大学入試センター試験 2013年(平成25年) 追試 数学ⅠA 第2問 解説

ア~オ

復習

$y=ac^{2}+bx+c$の軸は、
$x=\displaystyle \frac{-b}{2a}$
だった。

よって、①の軸は
$x=\displaystyle \frac{2b}{2}=b$。
まぁ、問題文のアの前に書いてあるけど。
で、これを①に代入して、
$y=b^{2}-2b\displaystyle \cdot b-\frac{4}{3}b+\frac{5}{9}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =-b^{2}-\frac{4}{3}b+\frac{5}{9}$

解答ア:-, イ:4, ウ:3, エ:5, オ:9

別解

①を平方完成して、
$y=x^{2}-2bx-\displaystyle \frac{4}{3}b+\frac{5}{9}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =(x^{2}-2bx+b^{2}-b^{2})-\frac{4}{3}b+\frac{5}{9}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =(x-b)^{2}-b^{2}-\frac{4}{3}b+\frac{5}{9}$

解答ア:-, イ:4, ウ:3, エ:5, オ:9

(1)

ここで、グラフの移動の復習をしておこう。

復習

平行移動 $x$方向に$p$
$x\rightarrow(a-p)$
$y$方向に$q$
$y\rightarrow(y-q)$
対称移動
$x$軸に関して対称
$y\rightarrow-y$
$y$軸に関して対称
$x\rightarrow-x$
原点に関して対称
$x\rightarrow-x,y\rightarrow-y$
だった。

より、$y=ax^{2}-2x+c$を原点に関して対称移動すると、
$-y=a(-x)^{2}-2(-x)+c$
$y=-ax^{2}-2x-c$
これと①が等しくなるので、
$\left\{\begin{array}{l}
-a=1\\
-2=-2b\\
-c=-\frac{4}{3}b+\frac{5}{9}
\end{array}\right.$
となる。

この連立方程式を解いて、
$\left\{\begin{array}{l}
a=-1\\
b=1\\
c=\frac{7}{9}
\end{array}\right.$
である。

解答カ:-, キ:1, ク:1, ケ:7, コ:9

$b=1$のとき、アイウエオより、①の頂点は
$\left(1,-\frac{16}{9}\right)$式A

関数$y=x(x+4)$のグラフは、$x$軸と$0.-4$で交わるので、
頂点の$x$座標は
$x=-2$
これを関数の式に代入すると、
$y=-2(-2+4)$
$y$$=-4$
となるので、頂点の座標は
$(-2,-4)$

この頂点を$x$軸方向に$s$、$y$軸方向に$t$平行移動すると、式Aになるから、
$(-2+s,-4+t)=\left(1,-\frac{2}{9}\right)$
$(s,t)=\left(1+2,-\frac{16}{9}+4\right)$
$(s,t)$$=\left(3,\frac{20}{9}\right)$
である。

解答サ:3, シ:2, ス:0, セ:9

(2)

次は、$0\leqq x\leqq 1$における最小値の問題。グラフの軸は$x=b$なので、頂点が動くタイプの二次関数の最大最小の問題である。
まず、場合分け。
下に凸のグラフの最小を聞かれているので、図A・B・Cの3通りに場合分けをしよう。

図A
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅠA第2問 解説図A   
図B
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅠA第2問 解説図B   
図C
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅠA第2問 解説図C

図Aのときは、軸$b$は定義域の左端$0$より左にあるから、$b$の範囲で表すと$b \lt 0$のとき。
これは問題文の場合分けのひとつ目に当たり、最小値$m$は問題中にある通り
$m=-\displaystyle \frac{4}{3}b+\frac{5}{9}$

図Bのときは、$0\leqq b\leqq 1$のとき。
これは問題文の場合分けのふたつ目で、
$m=-b^{2}-\displaystyle \frac{4}{3}b+\frac{5}{9}$

図Cのときは、$1 \lt b$のとき。
これは問題文の場合分けのみっつ目で、最小値$m$は$x=1$のとき。
よって、①に$x=1$を代入して、
$m=1-2b-\displaystyle \frac{4}{3}b+\frac{5}{9}$
$m\displaystyle $$\displaystyle =-\frac{10}{3}b+\frac{14}{9}$
である。

解答ソ:1, タ:0, チ:3, ツ:1, テ:4, ト:9


以上をまとめると、
$m=\left\{\begin{array}{ll}
-\frac{4}{3}b+\frac{5}{9} & (b \lt 0)\\
-b^{2}-\frac{4}{3}b+\frac{5}{9} & (0\leqq b\leqq 1)\\
-\frac{10}{3}b+\frac{14}{9} & (1 \lt b)
\end{array}\right.$
である。
この式を使って、$m \lt 0$となる$b$の範囲を求める。

$b \lt 0$のとき、
$-\displaystyle \frac{4}{3}b+\frac{5}{9} \lt 0$式B
両辺$9$倍して、
$-12b+5 \lt 0$
$5 \lt 12b$
$\displaystyle \frac{5}{12} \lt b$式B'
数直線を描くと図Dとなるので、解なし。

図D
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅠA第2問 解説図D

$0\leqq b\leqq 1$のとき、
$-b^{2}-\displaystyle \frac{4}{3}b+\frac{5}{9} \lt 0$式C
両辺$-9$倍して、
$9b^{2}+12b-5 \gt 0$
$(3b+5)(3b-1) \gt 0$
$b \lt -\displaystyle \frac{3}{5},\frac{1}{3} \lt b$式C'
数直線を描くと図Eとなるので、$\displaystyle \frac{1}{3} \lt b\leqq 1$

図E
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅠA第2問 解説図E

$1 \lt b$のとき、
$-\displaystyle \frac{10}{3}b+\frac{14}{9} \lt 0$式D
両辺$9$倍して、
$-30b+14 \lt 0$
$14 \lt 30b$
$\displaystyle \frac{7}{15} \lt b$式D'
数直線を描くと図Fとなるので、$1 \lt b$

図F
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅠA第2問 解説図F

以上をあわせて、
$\displaystyle \frac{1}{3} \lt b$となるので、
$b \gt \displaystyle \frac{1}{3}$
である。

解答ナ:0, ニ:1, ヌ:3


最後は、グラフと$x$軸が指定された範囲で共有点を持つ問題。
このタイプの問題は、決まった解き方をするので憶えておこう。

復習

ポイントは、条件に合うグラフを描いて、
$x$軸との共有点の個数を考える条件A
境目(この場合は$x=0$と$x=1$)のときの$y$座標に注目する。条件B
グラフの軸が境目よりも右にあるか左にあるかを見る。条件C
だった。

条件に合うグラフをいくつか描くと、図Gのようになる。

図G
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅠA第2問 解説図G

条件Aについて、$x$軸と異なる2点で交わる。
$0 \lt D$としてもいいのだけれど、頂点の$y$座標が分かっているから、それを使おう。
$-b^{2}-\displaystyle \frac{4}{3}b+\frac{5}{9} \lt 0$
これは式Cと同じ不等式なので、答えも式C'と同じ
$b \lt -\displaystyle \frac{3}{5},\frac{1}{3} \lt b$式E
である。

条件Bについて、$x=0$のときも$x=1$のときも、放物線の$y$座標は$0$以上でないといけない。
なので、①に$0,1$を代入して、
$\left\{\begin{array}{l}
0\leqq-\frac{4}{3}b+\frac{5}{9}\\
0\leqq-\frac{10}{3}b+\frac{14}{9}
\end{array}\right.$
これは式B・Dの補集合なので、答えも式B'・D'の補集合の
$\left\{\begin{array}{l}
b\leqq\frac{5}{12}\\
b\leqq\frac{7}{15}
\end{array}\right.$
より、この2つの範囲が重なる
$b\displaystyle \leqq\frac{5}{12}$式F
が、条件Bの範囲になる。

条件Cについて、軸は$0\leqq x\leqq 1$の範囲にないといけないので、
$0\leqq b\leqq 1$式G

式E~Gの重なる部分が答えだ。

図H
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅠA第2問 解説図H

数直線を描くと図Hになるので、求める$b$の範囲は
$\displaystyle \frac{1}{3} \lt b\leqq\frac{5}{12}$
である。

解答ネ:1, ノ:3, ハ:1, ヒ:3, フ:5, ヘ:1, ホ:2