大学入試センター試験 2014年(平成26年) 追試 数学ⅠA 第2問 解説
ア~ス
二次関数の決定
①が$(-1,4),(2,7)$を通るので、
$(x,y)$に$(-1,4)$を代入して、
$a(-1)^{2}+b(-1)+c=4$
$a-b+c=4$式A
$(x,y)$に$(2,7)$を代入して、
$a\cdot 2^{2}+b\cdot 2+c=7$
$4a+2b+c=7$式B
式B-式Aより、
$-)$$ 4a+2b+c=7$
$\underline{-)\ a-b+c=4}$
$-)$$ 3a+3b=3$
$a+b=1$
$b=-a+1$式C
解答ア:-, イ:1
式Cを式Aに代入して、
$a-(-a+1)+c=4$
$2a+c=5$
$c=-2a+5$式D
解答ウ:-, エ:2, オ:5
式C・Dを①に代入して、
$y=ax^{2}+(-a+1)x-2a+5$①'
二次関数のグラフ(平方完成)
①'から頂点を出すのだけれど、
解法1
素直に平方完成をする
解法2
$\displaystyle \frac{-b}{2a}$で頂点の$x$座標を求め、それを①'に代入して$y$座標を求める
方法が考えられる。2次関数の式がややこしいときは解法2が楽なことが多いけど、今回は解法1も2も手間は同じかも。
解法1
$y=a\left\{x^{2}+\frac{-a+1}{a}x\right\}-2a+5$
$y$$=a\left\{x^{2}+\frac{-a+1}{a}x+\left(\frac{-a+1}{2a}\right)^{2}-\left(\frac{-a+1}{2a}\right)^{2}\right\}$
$-2a+5$
$y$$=a\left\{x^{2}+\frac{-a+1}{a}x+\left(\frac{-a+1}{2a}\right)^{2}\right\}-a\left(\frac{-a+1}{2a}\right)^{2}$
$-2a+5$
$y\displaystyle $$\displaystyle =a\left(x+\frac{-a+1}{2a}\right)^{2}-\frac{(-a+1)^{2}}{2^{2}a}-2a+5$
$y$$=a\left(x-\frac{a-1}{2a}\right)^{2}$
$+\displaystyle \frac{-(-a+1)^{2}+2^{2}a(-2a+5)}{2^{2}a}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =a\left(x-\frac{a-1}{2a}\right)^{2}+\frac{-a^{2}+2a-1-8a^{2}+20a}{2^{2}a}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =a\left(x-\frac{a-1}{2a}\right)^{2}+\frac{-9a^{2}+22a-1}{2^{2}a}$
となるので、頂点の座標$(p,q)$は、
$\left\{\begin{array}{l}
p=\frac{a-1}{2a}\\
q=\frac{-9a^{2}+22a-1}{4a}
\end{array}\right.$
である。
解答カ:1, キ:2, ク:-, ケ:9, コ:2, サ:2, シ:1, ス:4
解法2
復習
$y=ax^{2}+bx+c$の軸は、
$x=\displaystyle \frac{-b}{2a}$
だった。
よって、①'の軸は
$x=\displaystyle \frac{a-1}{2a}$
解答カ:1, キ:2
頂点の$y$座標は、これを①'に代入して、
$y=a\left(\frac{a-1}{2a}\right)^{2}+(-a+1)\left(\frac{a-1}{2a}\right)-2a+5$
$y\displaystyle $$\displaystyle =\frac{(a-1)^{2}}{2^{2}a}-(a-1)\left(\frac{a-1}{2a}\right)-2a+5$
$y\displaystyle $$\displaystyle =\frac{1}{2}\cdot\frac{(a-1)^{2}}{2a}-\frac{(a-1)^{2}}{2a}-2a+5$
$y\displaystyle $$\displaystyle =\frac{(a-1)^{2}}{2a}\left(\frac{1}{2}-1\right)-2a+5$
$y\displaystyle $$\displaystyle =\frac{(a-1)^{2}}{2a}\cdot\left(-\frac{1}{2}\right)+(-2a+5)\cdot\frac{4a}{4a}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =\frac{-(a-1)^{2}}{4a}+\frac{(-2a+5)\cdot 4a}{4a}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =\frac{-a^{2}+2a-1-8a^{2}+20a}{4a}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =\frac{-9a^{2}+22a-1}{4a}$
である。
解答ク:-, ケ:9, コ:2, サ:2, シ:1, ス:4
(1)
グラフの平行移動(1)
$a=2$のとき、①の頂点は
$\left(\frac{a-1}{2a},\ \frac{-9a^{2}+22a-1}{4a}\right)$
に$a=2$を代入して、
$\left(\frac{2-1}{2\cdot 2},\ \frac{-9\cdot 2^{2}+22\cdot 2-1}{4\cdot 2}\right)$
$=\left(\frac{1}{4},\ \frac{4(-9+11)-1}{8}\right)$
$=\left(\frac{1}{4},\ \frac{7}{8}\right)$
$y=2x^{2}$のグラフの頂点は、$(0,0)$
$\left(\frac{1}{4},\ \frac{7}{8}\right)$を$(0,0)$に平行移動するので、
$x$軸方向に$-\displaystyle \frac{1}{4}$
$y$軸方向に$-\displaystyle \frac{7}{8}$
移動すればよい。
解答セ:-, ソ:1, タ:4, チ:-, ツ:7, テ:8
(2)
グラフが$y$軸に関して対称になるので、グラフの軸は$y$軸である。
よって、
$\displaystyle \frac{a-1}{2a}=0$
$a=1$
これを頂点の$y$座標に代入して、
$y=\displaystyle \frac{-9\cdot 1^{2}+22\cdot 1-1}{4\cdot 1}$
$y$$=3$
解答ト:3
(3)
二次関数の最大・最小
$0 \lt a$なので、グラフが最小となるのは頂点。よって、頂点の$y$座標が$0$になるときの$a$を求める。
$\displaystyle \frac{-9a^{2}+22a-1}{4a}=0$
より、
$-9a^{2}+22a-1=0$
$9a^{2}-22a+1=0$
二次方程式の解の公式
解の公式より
$a=\displaystyle \frac{22\pm\sqrt{22^{2}-4\cdot 9\cdot 1}}{2\cdot 9}$
$a\displaystyle $$\displaystyle =\frac{22\pm\sqrt{2^{2}\cdot 11^{2}-2^{2}\cdot 3^{2}}}{2\cdot 9}$
$a\displaystyle $$\displaystyle =\frac{22\pm 2\sqrt{11^{2}-3^{2}}}{2\cdot 9}$
√の中は$A^{2}-B^{2}=(A+B)(A-B)$の形なので、
$a\displaystyle $$\displaystyle =\frac{22\pm 2\sqrt{(11+3)(11-3)}}{2\cdot 9}$
$a\displaystyle $$\displaystyle =\frac{22\pm 2\sqrt{14\cdot 8}}{2\cdot 9}$
$a\displaystyle $$\displaystyle =\frac{22\pm 2\sqrt{7\cdot 2\cdot 2^{3}}}{2\cdot 9}$
$a\displaystyle $$\displaystyle =\frac{22\pm 2\cdot 2^{2}\sqrt{7}}{2\cdot 9}$
$a\displaystyle $$\displaystyle =\frac{11\pm 2^{2}\sqrt{7}}{9}$
である。
解答ナ:1, ニ:1, ヌ:4, ネ:7, ノ:9
(4)
文字係数の二次関数の最大・最小
最後は$1\leqq x\leqq 2$における最小値の問題。
放物線の軸は$x=\displaystyle \frac{a-1}{2a}$なので、頂点が動くタイプの二次関数の最大最小の問題である。
まず、場合分け。
下に凸のグラフの最小を聞かれているので、図A・B・Cの3通りに場合分けをしよう。
図Aになるのは、
$\displaystyle \frac{a-1}{2a} \lt 1$
文字係数の方程式・不等式
$a$は正の数なので、両辺に$2a$をかけても不等号の向きは変わらないから、
$a-1 \lt 2a$
$-1 \lt a$式E
$a$は正なので、$0 \lt a$と式Eの重なる範囲は、
$0 \lt a$のとき。
あれ?
ということは、図B・図Cになることはないのかな?
図B・図Cになるためには、軸が$1$より右にないといけない。
よって、
$1 \lt \displaystyle \frac{a-1}{2a}$
$0 \lt a$でこれを解くと、式Eの逆の、
$a \lt -1$
になるので、あてはまる$a$は存在しない。
なので、図B・図Cにはならない。
以上より、図Aの場合だけを考えよう。
図Aの場合、最小値をとるのは$x=1$のとき。
このときの最小値が$0$になるような$a$の値を求める。
①'に$(x,y)=(1,0)$を代入して、
$a\cdot 1^{2}+(-a+1)\cdot 1-2a+5=0$
$a-a+1-2a+5=0$
$2a=6$
$a=3$
である。
解答ハ:3