数学B : 数列 m項ずつにまとまった等比数列の和

例題

公比が1でない実数の等比数列{an}がある。
{an}の初項から第8項の和が8,第5項から第12項の和が24のとき、初項から第16項の和を求めなさい。

アドバイス

等比数列の和の公式
Sn=a1(1rn)1r
を使いたくなるけれど、そうすると今回は面倒なことが起こる。

この問題のように、等比数列の和の問題で、
初項からはじめて、8項の和
第5項からはじめて、8項の和
が分かっているようなとき、つまり、m項ずつのセットの和が分かっているようなときは、お約束の解き方があるので憶えておこう。

以下、「おすすめじゃない解き方」で等比数列の和の公式を使った解法を説明した後、「おすすめの解き方」で上手な方法を説明した。
前の方法より、後の方法が圧倒的に簡単なことが分かってもらえると思う。

おすすめじゃない解き方

等比数列の和の公式から、公比をrとして、
S8=a1(1r8)1r=8式A
S12S4=a1(1r12)1ra1(1r4)1r=24
として、
S12S4S8=a1(1r12)1ra1(1r4)1ra1(1r8)1r=248
より
(1r12)(1r4)1r8=3
r12+r41r8=3
r4(1r8)1r8=3
ここで、r1でない実数なので、1r80だから、
r4=3
r=±314


r=314のとき、式Aより
a1{1(314)8}1314=8
a1(1384)1314=8
a1(19)1314=8
8a11314=8
a1=1+314

r=314のとき、式Aより
a1{1(314)8}1(314)=8
a1(1384)1+314=8
a1(19)1+314=8
8a11+314=8
a1=1314


となるので、
a1=1±314r=±314 (複合同順)
である。


求める初項から第16項の和は、等比数列の和の公式より、
S16=a1(1r16)1r
S16=(1±314){1(±314)16}1(±314)
S16=(1±314)(13164)(1±314)
S16=1+3164
S16=1+81
S16=80
である。

解答80

おすすめの解き方

初項から第8項の和
a1+a2++a8=8
a1rを使って表すと、
a1+a1r+a1r7=8式C
となる。

同様に
a5+a6++a12=24
a1rを使って表すと、
a1r4+a1r5+a1r11=24
r4(a1+a1r+a1r7)=24
となる。この式の()内は式Cと同じなので、
8r4=24
r4=3式D


初項から第16項の和は、
(a1+a2++a8)+(a9+a10++a16)
だけど、前半の
a1+a2++a8
の部分は、問題文より8であることが分かっている。
なので、後半の
a9+a10++a16
の部分だけ考える。

さっきと同様に、この式をa1rを使って表すと、
a1r8+a1r9+a1r15
=r8(a1+a1r+a1r7)式E
となる。

式Dより、
r4=3
なので、
r8=(r4)2=9

式Cより、
a1+a1r+a1r7=8

なので、式Eより
a9+a10++a16=98
よって、
(a1+a2++a8)+(a9+a10++a16)=8+98
(a1+a2++a8)+(a9+a10++a16)=8(1+9)
(a1+a2++a8)+(a9+a10++a16)=80
である。

解答80