大学入試センター試験 2015年(平成27年) 旧課程 旧課程 本試 数学ⅠA 第3問 解説
解説
余弦定理
まず∠Cの$\cos$と$\sin$を求める。
三辺の長さが分かっているので、余弦定理より、
$\sqrt{7}^{2}=2^{2}+3^{2}-2\cdot 2\cdot 3\cdot\cos\angle \mathrm{C}$
$\displaystyle \cos\angle \mathrm{C}=\frac{2^{2}+3^{2}-\sqrt{7}^{2}}{2\cdot 2\cdot 3}$
$\displaystyle \cos\angle \mathrm{C}$$\displaystyle =\frac{1}{2}$
となる。
解答ア:1, イ:2
142正弦・余弦・正接
$\cos\angle \mathrm{C}$が$\displaystyle \frac{1}{2}$より、$\angle \mathrm{C}=60^{\circ}$。なので、計算するまでもなく、
$\displaystyle \sin\angle \mathrm{C}=\frac{\sqrt{3}}{2}$
である。
解答ウ:3, エ:2
160正弦定理
次は外接円の半径だ。$\sin\angle \mathrm{C}$を求めた後に外接円の半径なので、外接円の半径$R$は、正弦定理より、
$\displaystyle \frac{c}{\sin\angle \mathrm{C}}=2R$
$2R=\displaystyle \frac{\sqrt{7}}{\frac{\sqrt{3}}{2}}$
$R=\displaystyle \frac{\sqrt{7}}{\sqrt{3}}$
$R\displaystyle $$\displaystyle =\frac{\sqrt{21}}{3}$
である。
解答オ:2, カ:1, キ:3
図Bに、これまでに分かったことをまとめてみた。
∠AOBは円周角∠Cに対する中心角なので、$120^{\circ}$。
外接円の中心OからABに下ろした垂線の足をHとすると、△AOH≡△BOHで、$30^{\circ}60^{\circ}$の直角三角形が2つできる。
次に問われている円Oの弧ABと弦ABに囲まれた図形は、図Bのピンクの部分だけど、斜線の扇形から青い三角形を引けばいいのが分かる。
斜線の扇形の面積$S_{1}$は、
$S_{1}=\displaystyle \left(\frac{\sqrt{21}}{3}\right)^{2}\cdot\pi\cdot\frac{120^{\circ}}{360^{\circ}}$
$ S_{1}\displaystyle $$\displaystyle =\frac{7}{9}\pi$
青い三角形の面積$S_{2}$は△BOHの面積の2倍なので、
$S_{2}=2\displaystyle \times\frac{1}{2}\cdot\frac{\sqrt{7}}{2}\cdot\frac{\sqrt{21}}{3}\cdot\sin 30^{\circ}$
$S_{2}\displaystyle $$\displaystyle =\frac{7\sqrt{3}}{12}$
以上より、ピンクの部分の面積$S$は、
$S=S_{1}-S_{2}$
$S\displaystyle $$\displaystyle =\frac{7}{9}\pi-\frac{7\sqrt{3}}{12}$
となる。
解答ク:7, ケ:9, コ:7, サ:3, シ:1, ス:2
図Cで、∠ACD=$120^{\circ}$なので、△ACDで余弦定理を使うと、
$\mathrm{AD}^{2}=3^{2}+5^{2}-2\cdot 3\cdot 5\cdot\cos 120^{\circ}$
$\mathrm{AD}^{2}$$=49$
$0 \lt \mathrm{AD}$なので、
$\mathrm{AD}=7$
となる。
解答セ:7
314方べきの定理と逆
次は$\mathrm{AB}\cdot \mathrm{EB}$だ。辺の長さをかけたものを聞かれているから、まず方べきの定理を疑おう。
△ACDの外接円で、方べきの定理より、
$\mathrm{AB}\cdot \mathrm{EB}=\mathrm{CB}\cdot \mathrm{DB}$式A
$\mathrm{AB}\cdot \mathrm{EB}$$=14$
である。
解答ソ:1, タ:4
問題文より$\mathrm{AB}=\sqrt{7}$なので、式Aは
$\sqrt{7}\mathrm{EB}=14$
$\mathrm{EB}=2\sqrt{7}$
となる。
なので、
$\mathrm{AE}=\sqrt{7}$
であることが分かる。
解答チ:7
三角形の面積比
さらに、△ABC(図Cで斜線の三角形)と△EBD(青い三角形)の面積の比率を求める。
斜線の三角形と青い三角形を比べると、BDを底辺として、
底辺が$\displaystyle \frac{7}{2}$倍
高さが$2$倍
なので、面積比は
$1:\displaystyle \frac{7}{2}\times 2=1:7$
であるから、
$\displaystyle \frac{\text{△}\mathrm{A}\mathrm{B}\mathrm{C}\text{の面積}}{\text{△}\mathrm{E}\mathrm{B}\mathrm{D}\text{の面積}}=\frac{1}{7}$
である。
こんな説明じゃ分からないという人は、別解を見てほしい。
解答ツ:1, テ:7
別解
三角形の面積
△ABC(図Cで斜線の三角形)の面積を$S_{3}$とすると、
三角形の面積$S$は$S=\displaystyle \frac{1}{2}ac\sin \mathrm{B}$なので、
$S_{3}=\displaystyle \frac{1}{2}\cdot\sqrt{7}\cdot 2\cdot\sin\angle \mathrm{B}$
△EBD(青い三角形)の面積を$S_{4}$とすると、
$S_{4}=\displaystyle \frac{1}{2}\cdot 2\sqrt{7}\cdot 7\cdot\sin\angle \mathrm{B}$
以上より、$\displaystyle \frac{S_{3}}{S_{4}}$は、
$\displaystyle \frac{S_{3}}{S_{4}}=\frac{\frac{1}{2}\cdot\sqrt{7}\cdot 2\cdot\sin\angle \mathrm{B}}{\frac{1}{2}\cdot 2\sqrt{7}\cdot 7\cdot\sin\angle \mathrm{B}}$
$\displaystyle \frac{S_{3}}{S_{4}}$$\displaystyle =\frac{1}{7}$
となる。
解答ツ:1, テ:7
三角形の重心
最後に、△EBDの重心をGとする。
点Aは辺EBの中点なので、
点Gは中線DA上にあり、$\mathrm{DG}:\mathrm{GA}=2:1$。
セより$\mathrm{AD}=7$なので、
$\displaystyle \mathrm{DG}=7\times\frac{2}{3}$
$\displaystyle \mathrm{DG}$$\displaystyle =\frac{14}{3}$
である。
解答ト:1, ナ:4, ニ:3