大学入学共通テスト 2017年(平成29年) 問題例 マーク式 問題例4 解説

はじめに

問題文のグラフ表示ソフトを再現してみた。
スライダーを動かしてイメージをつかんでみよう。

下のグラフ表示ソフトは、InternetExplorerでは動作しません。
← ○ / a= △ ┼
1A_1_1_01

(1)

図A
大学入学共通テスト2017年 マーク式 問題例4 解説図A

花子さんの発言の
直線CSと円O1の交点のうちSと異なる点をDとおく より、点Dは図Aの赤い点。

ここでは、点CSを通る直線が点Aを通る場合を考えている。
このとき、点Dが一致する点は
A
である。

解答ア:3

(2)

Aも点Dも円O1上の点。
よって、弦QSに関してADが同じ側にあれば、同じ弧に対する円周角なので
SAQ=SDQ
になる。

なので、正しい選択肢は

だ。

解答イ:4

(3)

四角形AQPSは円に内接するので
ASP+AQP=180
また、AQB=180なので、
BQP+AQP=180
である。

なので、
ASP=BQP
となる。

解答ウ:2

と、ここまではあまり悩むことはないと思うんだけど、この先はちょっと考えないといけない。
図を見ながら考えよう。

図B
大学入学共通テスト2017年 マーク式 問題例4 解説図B

図Bで、赤い丸はで等しいことが分かった角。
色がついている角のは、選択肢にある角だ。
つまり、証明に使えるのは色がついている角だけ。

目標は、ASC=180を証明すること。
なので、CSP(図Bの青い角)は必ず使う。
これに気づけば、あとは簡単だ。

のときと同じように考えると、青い角と緑の角は等しい。
さらに、四角形BRPQは円に内接するから、緑の角と赤い角をたすと180だ。
この証明を、に当てはめればよい。

以上より、問題文に当てはめて証明をつくると、次のようになる。

四角形CSPRは円O3に内接するので、
CSP(図Bの青い角)=BRP(図Bの緑の角)
である。

解答エ:3, オ:5, カ:1

四角形BRPQは円O2に内接するので、
BQP(図Bの赤い角)+BRP(緑の角)=180
である。

解答キ:2

(4)

図C
大学入学共通テスト2017年 マーク式 問題例4 解説図C

Aが円O2内部にある場合、例えば図Cのような図形ができる。

赤い角は、(3)で証明に使ったASPBQPCSPBRPだ。
図中に赤い角が3つしかないのは、点ACSが一直線上にあるとき、ASPCSPは同じ角だから。

図Cを見ると、赤い角は全部同じ角度っぽい。
赤い角が同じ角度だっていうことからASP=CSPにもってゆけば、点CSを通る直線が点Aを通ると証明できそうだ。
この方針で行ってみよう。


以下、図D,図E,図Fは、図Cの中心部を抜き出したものだ。
また、解説中の下線部は、問題文の証明の下線部に対応している。


問題文の証明の通り、ASPから始める。

図D
大学入学共通テスト2017年 マーク式 問題例4 解説図D

図Dの赤い2つの角は、緑の円について、(a)同じ弧の円周角なので等しい
よって、
ASP=(b)BQP
である。

問題文の証明をこれと同じにするには、(a)は修正しないといけないけど、(b)はそのままでいい。


図E
大学入学共通テスト2017年 マーク式 問題例4 解説図E

図Eの赤い2つの角は、緑の円について、(c)同じ弧の円周角なので等しい
よって、
(d)CSP=BRP
である。

問題文の証明をこれと同じにするには、(c)は修正しないといけないけど、(d)はそのままでいい。


図F
大学入学共通テスト2017年 マーク式 問題例4 解説図F

図Fの赤い2つの角は、緑の円について、(e)同じ弧の円周角なので等しい
よって、
(f)BQP=BRP
である。

問題文の証明をこれと同じにするには、(e),(f)は修正しないといけない。


よって、(g)ASP=CSPなので、3点CSAは一直線上にある。

なので、(g)も修正しないといけない。


以上より、修正が必要なのは
(a),(c),(e),(f),(g)
の5か所だ。
これに当てはまるのは、選択肢の

である。

解答ク:3