大学入学共通テスト 2018年(平成30年) 問題例 記述式を含む 問題例1 [3] 解説

(1)

(i)

図A
大学入学共通テスト2018年 記述式を含む 問題例1[3] 解説図A

問題の条件を満たすとき、クレーンは図Aのような状態になっている。

図中の緑の三角形は、辺の比が
1:2:3
の直角三角形なので、このときのアームの角度は
60
である。

解答ク:6, ケ:0


(ii)

図B
大学入学共通テスト2018年 記述式を含む 問題例1[3] 解説図B

電線は、図Bの赤い点の位置にある。
なので、アームの角度が図中のαより大きければ、アームは電線の上側にある。
というわけで、角度αを求めよう。

図Bの緑の三角形は直角三角形で、
底辺は2 高さは(51.8)=3.2 なので、
tanα=3.22
tanα=1.6
である。

三角比の表を見ると、
tan57=1.5399 tan58=1.6003 なので、
57<α<58
であることが分かる。

よって、選択肢のうちαより角度が大きいのは
④,⑤,⑥,⑦
の4つで、アームの角度がこの4つの場合にアームは電線の上側にある。

解答コ:4,5,6,7

(2)

(i)

図C
大学入学共通テスト2018年 記述式を含む 問題例1[3] 解説図C

(2)は、アームが曲がる問題だ。

図Cの状態のとき、CBA(赤い角度)を求めよという。

図Cのままだと見にくいので、図中の緑の三角形を取り出して図Dにしてみた。

図D
大学入学共通テスト2018年 記述式を含む 問題例1[3] 解説図D

図Dのように、辺BCの延長に 点Aから垂線を下ろし、その足を点Hとする。

このとき、△ACHは辺の比が1:2:3の直角三角形なので、
CH=32 AH=332 である。

なので、△ABHは、
AH=332 BH=5+32 の直角三角形であることが分かる。

よって、求めるCBAについて、
tanCBA=3325+32
tanCBA=3313
となる。


31.73なので、これは
tanCBA3×1.7313
tanCBA0.3992
くらいの数だ。

三角比の表を見ると、
tan21=0.3839 tan22=0.4040 なので
21<CBA<22
である。

よって、選択肢のうち

22が最も近い。

解答サ:3

別解

計算は少し多くなるけど、余弦定理と正弦定理を使っても解ける。

図E
大学入学共通テスト2018年 記述式を含む 問題例1[3] 解説図E

図Eの緑の三角形に余弦定理を使うと、
AB2=AC2+BC22ACBCcos120

途中式 より
AB2=32+52235(12)
AB2=32+52+35
AB2=49
なので
AB=7
である。

同じ三角形に正弦定理を使うと、
ACsinCBA=ABsinACB

途中式 より
3sinCBA=732
3sinCBA=273
sinCBA3=327
sinCBA=3314
となる。


31.73なので、これは
sinCBA3×1.7314
sinCBA0.3707
くらいの数だ。

三角比の表を見ると、
sin21=0.3584 sin22=0.3746 なので
21<CBA<22
である。

よって、選択肢のうち

22が最も近い。

解答サ:3


(ii)

図F
大学入学共通テスト2018年 記述式を含む 問題例1[3] 解説図F

さらに、図Fの状態のとき、線分DD(赤い線分)の長さをθ1θ2を使って表せという。

図Fの青い四角の部分を抜き出すと、図Gができる。

図G
大学入学共通テスト2018年 記述式を含む 問題例1[3] 解説図G

図G中の、
EEは、点Cを通るBDと平行な直線と、ADADの交点 青い円は、点Cを中心とする半径3の円 である。

このとき、
BDCEADADなので、
DD=EE
だから、EE(図Gの赤い線分)の長さをθ1θ2で表せばよい。


cosACE=CEAC
より
CE=ACcosACE
だけど、
AC=3ACE=θ2θ1
なので、
CE=3cos(θ2θ1)式A
である。

また、
cosACE=CEAC
より
CE=ACcosACE
だけど、
AC=3ACE=θ2
なので、
CE=3cosθ2式B
である。

ここで、EE
EE=CECE
とかける。
これに式A,式Bを代入して、
EE=3cos(θ2θ1)3cosθ2
となるから、
DD=3cos(θ2θ1)3cosθ2
である。

解答い:3cos(θ2θ1)3cosθ2