数学A : 場合の数と確率 大学入試センター試験 1999年追試 数学ⅠA第1問 [2] 解説

アドバイス

考え方の難易度は高くないんだけど、場所によって確率が変わるのでミスしやすい問題だ。
情報をどうやって効果的に整理するかが、失点を防ぐポイントになる。

問題を解く準備

図A
大学入試センター試験1999年追試 数学ⅠA第1問 [2] 解説図A

まず、ルールを確認しておこう。
甲君と乙君はそれぞれさいころを振って、出た目によって図Aのように動く。
確率にすると、図Bのようになる。

図B
大学入試センター試験1999年追試 数学ⅠA第1問 [2] 解説図B

面倒なのはここからだ。
さいころが示した方向に道がなければ、逆方向に動かないといけない。
なので、確率は、十字路だと図Bのままだけど、T字路だと図Cのように変わる。

図C
大学入試センター試験1999年追試 数学ⅠA第1問 [2] 解説図C

つまり、場所によって確率が変わる。
この一定しない確率を見て分かりやすく整理できるかどうかが、この問題のポイントだ。
必ず確率を書き出すこと。絶対に記憶に頼って解こうとしてはいけない。

ここでは、確率を街路の図に書き込んでしまうことにする。
問題文中の図に、必要な部分の確率を書き込むと、図Dができる。
図がややこしくなるので、分子だけ書いた。

図D
大学入試センター試験1999年追試 数学ⅠA第1問 [2] 解説図D

この図をもとに、問題を解く。

(1)

図E
大学入試センター試験1999年追試 数学ⅠA第1問 [2] 解説図E

図Dから必要な部分だけをとりだして図Eをつくった。

2回の移動でAからCまで移動するためには、図Eの赤または青のルートをとらないといけない。

図Eより、
甲君が
赤いルートを通る確率は、
26×26
青いルートを通る確率も、
26×26
なので、2回さいころを振ってCに到達する確率は
26×26+26×26=29
となる。

解答ス:2, セ:9

また、4回の移動でDに到達するためには、

はじめの2回でAからCへ
残りの2回でCからDへ

移動しないといけない。

はじめの2回の移動の確率は、で求めた
29式A
だ。

残りの2回の移動の確率は、図Eのオレンジまたは緑のルートの確率なので、
26×36+26×36=13式B
となる。

よって、求める4回さいころを振ってDに到達する確率は、式Aと式Bをかけた
29×13=227
である。

解答ソ:2, タ:2, チ:7

(2)

図F
大学入試センター試験1999年追試 数学ⅠA第1問 [2] 解説図F

2回の移動で甲君と乙君が出会わないパターンはたくさんあるけど、出会うのは
Cで出会う の1パターンしかない。
なので、Cで出会う確率を求めて、1から引こう。

2回の移動で甲君がCに到達する確率は、で求めたように
29式A
だった。

2回の移動で乙君がCに到達するのは、図Fの赤いルートの一通りしかない。
その確率は
36×16式C
である。

2回の移動で甲君と乙君が出会う確率は、式Aと式Cをかけた
29×3616=154
だから、出会わない確率は、これを1から引いて、
1154=5354
となる。

解答ツ:5, テ:3, ト:5, ナ:4


図G
大学入試センター試験1999年追試 数学ⅠA第1問 [2] 解説図G

最後は、甲君と乙君が3回の移動ではじめてE出会う確率だ。

甲君からはじめよう。
3回の移動でEに到達するためには

はじめの2回でAからCへ
残りの1回でCからEへ

移動しないといけない。

はじめの2回の移動の確率は、で求めたように
29式A
だった。

残りの1回の移動の確率は図Gの赤いルートの確率なので、甲君がEに到達する確率は、これと式Aをかけた
29×26=293式D
となる。

次に、乙君の確率だ。
乙君が3回の移動でBからEへ移動するためには、CかDのどちらかを通らないといけない。
けれど、Cを通ると、2回さいころを振った時点で甲君と出会ってしまうから不適。
なので、Dを通る場合だけを考える。

Bからスタートして、3回の移動でDを通ってEに到達するためには、

はじめの2回は青またはオレンジのルート
残りの1回は緑のルート

を通らないといけない。

青またはオレンジのルートを通る確率は、
3636+3636=12
緑のルートを通る確率は
16
なので、乙君がEに到達する確率は、
12×16式E
である。

求める確率は、甲君・乙君ともにEに到達する確率なので、式Dと式Eをかけた
293×1216=1162
となる。

解答ニ:1, ヌ:1, ネ:6, ノ:2