3}{6}\cdot\frac{2}{6}\cdot\frac{1}{6}=\frac{1}{72}$
解答ア:1, イ:7, ウ:2
(ii)
Bが2回以上勝つ確率をそのまま求めようとすると、
Bが2回勝つ、3回勝つ、4回勝つ、の3パターン計算しないといけない。
なので、余事象(条件に合わない場合)を求めて、1から引こう。
余事象は、
Bが勝たない、1回勝つ の2パターン。
Bが勝たない場合は
$\displaystyle \left(\frac{4}{6}\right)^{4}=\frac{2^{4}}{3^{4}}$
Bが1回勝つ場合は、
4回のうち1回Bが勝つと考えると、
$\displaystyle \frac{2}{6}\cdot\left(\frac{4}{6}\right)^{3}\cdot {}_{4}\mathrm{C}_{1}$
Bが、勝つ・負ける・負ける・負けるの4つを一列に並べると考えると、
$\displaystyle \frac{2}{6}\cdot\left(\frac{4}{6}\right)^{3}\cdot\frac{4!}{3!}$
どちらにしても、計算すると
$=\displaystyle \frac{2^{3}\cdot 4}{3^{4}}$
この2つをたして、
$\displaystyle \frac{2^{4}}{3^{4}}+\frac{2^{3}\cdot 4}{3^{4}}=\frac{2^{4}(1+2)}{3^{4}}$
$\displaystyle \frac{2^{4}}{3^{4}}+\frac{2^{3}\cdot 4}{3^{4}}$$\displaystyle =\frac{2^{4}}{3^{3}}$
$\displaystyle \frac{2^{4}}{3^{4}}+\frac{2^{3}\cdot 4}{3^{4}}$$\displaystyle =\frac{16}{27}$
これを1から引くので、
$1-\displaystyle \frac{16}{27}=\frac{11}{27}$
解答エ:1, オ:1, カ:2, キ:7
(iii)
6回のうち3回Aが勝ち、残りの3回のうち2回Bが勝つと考えると、
$\displaystyle \left(\frac{3}{6}\right)^{3}\cdot\left(\frac{2}{6}\right)^{2}\cdot\frac{1}{6}\cdot {}_{6}\mathrm{C}_{3}\cdot {}_{3}\mathrm{C}_{2}$
A・A・A・B・B・Cを一列に並べると考えると、
$\displaystyle \left(\frac{3}{6}\right)^{3}\cdot\left(\frac{2}{6}\right)^{2}\cdot\frac{1}{6}\cdot\frac{6!}{3!\cdot 2!}$
どちらにしても、計算すると、
$=\displaystyle \frac{5}{36}$
解答ク:5, ケ:3, コ:6
(2)
AとBが対戦する場合、 Aが勝つ確率は$\displaystyle \frac{3}{5}$ 負ける確率は$\displaystyle \frac{2}{5}$ AとCが対戦する場合、 Aが勝つ確率は$\displaystyle \frac{3}{4}$ 負ける確率は$\displaystyle \frac{1}{4}$ BとCが対戦する場合、 Bが勝つ確率は$\displaystyle \frac{2}{3}$ 負ける確率は$\displaystyle \frac{1}{3}$ である。
(i)
3人が同じ金額ずつ受け取るのは、3人とも1勝1敗だったとき。
そうなるのは、表A・表Bの2パターンが考えられる。
相手 | |||
---|---|---|---|
A | B | C | |
A | - | 勝 | 負 |
B | 負 | - | 勝 |
C | 勝 | 負 | - |
相手 | |||
---|---|---|---|
A | B | C | |
A | - | 負 | 勝 |
B | 勝 | - | 負 |
C | 負 | 勝 | - |
以下、ABの対戦・ACの対戦・BCの対戦の順にかけ算をする。
表Aの場合、$\displaystyle \frac{3}{5}\cdot\frac{1}{4}\cdot\frac{2}{3}$
表Bの場合、$\displaystyle \frac{2}{5}\cdot\frac{3}{4}\cdot\frac{1}{3}$
両方たして、
$\displaystyle \frac{3}{5}\cdot\frac{1}{4}\cdot\frac{2}{3}+\frac{2}{5}\cdot\frac{3}{4}\cdot\frac{1}{3}$
$=\displaystyle \frac{1}{5}$
解答サ:1, シ:5
(ii)
対戦数は全部で3回で、引き分けはないから、2人が同率勝者になり、30万円ずつ受け取ることはない。
なので、Aが20万円以上受け取るのは、
3人とも1勝1敗の場合(20万円)
Aが2勝する場合(60万円)
の2パターン。
3人とも1勝1敗の確率は、(i)より
$\displaystyle \frac{1}{5}$
Aが2勝する場合は、
$\displaystyle \frac{3}{5}\cdot\frac{3}{4}\cdot 1=\frac{9}{20}$
最後の$1$は、BとCとの対戦ではどちらが勝ってもいいため。
両方たして、
$\displaystyle \frac{1}{5}+\frac{9}{20}$
$=\displaystyle \frac{4+9}{20}$
$=\displaystyle \frac{13}{20}$
解答ス:1, セ:3, ソ:2, タ:0
(iii)
受け取る賞金額は0・20万円・60万円の3パターン。
(i),(ii)から、Aについて確率分布表を書くと、
賞金 | 0 | 20万円 | 60万円 | 計 |
---|---|---|---|---|
確率 | $\displaystyle \frac{1}{5}$ | $\displaystyle \frac{9}{20}$ | $1$ |
表Cより、Aが受け取る賞金の期待値は、
$20\displaystyle \cdot\frac{1}{5}+60\cdot\frac{9}{20}=31$
より、31万円。
解答チ:3, ツ:1
Bについて、
Bが2勝する確率は、
$\displaystyle \frac{2}{5}\cdot 1\cdot\frac{2}{3}=\frac{4}{15}$
よって、Bについて確率分布表を書くと、
賞金 | 0 | 20万円 | 60万円 | 計 |
---|---|---|---|---|
確率 | $\displaystyle \frac{1}{5}$ | $\displaystyle \frac{4}{15}$ | $1$ |
より、Bが受け取る賞金の期待値は、
$20\displaystyle \cdot\frac{1}{5}+60\cdot\frac{4}{15}=20$
より、20万円。
解答テ:2, ト:0
Aの期待値+Bの期待値+Cの期待値=賞金総額 なので、
$60-(31+20)=9$
より、Cが受け取る賞金の期待値は9万円。
解答ナ:9
別解
Cの期待値は、上の引き算が簡単だけれど、A・Bと同じ方法で求めてもそれほどの手間ではない。
Cが2勝する確率は、
$1\displaystyle \cdot\frac{1}{4}\cdot\frac{1}{3}=\frac{1}{12}$
よって、Cについて確率分布表を書くと、
賞金 | 0 | 20万円 | 60万円 | 計 |
---|---|---|---|---|
確率 | $\displaystyle \frac{1}{5}$ | $\displaystyle \frac{1}{12}$ | $1$ |
より、Cが受け取る賞金の期待値は、
$20\displaystyle \cdot\frac{1}{5}+60\cdot\frac{1}{12}=9$
より、9万円。
解答ナ:9