大学入試センター試験 2013年(平成25年) 追試 数学ⅡB 第5問 解説

(1)

Aは普通に足し算をして、$70$。

解答ア:7, イ:0

Bは、Aを10で割って、$7.0$。

解答ウ:7, エ:0

復習

分散$s^{2}$は、
データの大きさを$n$
それぞれのデータを$x_{1},\ x_{2},\ x_{3},\ \ldots\ x_{n}$
平均値を$\overline{x}$
としたとき、
$s^{2}=\displaystyle \frac{1}{n}\left\{(x_{1}-\overline{x})^{2}+(x_{2}-\overline{x})^{2}+(x_{3}-\overline{x})^{2}+\right.$
            $\left.\cdots+(x_{n}-\overline{x})^{2}\right\}$式A
$s^{2}$$=\overline{x^{2}}-\left(\overline{x}\right)^{2}$式B
だった。

今回は問題中の表に$x^{2}$の合計が載っているので、式Bを使おう。
$\displaystyle \mathrm{C}=\frac{650}{10}-7^{2}$
$\mathrm{C}$$=16$

解答オ:1, カ:6, キ:0, ク:0

(2)

図A

大学入試センター試験2013年追試 数学ⅡB第5問 解説図A
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅡB第5問 解説図A
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅡB第5問 解説図A
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅡB第5問 解説図A

まず、4つの相関図で、違っているところを見つけよう。
図Aで、4つの相関図で共通する点は黒で、異なる点は他の色で示した。なので、黒以外の点を確認しよう。

まず、0・3にあって1・2にない$(x,z)=(14,10)$の赤い点だけど、問題文の表を見ると3月のデータとして存在する。なので、1・2は除外。
次に、0と3で位置が違う、オレンジ色の点を確認しよう。問題文の表を見ると、$x=2$の点は$(2,2)$と$(2,3)$の2つ。0にある$(2,5)$は存在しない。なので、0も除外。
以上より、当てはまるものは3である。

解答ケ:3


復習

相関係数について復習しておこう。
共分散を$s_{xy}$とすると、
$s_{xy}=\displaystyle \frac{1}{n}\{(x_{1}-\overline{x})(y_{1}-\overline{y})+(x_{2}-\overline{x})(y_{2}-\overline{y})$+
            $\cdots+(x_{n}-\overline{x})(y_{n}-\overline{y})\}$式C
$s_{xy}\displaystyle $$\displaystyle =\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}x_{k}\cdot y_{k}-\overline{x}\cdot\overline{y}$式D
この共分散$s_{xy}$を、$x,\ y$それぞれの標準偏差の積で割った、
$r_{xy}=\displaystyle \frac{s_{xy}}{s_{x}\cdot s_{y}}$
が相関係数だった。

まず$x,y$の共分散$s_{xy}$を求めるのだけれど、この問題では問題文中の表に$xy$の合計が載っている。なので、式Cよりも式Dを使った方が楽。
表より、
$\displaystyle \sum_{k=1}^{10}x_{k}\cdot y_{k}=xy$の合計$=520$
$\overline{x}\cdot\overline{y}=x$の平均値$\cdot y$の平均値$=7\cdot 6$
これを式Dに代入して、
$s_{xy}=\displaystyle \frac{1}{10}\cdot 520-7\cdot 6$
$s_{xy}$$=10$
これを$x,y$それぞれの標準偏差で割ったものが、相関係数である。

復習

標準偏差$s$は、分散を$s^{2}$とすると、
$s=\sqrt{s^{2}}$
だった。

表より、
$x$の標準偏差は$\sqrt{16}=4$
$y$の標準偏差は$\sqrt{9}=3$
だから、$x,y$の相関係数$r_{xy}$は、
$r_{xy}=\displaystyle \frac{10}{4\cdot 3}$
$r_{xy}\displaystyle $$\displaystyle =\frac{5}{6}$
$r_{xy}$$\doteqdot 0.833$

解答コ:0, サ:8, シ:3, ス:3

(3)

$f(a)$の式の{ }内部分を展開すると、
$f(a)=\displaystyle \frac{1}{10}(y_{1}^{2}-2ax_{1}y_{1}+a^{2}x_{1}^{2}$
             $+y_{2}^{2}-2ax_{2}y_{2}+a^{2}x_{2}^{2}$
             $+\cdots$
             $+y_{10}^{2}-2x_{10}y_{10}+a^{2}x_{10}^{2})$
文字$a$について、同類項をまとめて、
$f(a)=\displaystyle \frac{1}{10}\{(y_{1}^{2}+y_{2}^{2}+\cdots+y_{10}^{2})$
             $-2a(x_{1}y_{1}+x_{2}y_{2}+\cdots+x_{10}y_{10})$
             $+a^{2}(x_{1}^{2}+x_{2}^{2}+\cdots x_{10}^{2})\}$式E

問題文中の表から、
$x_{1}^{2}+x_{2}^{2}+\cdots x_{10}^{2}=650$
$y_{1}^{2}+y_{2}^{2}+\cdots+y_{10}^{2}=450$
$x_{1}y_{1}+x_{2}y_{2}+\cdots+x_{10}y_{10}=520$
なので、式Eは、
$f(a)=\displaystyle \frac{1}{10}(650a^{2}-2\cdot 520a+450)$
$f(a)$$=65a^{2}-2\cdot 52a+45$
となる。

これを平方完成して、
$f(a)=65\displaystyle \left(a-\frac{4}{5}\right)^{2}+\frac{17}{5}$
である。

解答セ:6, ソ:5, タ:4, チ:5

よって、$f(a)$は、$a=\displaystyle \frac{4}{5}$のとき最小となる。


表B
焼却量($x$) 発電量($y$) $z$ $y-z$
1月 2 2 1.6 0.4
2月 2 3 1.6 1.4
3月 14 10 11.2 -1.2
4月 6 3 4.8 -1.8
5月 12 7 9.6 -2.6
6月 8 9 6.4 2.6
7月 7 5 5.6 -0.6
8月 11 11 8.8 2.2
9月 4 4 3.2 0.8
10月 4 6 3.2 2.8

この$a=\displaystyle \frac{4}{5}$のときの$z$(つまり$\displaystyle \frac{4}{5}x$)を予測発電量とし、$y$(つまり発電量)との差を考えようという。
表Bに各月の$z$と$y-z$を計算したものを示した。
蛇足だけど、$z$の計算は、$x$に$4$をかけて$5$で割るより、$8$をかけて$10$で割った方が楽。

以下、表Bより、
10月の予測発電量は$3.2$。

解答ツ:3, テ:2, ト:0

10月の$y-z$は$2.8$。

解答ナ:2, ニ:8, ヌ:0

$y-z$が最小になるのは、5月の$-2.6$。

解答ネ:5, ノ:2, ハ:6, ヒ:0

$y-z$の値が$-1$より小さい月は3か月あるので、ヒストグラムは2が正しい。

解答フ:2