大学入試センター試験 2013年(平成25年) 追試 数学ⅡB 第2問 解説

解説

図A
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅡB第2問 解説図A

まず、直線と直線mの式を求めよう。
放物線Cの方程式を微分して、
y=2x
なので、点P(a,a2)における接線の傾きは
2a
よって、直線の式は、
ya2=2a(xa)
y=2axa2式A

同様に、直線mの式は、
y=2bxb2式B

直線と直線mは直交するので、傾き同士をかけて1なので、
2a×2b=1
4ab=1

解答ア:4

より、
b=14a
これを式Bに代入して、
y=12ax116a2式B'

mの交点Rの座標は、式Aと式B'の連立方程式を解けばよい。
2axa2=12ax116a2
両辺に16a2をかけて、
32a3x16a4=8ax1式C
32a3x+8ax=16a41
8a(4a2+1)x=(4a21)(4a2+1)
4a2+10なので、
8ax=4a21
より、
x=4a218a

問題文のマスに合う形に変形して、
x=12(a14a)

解答イ:2, ウ:1, エ:4

これを式Aに代入して、
y=2a12(a14a)a2
y=a214a2
y=14

解答オ:1, カ:4


点Tの座標は、解法が2通り考えられる。
解法1
点Rと同じように、直線mの方程式から連立方程式を解く。
解法2
四角形PTQRは長方形なので、PQの中点とRTの中点は一致することを使って求める。おすすめ

解法1

直線は、傾きがmと同じで(a,a2)を通るので、
ya2=12a(xa)
y=12ax+a2+12式D
同様に、直線mの式は、
y116a2=2a(x+14a)
y=2ax+116a2+12式E

mの交点Tの座標は、式Dと式Eの連立方程式を解けばよい。

12ax+a2+12=2ax+116a2+12
12ax+a2=2ax+116a2
両辺に16a2をかけて、
8ax+16a4=32a3x+1

あれ?式Cと同じになった。
なので、答えも同じ
x=12(a14a)

解答キ:2, ク:1, ケ:4

これを式Eに代入して、
y=2a12(a14a)+116a2+12
y=a214+116a2+12
y=a2+116a2+14

解答コ:1, サ:6, シ:4

解法2

PQの中点は、
(a,a2)+(14a,116a2)2
=(a14a,a2+116a2)2
点Tの座標を(x,y)とすると、RTの中点は、
(12(a14a),14)+(x,y)2
=(x+12(a14a),y14)2
この2つの中点が一致するので、
{x+12(a14a)=a14ay14=a2+116a2
となる。
これを整理して、
{x=12(a14a)y=a2+116a2+14
である。

解答キ:2, ク:1, ケ:4, コ:1, サ:6, シ:4

復習

軌跡の問題でまず初めにすることは、軌跡を求める点の座標を
(x,y)
とおくことだった。

点Tの座標を(x,y)とおくと、
{x=12(a14a)y=a2+116a2+14
aを媒介変数として、この式からxyの関係式をつくる。
簡単に言うと、aを消したい。

でも、どちらかの式をa=の形に変形するのは大変だから、上の式と下の式で同じ形を作って代入したい。

上の式は
a14a=2x
とかける。下の式は2乗っぽいので、両辺2乗してみよう。
(a14a)2=4x2式F
a212+116a2=4x2式F'
a2+116a2=4x2+12
できた。

これを下の式に代入して、求める軌跡は
y=4x2+12+14
y=4x2+34
である。

解答ス:4, セ:3, ソ:4


図B
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅡB第2問 解説図B

点Tと点Rのx座標は等しいので、線分TRはy軸に平行。
よって、TRを底辺としたときの△PTRの高さをh1とすると、
△PTR=12TRh1

また、TRを底辺としたときの△QTRの高さをh2とすると、
△QTR=12TRh2
S1=△PTR+△QTRなので、
S1=12TRh1+12TRh2
S1=12TR(h1+h2)式G

h1+h2は、点Pのx座標から点Qのx座標を引いたものに等しいので、
h1+h2=a+14a式H

TRは、点Tのy座標から点Rのy座標を引いて、
TR=a2+116a2+14+14
TR=a2+116a2+12

先に式F→式F'と変形したのに似ている。似たようなことをすると、
TR=(a+14a)2式I

式Gに式H・Iを代入して、
S1=12(a+14a)2(a+14a)
S1=12(a+14a)3
となる。

解答タ:2, チ:4, ツ:3

アドバイス

四角形PTQRの辺の長さから面積を出すこともできるけど、計算がややこしくなるのでおすすめしない。


次に、放物線Cと線分PQで囲まれた面積(図Bの黄色い部分)を求める。
直線PQの式をy=αx+βとすると、黄色い部分の面積は、
14aa{(αx+β)x2}dx
=14aa(x2αxβ)dx式J
この計算には16公式が使える。

復習

16公式は、
αβ(x2+bx+c)dx=16(βα)3
ただし、α,βx2+bx+c=0の解
だった。

よって、式Jは、
={16(a+14a)3}
=16(a+14a)3
となる。

解答テ:6, ト:4, ナ:3


一旦整理しよう。
(a+14a)3=Aとおくと、
S1(図Bの緑の斜線の部分)は、12A △PQR=12S1=14A 図Bの黄色い部分は、16A 以上より、
S2=△PQR-黄色い部分
S2=14A16A=112A
よって、
S2:S1=112A:12A
S2:S1=1:6
6S2=S1
S2=16S1
である。

解答ニ:1, ヌ:6


ここで、0<aより、0<14aなので、a+14aには相加平均と相乗平均の関係が使える。

復習

相加平均と相乗平均の関係は、
0A, 0B のとき、
A+B2AB
等号成立はA=Bのとき
だった。

よって、
a+14a2a14a
a+14a1
より、
a+14aの最小値は1式K

等号成立は、
a=14a
両辺をa倍して、
a2=14
0<aなので、
a=12
のとき。

解答ネ:2

S2=112(a+14a)3なので、式Kより、
S2の最小値は112である。

解答ノ:1, ハ:2