大学入試センター試験 2015年(平成27年) 旧課程 旧課程 追試 数学ⅠA 第3問 解説

解説

図A
大学入試センター試験2015年追試 旧数学ⅠA第3問 解説図A
160
余弦定理

∠ABDのcosだけれど、△ABCの三辺の長さが分かっているから、余弦定理を使おう。
余弦定理より、
102=42+62246cosABD
cosABD=42+62102246
cosABD=42246
cosABD=78
である。

解答ア:7, イ:8

ADは、△ABDで余弦定理を使って、
AD2=42+3224378
AD2=4
0<ADなので、
AD=2
となる。

解答ウ:2

160
正弦定理

外接円の半径は、正弦定理を使うか、面積から求めるかだけれど。
ここではcosABDとADが分かっているから、問題の流れとして正弦定理を使おう。

sin2ABD+(78)2=1
より、
sin2ABD=1582
0<sinABDなので、
sinABD=158

正弦定理より、外接円の半径をRとすると、
2R=ADsinABD
2R=2158
分母分子に8をかけて、
2R=2815
R=815
R=81515
である。

解答エ:8, オ:1, カ:5, キ:1, ク:5


これまでで分かったことをまとめると

図B
大学入試センター試験2015年追試 旧数学ⅠA第3問 解説図B
314
方べきの定理と逆

さて、AEだけど、正弦定理や余弦定理は△ADEでも△CDEでも使えない。正弦定理や余弦定理の次は、円があるから方べきの定理を疑おう。
図Bで、円Oに関して方べきの定理を用いると、
CACE=CDCB
なので、
10CE=36
CE=1810
ここで、求めるAECE10なので、
AE=181010
AE=181010
AE=810
分母を有理化して、
AE=81010
AE=4105
となる。

解答ケ:4, コ:1, サ:0, シ:5

図Bを見ると、DE//CFなので、△ADE∽△AFCが見える。
なので、AFについては相似を使おう。

ADE∽△AFCなので、
AD:AF=AE:AC
より、
AEAF=ACAD
だから、
4105AF=102
両辺を210で割って、
25AF=1
AF=52
である。

解答ス:5, セ:2

外接円の半径を求めようと思えば、正弦定理か面積だ。まぁこの問題で面積はないとして、△ACFで正弦定理を使おうとすると、∠ACFか∠AFCのsinが分かればよい。
そう考えると、図Bの●をつけた角はすべて等しいので、∠ACFのsinはすでに計算済みだ。
ということで、正弦定理を使おう。

ADの円周角は等しいので、
ABD=AED
平行線の錯角は等しいので、
AED=ACD
よって、
sinACF=158
であるのが分かる。

正弦定理より、円O'の半径をRとすると、
2R=52158

分母分子に8をかけて、
2R=4515
R=2515

分母を有理化して、
R=251515
R=2153
となる。

解答ソ:2, タ:1, チ:5, ツ:3

別解

問題の流れから正弦定理を使ってO'の半径を求めたけれど、実は相似を使った方が簡単。

ADE∽△AFCで、相似比が
AD:AF=2:52
AD:AF=4:5式A
なので、その外接円の半径も4:5
よって、円O'の半径をRとすると、
81515:R=4:5
4R=581515
R=2153
となる。

解答ソ:2, タ:1, チ:5, ツ:3


ここまでで分かったことを、図Cにまとめてみた。

図C
大学入試センター試験2015年追試 旧数学ⅠA第3問 解説図C

さて、次はcosOAEcosOACだ。
図Cの赤い斜線の三角形と青い斜線の三角形は、斜辺がそれぞれの円の半径の二等辺三角形で、3辺の長さが分かっている。だから、余弦定理を使えばcosOAEcosOACを求められるけど、面倒だからしたくない。
なので、センター試験の三角比の問題でよく出る、あの方法を使おう。

図D
大学入試センター試験2015年追試 旧数学ⅠA第3問 解説図D
142
正弦・余弦・正接

図Cの赤い斜線の三角形は、OA=OEの二等辺三角形である。それだけ取り出してみた。
OからAEに下ろした垂線の足をHとすると、△OAHは直角三角形で、
cosOAH=AHAO
cosOAH=210581515
分母分子を15倍して、
cosOAH=3210815
cosOAH=3243
cosOAH=324
cosOAH=64

解答テ:6, ト:4

青い斜線の三角形でも同じことをして、
cosOAH=1022153
分母分子を6倍して、
cosOAH=310415
cosOAH=3243
cosOAH=324
cosOAH=64

解答ナ:6, ニ:4


以上より、∠OAE=∠O'AEとなるから、OAO'は一直線上にある。
なので、OO'はふたつの外接円の半径の和。
OO=81515+2153
OO=815+101515
OO=181515
OO=6155
となる。

解答ヌ:6, ネ:1, ノ:5, ハ:5

テトナニをとばしてヌネノハだけ求めるのであれば、

式Aより、△ADE∽△AFCで、相似比が4:5であるから、外接円も半径の比が4:5
よって、赤い斜線の三角形と青い斜線の三角形も比が4:5の相似になる。
相似な三角形の対応する角は等しいので、∠OAE=∠O'AEとなり、OAO'は一直線上にある。

の方が、解法としてはシンプルだ。