数学Ⅰ : 図形と計量 三角比を単位円で表す
アドバイス
三角比を円で考えることは多いけど、「何で円が出てくるのか分からない」っていう生徒も多い。これが納得できてないと困ったことも起こるので、ここで復習しておこう。
直角三角形と三角比
まず、三角比の定義について復習しよう。
定義
図Aのように
だった。
例えば
だし、図Cのような辺の比が
だ。
三角比の拡張
でも、上の定義は分かりやすいけど不便なことも多い。例えば
なので、ちょっと工夫してみる。
図Bと図Cのの三角形を、斜辺が
図Bは斜辺が
すると、縮小した三角形の
斜辺:
高さ:
底辺:
となって、図Dができる。
同じように図Cの三角形の各辺を
斜辺:
高さ:
底辺:
となって、図Eができる。
このことから、斜辺が
高さ
底辺
となりそうだけど、考えてみれば当たり前だ。もとの三角形の高さと底辺をそれぞれ斜辺で割るから、結果的に式Aの計算をしたことになる。
よって、必ず図Fのような関係になるといえる。
ここから円がでてくる。
図Fの三角形の頂点Bを、座標平面の原点におくと、図Gのようになる。
斜辺の長さは
頂点Aは、原点から
になる。
以上より、三角比の新しい定義ができる。
定義
座標平面において、原点から、
この交点の
新しい定義を使えば、
tanθ
新しい定義が出来たけれど、
なので、もうちょっと工夫を続けよう。
方法1:直角三角形を縮小して考える
さっきと同じように、直角三角形を縮小して考えてみよう。
さっきは
今度は
図Bの三角形は底辺が
すると、縮小した三角形の
底辺:
高さ:
斜辺は省略
となって、図Iができる。
同じように図Cの三角形の各辺を
底辺:
高さ:
斜辺は省略
となって、図Jができる。
このように、底辺が
高さ
となる。
図Kの三角形の頂点Bを、座標平面の原点におくと、図Lのようになる。
このとき、点Aの座標は
なので、
原点から
方法2:傾きから考える
図Hの緑の直線は、傾きが
である。
となるから、
よって、
原点から
当たり前だけど、方法1と同じことが分かった。
まとめ
図Hと図Lを合わせると図Mができる。参考書などで見慣れた図だけど、上で説明したような考えで作られている。この図はよく使うから、ちゃんと理解してほしい。
アドバイス
最後に、よく見る間違いをひとつ。
緑の線を右に延ばして、