数学Ⅰ : 二次関数 解の公式を使う
はじめに
日ごろ何気なく使っている二次方程式の解の公式だけど、方程式の解を求める以外にも使えたりする。
このページでは、解の公式の、解を求める以外の使い方を紹介する。
解の公式
まず、解の公式をちゃんと理解するために、自分で作ってみよう。
二次方程式
の左辺を平方完成すると、
途中式
2項目と3項目を通分して、
となる。
①の両辺を
最初に二次方程式とことわってあるので、
ちょっと変わった手順で計算しているのは、話の都合による。
両辺の平方根をとって、
だけど、右辺の分母の絶対値は今はなくても大丈夫なので
とかける。
あとは、
と、解の公式ができる。
計算の途中に気づいたかもしれないけど、解の公式の
なので、解の公式の前半の
また、解の公式の√の中の
の1個
だけど、これを復号を使わずに書くと、
で2個
である。
つまり判別式だ。
さらに、二次方程式が実数解を持つとき、2つの解の差は、解の公式より
である。
以上をまとめると、
となる。
このうち、放物線の軸と2つの解の差を、下の例題で実際に使ってみよう。
例題1
解説
問題を見てすぐに気づくのは、
なので、定義域の左端以外に最大値・最小値がないといけない。
この場合、
この方針で解いてみよう。
まず、この二次関数のグラフの頂点を求める。
平方完成してもいいんだけど、係数が文字だらけで面倒なので、ここでは上で解説した方法を使う。
図Aより、頂点の
である。
これが定義域の左半分にあるので、
でないといけない。
頂点の
より
となり、これが頂点の
頂点が最小値の
より
である。
また、定義域の右端の
このとき二次関数は最大値の
である。
あとは、式Bと式Cの連立方程式を解く。
式Bを式Cに代入して、
より、両辺を
これをたすきがけすると、
→ | ||||
→ | ||||
となるので、
と因数分解できる。
よって、
となる。
だけど、このとき、
となって、式Aに合わない。
よって、不適。
だけど、このとき、
となるので、式Aの条件を満たす。
なので、これが答えだ。
以上より、
である。
解答
例題2
放物線
解説
まず、図を描こう。
放物線が直線から切り取る線分の長さなので、問われているのは図Cの
図Cの緑の三角形を考えると、
赤い線の傾きが
より
であることが分かる。
というわけで、
点
の解なので、これを求める。
2つの式を辺々引くと、
より、
となる。
この2つの解の差が、
因数分解はできないので、解の公式を使って解を求めて引き算してもいいんだけど、ここでは図Aの方法を使おう。
図Aより、2つの解の差は
となる。
ここでは
である。
あとは、これを式Dに代入して、
より、図Cの赤い線の長さ、つまり
解答5