大学入学共通テスト 2025年(令和7年) 本試 数学ⅡBC 第2問 解説
(1)
問題文より、水草Aの量は$3$日間で$1.32$倍になる。
また、水草Aの量が一日に$r$倍になるとき、
$1$日目の水草Aの量は、$0$日目の$r$倍
$2$日目の水草Aの量は、$1$日目の$r$倍
$3$日目の水草Aの量は、$2$日目の$r$倍
だから、
$3$日目の水草Aの量は、$0$日目の$r^{3}$倍
になる。
これを式にすると
$r^{3}=1.32$
とかける。
解答ア:3
さらに、常用対数表を見ると、
$\log_{10}1.32=0.1206$
だ。
解答イ:1
この式にアを代入すると
$\log_{10}r^{3}=0.1206$
$3\log_{10}r=0.1206$
$$
\begin{align}
\log_{10}r&=\frac{0.1206}{3}\\
&=0.0402 \class{tex_formula}{式A}
\end{align}
$$
であることが分かる。
解答ウ:0, エ:4, オ:0, カ:2
(2)
作業の後に残す水草Aの量、つまり$0$日目の水草Aの量を$a[\%]$とする。
$14$日間で、水草Aは$r^{14}$倍に増える。
解答キ:3
なので、$14$日目の水草の量は
$a\times r^{14}[\%]$
とかける。
これがちょうど$60[\%]$になってほしいので、
$a\times r^{14}=60$①
であればよい。
解答ク:6, ケ:0
①式を満たす$a[\%]$を求めると、作業で何%の水草Aを残せば 次回の作業時に水草Aが水面の$60[\%]$になるかが分かる。
というわけで、方程式①を解こう。
問題文の指示通り、①式の両辺の常用対数をとって、
$\log_{10}ar^{14}=\log_{10}60$
これを変形して、
$\log_{10}a+\log_{10}r^{14}=\log_{10}(6\times 10)$
$\log_{10}a+14\log_{10}r=\log_{10}6+\log_{10}10$
これに
$\left\{\begin{array}{l}
\text{式A}\\
\log_{10}6=0.7782\\
\log_{10}10=1
\end{array}\right.$
を代入すると
$\log_{10}a+14\times 0.0402=0.7782+1$
$$
\begin{align}
\log_{10}a&=0.7782+1-14\times 0.0402\\
&=1.2154\class{tex_formula}{式B}
\end{align}
$$
であることが分かる。
解答コ:3
この$a$がどのくらいの値になるかを求めよう。
式Bの小数部分の$0.2154$付近の数を常用対数表で探すと、
$\textcolor{green}{\log_{10}1.64}=\textcolor{green}{0.2148}$
$\textcolor{royalblue}{\log_{10}1.65}=\textcolor{royalblue}{0.2175}$
が見つかる。
これを使うと、
$\textcolor{green}{0.2148} \lt0.2154 \lt \textcolor{royalblue}{0.2175}$
より
$\textcolor{green}{\log_{10}1.64} \lt 0.2154 \lt \textcolor{royalblue}{\log_{10}1.65}$
と表せる。
この式の各辺に$1$をたして、
$\log_{10}1.64+1 \lt 1.2154 \lt \log_{10}1.65+1$
$1=\log_{10}10$なので、
途中式
$\left(\begin{aligned}&\log_{10}1.64\\&\quad+\log_{10}10\end{aligned}\right) \lt 1.2154 \lt \left(\begin{aligned}&\log_{10}1.65\\&\quad+\log_{10}10\end{aligned}\right)$
$\log_{10}(1.64\times 10) \lt 1.2154 \lt \log_{10}(1.65\times 10)$
これに式Bを代入して、
$\log_{10}16.4 \lt \log_{10}a \lt \log_{10}16.5$
常用対数の底の$10$は$1$より大きいので、
$16.4 \lt a \lt 16.5$
であることが分かる。
したがって、$a$以下で最大の整数は
$16$
である。
解答サ:1, シ:6