数学Ⅰ : 数と式 絶対値の基本
例題
次の方程式・不等式を解きなさい。
1. $|x|=3$ 2. $|x|\leqq 3$ 3. $|x+2|=3$ 4. $|x+2|\leqq 3$
アドバイス
復習
$a \gt 0$のとき、
$|x|=a\ \Leftrightarrow\ x=\pm a$
$|x| \lt a\ \Leftrightarrow\ -a \lt x \lt a$
$|x| \gt a\ \Leftrightarrow\ x \lt -a,\ a \lt x$
だった。
これを使うと、例題1,2は
$|x|=3$
$x=\pm 3$
解答$x=\pm 3$
$|x|\leqq 3$
$-3\leqq x\leqq 3$
解答$-3\leqq x\leqq 3$
と一瞬で終わってしまう。問題を解くときにはこれでいいんだけれど、原理を知っておいた方が応用もしやすい。なので、ここでは数直線を使って「目で見て考える」ことにする。
数直線を使った方法
まず、絶対値の性質を思い出しておこう。
復習
絶対値$|a|$は、$a$と原点との距離である
この性質を例題1,2に当てはめてみる。
1.
$|x|=3$より、原点と$x$の距離が$3$なので、$x$は原点から左(-方向)か右($+$方向)に$3$離れたところにある(図A)。
なので、
解答$x=\pm 3$
2.
$|x|\leqq 3$より、原点と$x$の距離が$3$以下なので、$x$は原点から左に$3$離れた$-3$と、右に$3$離れた$3$の間にある(図B)。
なので、
解答$-3\leqq x\leqq 3$
残りの例題も同じように解こう。
3.
絶対値の中の$x+2$を$\mathrm{A}$とおくと、例題3は
$|\mathrm{A}|=3$
とかける。数直線を描くと図Cのようになるので、
$\mathrm{A}=\pm 3$
$\mathrm{A}$をもとにもどして、
$x+2=\pm 3$
$x=-2\pm 3$
$x=-5,1$
となる。
解答$x=-5,1$
4.
例題4も、絶対値の中の$x+2$を$\mathrm{A}$とおくと、
$|\mathrm{A}|\leqq 3$
とかける。数直線を描くと図Dのようになるので、
$-3\leqq \mathrm{A}\leqq 3$
$\mathrm{A}$をもとにもどして、
$-3\leqq x+2\leqq 3$
それぞれの辺から$2$を引いて、
$-3-2\leqq x+2-2\leqq 3-2$
$-5\leqq x\leqq 1$
となる。
解答$-5\leqq x\leqq 1$