大学入試センター試験 2014年(平成26年) 追試 数学ⅠA 第1問 [2] 解説

(1)

54
共通部分・和集合
55
補集合

$q\ :\ ab^{2}\geqq 0$
なので、
$\overline{q}\ :\ ab^{2} \lt 0$式A
ここで、
$b^{2}\geqq 0$
なので、式Aは
$\left\{\begin{array}{l}
a \lt 0\\
b\neq 0
\end{array}\right.$
である。

解答サ:3

(2)

32
数直線と絶対値

復習

まず、絶対値について整理しておこう。
$A \lt 0$のとき、$|A|=-A$
$0\leqq A$のとき、$|A|=A$
だった。

(i)

50
絶対値を含む方程式

$a+b\geqq 0$のとき、$p$の条件は
$(a+b)=|a|+b$
とかける。変形して、
$a=|a|$
より、
$a\geqq 0$
である。

解答シ:1

(ii)

(i)の逆だけど、逆は必ずしも真ではないので、ちゃんと計算しよう。

$a\geqq 0$のとき、$p$の条件は
$|a+b|=a+b$
とかけるので、
$a+b\geqq 0$
である。

解答ス:1

(iii)

$a+b \lt 0$のとき、$p$の条件は
$-(a+b)=|a|+b$
とかける。変形して、
$|a|+a+2b=0$式B

場合分けをして、$|a|$の絶対値をはずそう。
$a \lt 0$のとき、式Bは、
$-a+a+2b=0$
$2b=0$
$b=0$
$0\leqq a$のとき、式Bは、
$a+a+2b=0$
$a+b=0$
$a+b \lt 0$なので、
$a+b\neq 0$より、
解なし。

以上より
$b=0$

解答セ:2

(3)

アドバイス

このタイプの問題は、集合で解くのがおすすめ。
文字が1つなら数直線、2つなら領域を使う。領域は数Ⅱの範囲になってしまうけれど、他の解き方よりもミスが少なくて絶対いいです。

$p$の領域をかこう。
(2)より、$p$を満たす範囲は、
$\left\{\begin{array}{l}
a+b \lt 0\ \text{のとき }b=0\\
0\leqq a+b\ \text{のとき }0\leqq a
\end{array}\right.$式C
だった。

167
直線と領域
167
連立不等式の表す領域

式Cをグラフにする。ここから数Ⅱの内容を使っている。
文字が$a,\ b$だと分かりにくければ、$x,\ y$だと思って読んでほしい。

図A
大学入試センター試験2014年追試 数学ⅠA第1問[2] 解説図A

式Cの上の場合は、 $a+b \lt 0$より、$b \lt -a$なので、$b=-a$の線より下(図Aの緑の斜線の部分) $b=0$なので、横軸上(図Aのオレンジの部分) の重なる部分(図Aの赤い部分)である。

図B
大学入試センター試験2014年追試 数学ⅠA第1問[2] 解説図B

式Cの下の場合は、
$0\leqq a+b$より、$b\geqq-a$なので、$b=-a$の線を含んで上(図Bの緑の斜線の部分) $0\leqq a$なので、縦軸を含んで右(図Bのオレンジの斜線の部分) の重なる部分(図Bの赤い部分)である。

図C
大学入試センター試験2014年追試 数学ⅠA第1問[2] 解説図C

以上より、$p$の領域は、図Aと図Bの赤い部分をたした部分である。
図にすると、図Cの緑の部分になる


次に、$q$の領域をかこう。

図D
大学入試センター試験2014年追試 数学ⅠA第1問[2] 解説図D

(1)より、
$\overline{q} :\ a \lt 0\ \cap\ b\neq 0$
だった。
よって、
$q\ :\ \overline{a \lt 0\ \cap\ b\neq 0}$

55
ド・モルガンの法則

ド・モルガンの法則より、
$=\ \overline{a \lt 0}\ \cup\ \overline{b\neq 0}$
$=\ a\geqq 0\ \cup\ b=0$
となるので、
$q$の領域は図Dのオレンジの部分になる。


59
必要条件と十分条件

図Cと図Dを見比べると、$p$が$q$に含まれることが分かる。
よって、$p$は$q$であることの十分条件。

解答ソ:1

アドバイス

一般的には
$p\Rightarrow q$ ○ $p\Leftarrow q$ × なので、十分条件
って解くことが多いけど、○×の判定で混乱したり間違えたりすることが多い。なので、数直線やベン図で表せるときは、集合の大小で考える方がおすすめ。
「小さい集合は大きい集合の十分条件」。呪文のように憶えておこう。