大学入学共通テスト 2025年(令和7年) 本試 数学ⅠA 第4問 解説

(1)

1回目または2回目に当たりが出る確率は
1回目に当たりが出る確率の$\dfrac{3}{16}$ 1回目に当たりが出ず、かつ2回目に当たりが出る確率の$\dfrac{1}{8}$ をたして、
$$ \begin{align} \dfrac{3}{16}+\dfrac{1}{8}&=\dfrac{3+2}{16}\\ &=\dfrac{5}{16} \end{align} $$ である。

解答ア:5, イ:1, ウ:6

また、1回目も2回目も当たりが出ない確率は、イウの余事象なので
$1-\dfrac{5}{16}=\dfrac{11}{16}$式A
となる。

解答エ:1, オ:1, カ:1, キ:6

同様に考えると、1回も当たりが出ない確率は「1回目または2回目または3回目に当たりが出る」の余事象だ。

1回目または2回目または3回目に当たりが出る確率は
$$ \begin{align} \frac{\fbox{ア}}{\fbox{イウ}}+\dfrac{1}{16}&=\frac{5}{16}+\dfrac{1}{16}\\ &=\frac{3}{8}\class{tex_formula}{式B} \end{align} $$ なので、その余事象の確率は
$1-\dfrac{3}{8}=\dfrac{5}{8}$式C
である。

解答ク:5, ケ:8

(2)

(i)

$X=0$ になるのは、参加者が景品を受け取らない、つまり1回も当たりが出ないとき。
その確率は、式Cの
$\dfrac{5}{8}$

$X=1200$ になるのは、参加者が景品を受け取る、つまり当たりが出たとき。
その確率は、式Bの
$\dfrac{3}{8}$

だから、問題文中の確率分布表を完成させると次のようになる。

$X$ $0$ $1200$
確率$\dfrac{5}{8}$ $\dfrac{3}{8}$ $1$

確率分布表より、$X$の期待値は
$0\times\dfrac{5}{8}+1200\times\dfrac{3}{8}=450$
である。

解答コ:4, サ:5, シ:0

(ii)

(i)で求めた$X$の期待値$450$は
$450 \lt 500$ だ。

解答ス:0

したがって、問題文中の判断基準によると、参加料$500$円は
妥当である ことになる。

解答セ:0

(3)

(i)

問題文より、1回目に当たりが出る確率は$\dfrac{3}{16}$ 1回目に当たりが出ず、2回目に当たりが出る確率は$\dfrac{1}{8}$ 式Aより、1回目,2回目ともに当たりが出ない確率は$\dfrac{11}{16}$

なので、問題文中の確率分布表を完成させると次のようになる。

$Y$ $170$ $340$ $510$
確率$\dfrac{3}{16}$ $\dfrac{1}{8}$ $\dfrac{11}{16}$ $1$

よって、$Y$の期待値は
$170\times\dfrac{3}{16}+340\times\dfrac{1}{8}+510\times\dfrac{11}{16}$

途中式 $\qquad=\textcolor{red}{170}\left(\dfrac{3}{16}+2\times\dfrac{2}{16}+3\times\dfrac{11}{16}\right)$
$\qquad=\dfrac{\textcolor{red}{170}}{16}(3+4+33)$
$\qquad=\dfrac{\textcolor{red}{170}\times 40}{16}$
$\qquad=\dfrac{\textcolor{red}{170}\times 5}{2}$式D
$\qquad=425$
である。

解答ソ:4, タ:2, チ:5

(ii)

したがって、
$X$の期待値$450 \gt Y$の期待値$425$ だ。

解答ツ:1

なので、問題文中の判断基準によると、くじ引き料$170$円は
妥当ではない ことになる。

解答テ:1


問題文中の判断基準で 妥当であると判断するのは
$X$の期待値$450 \lt Y$の期待値…※ のとき。

(3)(i)では$a=170$のときの$Y$の期待値を求めた。
その計算を振り返ってみると、式Dの赤い部分が$a$にあたる。

この赤い部分を$a$で考えると、※より、妥当であると判断する$a$の範囲は
$450 \lt \dfrac{5a}{2}$
とかける。

これを計算して、求める$a$の範囲は
$90 \lt \dfrac{a}{2}$
$180 \lt a$
である。

解答ト:1, ナ:8, ニ:0